
熱を咲かせる_おかやま文学フェスティバル_zineスタジアム
自分の首を自分で締めるのが大好きな母が、
約束をしていたのにきれいさっぱり忘れてダブルブッキングをやらかした時は、また諦めようかと思っていた岡山でのzineの販売会。
今回は電車大好き長男も巻き込んでいた為に、
彼の大奮闘(という名の泣き落とし)のお陰で、
岡山駅まで車で送り届け(高速を使って2時間)(行くときに一回、事故を起こしかけました)そのまま加古川へ帰り、
自分主催のイベントを楽しんでからまた岡山駅に引き返す、
(そして帰りに二回事故を起こしかけました。主に死ぬな、となったのは私)という、しんどいことをしてもらうことになりまして、
無事、行くことが出来ました!
正直、朝の九時に出発して、十一時頃に岡山駅で長男と別れ、歩いて移動してzineスタジアムへ、そして夕方まで岡山で過ごす、ということが出来るのだろうか、、、、と心配でしたが、
結果、ものすごく、ただただ楽しかったです。
岡山駅に到着し、
車を降りた時点でテンションマックスの長男。
来る途中にお腹が痛いとパーキングのトイレに15分近く籠っていたので引き返すことも考えたのですが、
「大丈夫。まだちょっと痛いけど、いつものことだから!!」
と言って聞かなかったので、そうかそれなら、と走りましたが、
到着の頃には本当に全くの元気になっていました。
じろうさん(夫)が言うには、
自分のお腹の弱さが遺伝しているそう。
じろうさんも未だにお腹よわよわです。
きっと長男もそうなんだろうなぁ、、、かわいそうに、と思うのですが、
長男的に「ダディとお揃い!!」と嬉しそうなので、
まぁいいか、と思っています。
駅の中のコンビニでお互いに立ったまま食べられるものを買い、
健闘を祈りながら別れ、
私はグーグル先生の導きを頼りにzineスタジアムを開催している旧内山下小学校の体育館へ。
知らない街を、あっちこっちへ目を泳がせながら歩いて向かう時間が、
とても楽しかったです。
来る前は雨が降っていましたが、
岡山に入ったあたりから弱くなり、
車を下りるときには曇り空に。
傘は車に残してきて正解でした。
てくてく、てくてく、横を走るタクシーとバスのカラフルさや、路面電車の音に懐かしさを感じながら(田舎の気動車は二両だから)、
電車(路面だけど)が信号に止まっている姿が面白く、
走っているとついつい見てしまいました。
そうして辿りついたのがこちら。

zineスタジアムは、
11時から開始でしたが、
私が辿りついたのは12時頃。
雨が降っていたし、
寒いし、
だったけれどイベントスタッフの方の声掛けも親切で、
中はまさに熱気あふれる会場で、
前に進むのが難しいくらいでした。
入ってすぐにこの日にトークイベントに出られる乗代先生の本があり、
その向こうでは、それぞれの持ち込んだ机を、
思い思いに作り上げた売り場がずらりでした。
一緒にzineをつくろう!
と声を掛けてくださったまりさんの朧月舎を探そうと見て回りはじめたのですが、もう、すぐ足が止まってしまう、、、
あ、これ読みたい。
わぁ、何が書いてるんだろう。
とちょっとぶつぶつ言いながら笑
そして一周半してみつけたまりさんに挨拶をして、
せっかくなのでお店番を請け負い、
テーブルの前に座ってお客さんを見ながら時々立ち止まって下さる方に作品のことを話したりしながら、しばらく過ごしました。
残念ながら私の手では一点も売れなかったのですが、
店の販売員ではなく、
自分たちの作品を売るための売り子になる、
という体験は今までの接客体験とは全く別の感覚で新しかったです。
ちょうど乗代先生のイベントが始まるころにまりさんが戻って来て下さり、
(私が聞きたかろう、と戻って下さったようです。ありがとうございました!)私は暫く先生のお話を聞いていました。
、、、が、
そこではたと時間を見て
「しまった!駅の中に入場券で入っていられる時間が迫ってる!」
と気付き、その前に買いたいものの目星だけ付けて帰ろう、
とぐるっと回り、急いで外へ。
電話をかけるとのんびりとした長男の声。
彼の方も楽しくて夢中になっていて時計を見ていなかったのだとか。
とりあえず改札で落ち合おう、と言って私は来た道を早歩きで歩き出しました。
そこで長男と合流し、
駅のそばにあったミスドで桜ドーナツを味わい、
二人とも全く初心者でどうしていいのか分からないとぎゃいぎゃい言いながら路面電車に乗り、
大興奮の内にさっき出た場所の近くへ辿りつきました。
たぶん1時間くらい間が空いての再びの来場。
今度は真っ直ぐまりさんのところへ行き、
とっておいてもらった『mimoza』を購入しました。
これを作りながらあれこれ話した長男に会ってもらえてうれしかったです。
そのあとは私の買い物に長男が付き合う時間に。
さっき見てたときには気づかなかったところにも目を留めながら、
どんどんと買っていく私。

結局自分の好きな詩と小説ばかりに、、、
小説を書かれている方と少しお話して「どれも自信作だと思うのですが、どれが一番おすすめです?」と聞くと「やっぱり最新作です」とおっしゃったので、前作と新作と買いました。
あと詩と写真のあわさった方のは一度インスタで見かけて気になっていた本で、
全部買いました。あと言葉遊びのような詩というか短詩を書かれている方がいて、
何それ面白い!となりました。ミステリ縛りの短詩とかぐさぐさ刺さりました。
乗代先生がサインしているのを見て、
「え?サイン貰えるなら買わなきゃ!」
と入り口に向かったら、
ちょうどそこで書かれたサインが机の上に並んでいくところに!
1冊はサイン本、1冊はアンソロジー(知らない方、たぶん作家さんだけではないのだと思います)を1冊買いました。
が、トークショーで話が出ていた新作の本があるのを横目ちらり。
こちらは他のお客さんが、この本が出来てくる前に問い合わせに来られていたそうで、その方に「1冊ありました!」と伝えに行っているという。
その方が「今回は諦めます」ということだったので、即座に「私買います!」と手を挙げると、スタッフの方(出版社の方?)が
「売ります!」と返してくれました笑
おかげでサイン本が2冊になりました。


ほくほくしながら、持ってきた一万円を溶かしてイベント会場を後にしました。
長男が
「母、爆買いだったね」
と言うので
「爆買いしちゃったよ」
と答えると、
「いいんだよ!爆買いは楽しいよね!僕も爆撮り楽しかったもん!」
とフォローしてくれました。
ごめんね、何にも反省実はしてない母だよ、、、
イベント会場のすぐ近くが岡山城だったので、
せっかくだからとふたりで見に行きました。


すぐ横の川にスワンボートがあって、
なんとさすが岡山、まさかの桃ボートが!!
「乗りたい、、、」
と呟きながらも、
「でも私たちでは帰れない、、、」
とお互いに言いあい、
「ここにダディがいたら乗れたのに」
と写真を撮ってきました。
その後は路面電車で再び岡山駅に。
私は駅から繋がる無印と本屋さんへ、
長男は、さっきまでは在来線のを撮っていたので、
「次は新幹線を撮ってくるよ!」
と別れました。
再び2時間の自由時間。
私は無印で買いたかったものがありまして。
YouTubeで見たのですが、
文庫本と同じように綴じているノートがある、それも190円で、
と聞いて「それは欲しい」と。
この前じろうさんが居る時に車で連れて行ってもらおうと思ったのですが、
祝日で駐車場に入るのに長蛇の列ができていて、つい
「いいよ、またで」
と言ってしまい、買えなかったのです。
せっかくだからとゆっくり商品を見ていると、
前に百均であったという絵本を作れる感じのノートが!
いいじゃーん、と手に持ってまた店内を見ていると、
なんと違う場所にもう一つ大きなサイズのものが!
えー、、、どっちにしよう、、、
と考えた結果、二冊買いました。
そして、古着屋で使っていてもう切るところががたがたの鋏も、
無印のに買い替えることに。

本屋さんも端から端まで見て回り、
楽しみました。
やっぱり本屋さんは最高だなぁ。
丸善さんのスタッフさんがポイントカードをとっても丁寧にお勧めしてくださったのですが、私の住む地域には無いのです、、、丸善。
あったら作ってました。
いいスタッフさんでした。

中は何故かうまい棒とたま駅長のシールがたくさん貼ってあり、
四コマも描いてありました。
行きも帰りもたまラッピングの路面電車に乗ったのですが、
シートの柄もレトロで可愛かったです。
そして下りた瞬間、眩暈が。三半規管の鍛え方とかないのだろうか、、、
本屋を出てからは、モールの中の椅子に座って買ったばかりの乗代先生の『旅する練習』を読みました。
中学受験を終えたばかりの姪っ子から、
夏に行ったサッカーの合宿の宿で読んだ本を面白くて持って帰ってしまったのを返したい、という願いを叶えるため、近所に住む小説家の主人公が
サッカーの試合を見に行くと偽装した、宿へ向かう旅行の予定をたてる。
けれど世界はコロナが蔓延しはじめたところで、、、
卒業式、サッカーの試合、そして中学生活も静まり返った世界で、
楽しみをなくしてしまった姪っ子に言います。
「宿に本を返しにいこう。歩きながらサッカーの練習をしながら」
と。
さあ、サッカー少女と小説かの叔父さんのコロナ化のはじまりの中の旅がはじまるのでした。
、、、という。
あれ?こんなにこの先生の文章読みやすかったっけ、、、
と思うくらいするすると世界が入ってくる文章で、
あっという間に母から「もう着く」のラインが入る時間になりました。
長男がどうしても「やくも」だけ撮りたいというので、
それを待って最初に下された場所へ行くと、
ちょうど母がやってくるところでした。
それがちょうど6時。
昼前からだったので7時間も岡山に居たのか、と驚きましたが、
長男も私もとても楽しい時間を過ごすことができました。
お互いにあれがよかった、これがよかったと言いながらの帰り路。
母が二回事故を起こしそうになりましたが、
なんとか8時には家に帰りつくことが出来ました。
高速にはいってすぐに見た、十六夜の月は、
異世界のように大きなもので思わず写真を撮りましたが、
全然写真では撮れませんでした。残念。
でも目に出来ただけでも幸運な大きな月でした。
そこからどんどんと空は晴れていき、
家に着く頃には雲のない空に。

帰りつくと、ひとりでお留守番をしていた次男と長々としたハグをし、
もう何もしたくない大人組はお茶漬け、
子供組はカップ麺を食べ、
お風呂に入ったあとは子供たちはすとんと寝てしまっていました。
なんていい一日だったんだ。
布団に入るとき、そう思いながら目を閉じられた、とても幸せな日でした。
以上、岡山での一日でした。
(昨日の詩と同じタイトルなのは、昨日の詩がイベントの様子を書いたものだからです)