私と谷川俊太郎というかみさま
谷川俊太郎さんという人に出逢ったのは、
教科書ではなく、
朝の朗読の時間というやつで読むように渡された詩の冊子からでした。
『生きる』
『朝のリレー』
『うつむく青年』
をそこで知り、
詩というものの透明感、
光の射しこむさま、
うつくしいものはここにあった、と思いました。
そして、
これを書いた谷川さんというひとはきっとうつくしいひとなのだろう、
と。
私はそれから詩を書いてきました。
誰かに見せることもありました。
先生に褒められたりもしました。
ネットに投稿するようになり、
ひととの繋がりも増え、
感想を貰えることもできました。
それが今、詩集を出すところまでやってきています。
あの朝の朗読の時間、
それ以外も、
読んだあの一編から、
私はここに来ました。
言葉といううつくしいものを、受け取ったからです。
谷川さんには、いつかお会いしたいと思っていました。
詩集を送ることも考えていました。
亡くなってしまうことも、
考えては震えてしまうこともありました。
そんな夜は詩を書きました。
あなたへむけて。
谷川さん、
私はずっと詩を書き続けます。
小説も書くし、
川柳も書きます。
絵も描いていっちゃうでしょう。
あなたの言葉が私の血に、骨に、全ての細胞に生きています。
私の書く詩は、
全然谷川さんっぽくなくて、
読んでくださった方に「好きな詩人さんは」
と聞かれて「谷川さん」と最初に口に出すと、
びっくりされるほど真逆の方向の詩を書いています。
それでも私の中に谷川さんの言葉は染みわたり、
生きているのです。
アトムの歌を口ずさみ、
たくさんの合唱曲を聴き、
どこからかながれてくるあなたの詩に胸がいっぱいになりながら、
詩を書きます。
いつかそれがあなたに続いていくことだと私は知っているのです。
谷川さん、あなたは私の恩人です。
詩のかみさまです。言葉への愛のかたちです。
どこにでもあなたがいます。
空の遺失物係りとの再会を果たしていったでしょうか。
あなたが思わずにっこりしてしまうことを、
私はしていきたいと思うのです。
ただ白いだけではつまらないですものね。