嘘を吐くと行く場所を知ってしまう
昨日、家族で出かけたときのこと。
車での移動中、子供たちとNetflixで鬼灯の冷徹を見ていた。
桃太郎に出てくる犬のシロさんはスピッツじゃないのかとか、鬼灯さまと閻魔様が母とダディみたいだとか、話しながら見ていた。
その時はただ楽しく見ていて、夏休みの計画のひとつだったお出かけも無事楽しんで帰り着いた。
帰り着いて、私は夕飯のサラダ担当なので野菜を山のように切り始めていた。
すると突然聞こえる長男の泣き声。
なにごとと包丁を片手に行ってみると、大きな体でダディへと抱き着いておんおん泣いて謝っている。
目で、大丈夫と言う夫さんに、じゃあいいかと野菜を切るのに戻った。
そのうち長男の泣き声が止み、メイン担当の夫さんが台所へやって来た。
いったい、なんだったの?
聞いてみると、どうやら今日見た鬼灯の冷徹で嘘を吐くと地獄に行くんだと知って、夫さんに黙って駄目だと言われていたアプリを入れて遊んで消していたことがそれに当たるんじゃないかと怖くなっての告白だったらしい。
小学四年生の長男は素直な子だ。
ゆっくりとした成長なんだろう、NHKの子供番組に夢中になったのは小学二年生の頃だった。
三年生のころからドラえもんが好きになって映画を全部見た。
小学四年生だけど、今も私に寝る前の絵本をねだる。ノラネコ軍団や100階建てのシリーズ、車や新幹線が出てくるものが大好きで、今も昔も本屋さんに行くと絵本コーナーと鉄道の図鑑のあたりしか行かない。
学校でも勉強は他の子のスピードに追い付けず、みんなが10個覚えるうちに4から6くらいの理解しかできない。そのうちできるようになるけれど、けして同じ速度では覚えられない。
そういうタイプの子供だ。
そんな長男に、鬼灯の冷徹によって、死んだあとに行く場所が教えられた。
今までも、嘘を吐くのなら意味のあるものを吐きなさい。
中途半端に謝るくらいなら、嘘を吐くな。
やったことに対して、それを隠したこと、嘘をついて胡麻化そうとしたこと。それで得るのは母からの怒られる時間と、罰の重さが増すことだけだと言い続けてきた。
それでもやってしまったことを正直に言うよりも、胡麻化したり、知らないふりをしたりしてきた。
今思うと、怒られて、罰を受けたあとはまた平穏がやってくるから、そこまで堪えなかったのかもしれない。
でも地獄という場所は恐ろしく長い、それこそ自分が朝起きて寝るまでの間のすべてが拷問に変わり、そしてそれが終わりがないような長さで続くらしいと知った。
これは怖い!!!となったのかもしれない。
私も4つか5つのころにお正月にお寺で掛けられる3つの掛け軸(真ん中にお釈迦様、左右に地獄と天国の様子が描かれていた)で見た針の山や血の池地獄、舌を抜かれる様子に恐れ戦いた。
嘘を吐くと地獄に行く。
それが嘘か本当か本当のところ分からないけれど、ふと何かを決める時に、魔が差しそうになった時、自分の心に浮かんで、自分で悪いことをしたと自覚している方へわざわざ倒れないようにしてくれる大きな要素になっていると思う。
そういうものって、嘘か本当か関係なく、大切なものだと思う。
嘘でも、本当でも、自分にとってのひとつの真実になっている。
そういうものの一つが長男にできてよかったなと思う。
それから暫くは、長男からのちょっとした悪いことの告白が続きましたとさ。