文学フリマを終えて、その手前の人生の大きなイベントとともに
文学フリマ香川の会場は、おしゃれな香川のお町である場所での開催です。
無事にまりさんからの荷物をお渡しでき、
二度目の顔合わせのごまヲさんともご挨拶をして、
私はあとからやってくるめぐみさんを待ちました。
それというのも、
この文学フリマは一ブース二人まで、今回はもうひと方とテーブルを半分こ
だったので、
座れるのはひとりまで。
さて、お金のやりとりはどうする?
どうやって売れたものを管理する?
とめぐみさんがやってきてまりさんが設営をひと段落してやってきたタイミングでわーっと決めてしまい、
再びまりさんは会場内へ。
送れること少し、
一般のお役さんとして私とめぐみさんは入場しました。
もう中は圧巻。
百を超えるお店がずらり。
今までのZINEフェスと違ったのは、
圧倒的に小説の多さでした。
まさかの超有名作家さんの出店に、すぐさま行列ができていたり。
あと、きちんと製本、というものになっているものが多かったように思います。
フリーペーパーだけでも、
名刺だけでも貰ってください!
という熱量が凄かったです。
そしてなんと、そんな有名作家さんの出店の中に、
私の大好きな森見登美彦先生が、、、、
私は全くどんな人がお店をしているのか見てなかったのですが、
めぐみさんが「ここでしか買えない本がでるんだよ」「サイン入りだよ」
というので、
私は恵さんの背中を追いかけてまず自分たちのブースより先にそこへ行ったのでした笑
その目的の本以外に、
となりになった本。
表紙買いです。
何も考えずに買いました。
サイン入ってました。
あとから編集の方にお尋ねしましたら、
いつもはライトノベルで書かれていて、
名作をいくつも出している作家さんなので絶対に面白いです。
と胸を張っておっしゃっていて、
思わず「はい」と答えていました。
そんな私は、
二度のお店番を経て、
三人の方に私の「わたしのひかり」の第六段をお渡しすることが出来ました。
お一人は二人組のお嬢さんで、
二人とも買ってくださったのですが、
「決めてはなんでしたか?」
と聞いてみると
お一人は
「青いから」
とにっこり。
もうお一人は
「一文を読むと次の文章を読みたくなったので」
とおっしゃっていました。
あとお一人は、
まりさんの今通うわれている風景描写教室の中で一緒になった青年の方でした。
それぞれの冊子を吟味し、
私の冊子を買って言ってくれました。
彼にも決めてを聞いておけばよかったです。
反省点は、
やっぱりフリーペーパーを作るべきだったこと。
詩をまず読んでくれないと、
どうにもならない。
本として形になっているものをもっていくこと。
できたら明るい色のもの。
フリーペーパーも、淡い色のコピー用紙とかに詩を載せたかったかも。
あと、顔が出せるスペースが狭くて(仕方ないのですが)
売り場ももっと工夫しなくては、ですし、
目を惹く、という意味で私の詩のフォトとかいくつか飾ってみてもよかったかもしれません。
見てもらう、興味を持ってもらう、ということの大切さを学びました。
今度は自分の本もいっしょに持っていけるし、
もっと頑張ろうと思います。
そんなふうに、
やりながら反省点を考えていた私ですが、
胸の奥では違うものが渦巻いていました。
それは、、、、森見先生に握手してもらいたい、、、でした。
迷惑だよな、他の先生が嫌な気持ちになったりするかもな、とうじうじする私を、まりさんとめぐみさんが
「冊子を持っていって読んでくださいっていって、
それと一緒に握手を頼もう!」
と背中を押して下さり、
思わぬ一歩を踏み出してしまいました。
すでに撤収をはじめているブースのなか、
思わず震える声で「すみません」と声をかけました。
最初は怪訝な顔をしていたみなさんでしたが、
私の必死さについ聞いてしまい、
泣き出した私にちょっとぎょっとしながら受け取ってくださいました。
そして烏滸がましい限りですが、
森見先生へ握手を申し出たのででした。
先生はやさしく微笑み、ゆっくりと握手してくださいました。
男性にしてはほっそりしていて、でも華奢な印象は抱かせない、あたたかな手でした。
もう脳に刻み込まれました。先生の手。
やっぱり有栖川先生と同じく、作家の方って手がきれいなんでしょうか?それよりもよく鍛えられているからなのでしょうか。
不思議です。
どちらもきれいな手でした。
その後、まりさんやめぐみさんもチラシや冊子を私に行って、壁のすみで私はぼたぼた泣き続けていたのでした。
するとスタッフさんが驚いて「どうされました!」
とすぐ駆けつけてくださったのですが、
「だ、大丈夫です、、、森見先生が、、」
と言ったら、うふふ、と笑う様に
「そうですか、それなら安心ですね、存分に泣いてください」
と言ってくださって有難かったです。
ぎょっとさせてすみません、ありがとうございます。
そんな大イベントのあと、
撤収を少し手伝いい、
お金を換算するためにカフェに足を運び、
なんとか第一回文学フリマ香川への参加を終えたのでした。
その後じろうさんと合流し、
今日あったことを思い返していると、
突如、「ぎゃあああああ」となることに。
だって、私森見先生に、自作の冊子をお渡しして文章を読んでいただいたんですよ!!
そんなのしてほしい人がこの世にどれほどいらっしゃるか。
賞の選考に残ったわけでも、誰に推薦されたわけでもないのに、
先生に文章を読んでもらうなんて恥知らずなうえに、
なんだか他の作家の卵さんたちを抜け駆けしたような気がしてしまい、
うれしい、最高、幸せ、から恥ずかしい、厚顔無恥めと気持ちのジェットコースターをし続けた帰り道でした。
瀬戸内海のきれいな夕焼けを見てやっと正気にもどりつつ。
徳島を出るときは、
いつも髪の毛の根元ごと皮膚を剥がされているような気持ちになります。
さみしいのではなく、
ここにいるべきなのに、と言われている感じ。
うつくしい夕焼け。
雲に長く色を残す赤とむらさき。
疲れ果てた頭も体も、
そうして無事にじろうさん(夫)の車で無事家に着いたのでした。
そして今日はやはり、夕方まで寝潰れていました笑
めぐみさんからは「京都の文フリどうします?」と声がかかり、
やる気の熱だけが高く、
今も燃えているのでした。
是非また出たい。
そう思った、初めての参加でした。