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「名前を知りたい」の解説のような

これは、
私の死生観というのか、
輪廻の感覚というのか、
そういうところの詩になります。


【花の名前が知りたい
 頭の上の雲の名前も
 耳を通り過ぎる鳥の名も
 あらゆる身近なもの ことの
 名前をひと掬いずつ

 だって
 あなたかもしれない

 いつか
 あなたになるのかもしれない

 可能性の全ての名前で
 あなたを呼びたい】


この詩は、
文芸会が終わり、
絵本カフェくうねるんでの二次会(笑)に行く途中に、

「僕、この雲の名前を知らなかったんだよ」

と教えてくれた話が、ずっと残っていて、
私たちは名前を知らない存在に囲まれて生きているんだなあ、
この世の名前の全てを一つずつ知っていきたいだなぁ、
というところから出発した詩です。

透明になった“あなた”が、
その後どうなったのか。
苦しくなければいいと思うし、
そばにいてくれたらいいと思うけれど、
またこの世界に生きていてくれたならいい。

そうだったなら、
私が知らない何かに生まれているのなら、
それを私は調べて呼びたい。

もしかしたら今知らないあれが“あなた”かもしれない。

明日知るあの名前が“あなた”の名かもしれない。

そう思えば、
知らない名前も、
知っているあらゆる名前も、
呼ぶたびに気持ちが揺れるものだなぁ、と思います。

そんな詩です。

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