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晴れた日に生まれた子の誕生日は、またも晴れ

まさか、自分が二人目を産むなんて。

次男を産んで、二時間の食事と睡眠を禁じられて、一晩頑張った体でベッドに横たえておいて、、、と思いながら、何度も考えたことだった。

うれしいとか、
晴れやかだとか、
しあわせだとか。

感じたかなぁ、、

もっと現実的なことを考えていたと思う。
生活費はこれくらい必要になって、補填できるのはここくらいで、
収入は足りないかもしれない、貯金はあると言えない。

不安に押しつぶされることはなかったけれど、
びっくりし続けていたように思う。

まさか、私が二人目を産むなんて。

子供がすきじゃない。
苦手だ。
出来るなら関わり合いたくない。
そんなことを思っているくらいの人間だったのだから。

一人目がやっと理解できることを言い出したくらいだった気がする。
やっと手が離れていくと思っていたはずだったのに。
私はまた手のかかる存在をそばに置くのか。
なんでそれを選んだんだろう。
それを不思議に思っていた。
一人目がそうだったように、産む一か月前までは普通に働いた。
仕事場では周りがはらはらするくらい動いたし、
重いものも持ったりしてた。
自転車通勤だったし。
もし、産まれたくなかったら、出てこい。
そんな気持ちでいた。

でも、次男は無事、長男よりも重たい体重で生まれてきた。

長男同様、ほとんど手がかからない赤ちゃんだったけれど、
次男は顔にすごいぶつぶつができて、乳児湿疹かと思っていたけれど、
まったく良くならないので病院に行ったらアレルギーだった。
牛乳、小麦、卵に動物の毛。
母乳もだからすぐに止めて、アレルギーの赤ちゃん用のに変えたらみるみる良くなった。

アレルギーが多かったために、離乳食は大変だった。
すり潰した野菜と米を、ひたすら食べさせていた。
大量に作って、冷凍して、どこかに出かけるときもそれを持っていってた。
少し大きくなってからは、少しずつアレルギーのでるものを食べさせていって、体に慣れさせるというのを病院に通いながらやった。
今では体調さえ悪くなければどれも食べられるようになった。

次男はかわいい顔をしていたので、可愛い服を良く着せていたら
同僚方から
「女の子の服は着せたらダメ!」
とよく怒られた。
でも本人に選ばせても可愛いのを選ぶんだからいいじゃないか。
今でも次男は可愛い服を選んで着る。
本人も気に入っていて、似合っているんなら十分だと思う。

次男は夫が見ていた「銀河鉄道999」を気に入り、レンタルしては見ていた。たぶん全話見ているし、劇場版や、派生の物語も大体見ている。
それが幼稚園の年少さんの頃で、人物に重きを置く長男と、物語を追う次男なのかもしれない。

幼稚園の入園式のあとだったか、参観日だったか、、、
親が子供といっしょに輪になって座り、
親がみんなに子供の紹介をするということをした。
名前と、家での様子と、子供の一番すきなことを順番に発表していくことになり、私はかなり悩んだ。
子供の好きなところ、というのがよく分からなかったからだ。
好きとか、嫌いとか考えて子供を育ててなかったな、、、
一人でも生活が送れるようになるまでは、きっちり面倒をみようとは思っているけれど、それは産んだ責任で、彼が好きだからではない。
そもそも生まれてまだ数年で、人格のふわふわとした生き物の好きなところって、それも一番の、、、
順番がやってきて、私は次男が長男が大好きなこと、家では怪獣だけど前の保育園では大人しいと言われていたことを話し、
一番すきなところはそれしか思い浮かばなかったので

「顔です」

と言った。
可愛らしい顔をしていたので、数人のお母さんが
「たしかに」
と頷いてくれた笑

そんな次男は、幼稚園での生活が合っていたみたいで、
二年目には家の外でも怪獣になっていた。

今年からは、兄と同じ小学校へ自分で選んだパールが塗された紫色のランドセルを背負って通っている。
そして11月17日は次男の七歳の誕生日だ。

正直、次男を育ててきた、という気持ちには全くならない。
彼は自分で毎日大きくなってきたのだと思う。
まだまだ毎日のように「抱っこ!!」という120センチ、27キロの次男。
母が死んだら嫌だと、自分からいっしょに映画を見始めたくせに、終わるころにはそんなことを言って泣き出す。
男の子のいる母親方には「そんな時期すぐ終わって、あんなに可愛かったのにって思うよ」と言われるが、私ははやくそんな日が来てほしい。

今、次男の好きなところを聞かれたら、
今でも「顔」は大好きだけれど、
プラスで、
彼は自分の好きなものを、誰に何と言われても、好きな姿勢を崩さないところだ。
紫のランドセルも、ピンクの手袋も、可愛いトレーナーもハンカチも。
ポケモンの絵をずっと描いている休み時間も、
大事にしているぬいぐるみたちも、
どれ一つ彼は人の言葉で揺れなかった。

「なんか、変って言ってくる人いるけど、関係ないから」

と、クールなことを言っていた。
ひとりの人間として、次男のその考え方を好きだと思う。



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