『水は海に向かって流れる』をご存知ですか?
主人公の直達くんは、
高校進学のおり
通いやすさからおじさんの家にお世話になることに。
ところがその家には、
女装をして夜だけの占いをしているちょっと暴力で解決しがちなお兄さんや、
何を研究しているのかいまいち分からない教授、
そしてただのOLの榊さんがいっしょに暮らしている
不思議な民家でした。
直達くんがおじさんの家に引っ越してきた日、
仕事で抜けられないおじさんの代わりに来てくれた
榊さんを、最初直達くんはおじさんの恋人かと勘繰ります。
ところが、
榊さんは10年ほど前に
直達くんのお父さんが
W不倫の末壊してしまった家庭の娘さんだったのです。
その事実をひょうんなことから知ってしまった直達くんの、
複雑で、
繊細で、
ちょっと可笑しみがまぶされた
不思議な共同生活の日々の物語です。
最初のころに直達くんと占い師の泉谷さんが拾ってくる
猫の「ミスター・ムーンライト」こと
ムーちゃんが
シリアスな場面や、
ふんわりした場面に
ちょこちょこ手や台詞を放り込んでくれていて
物凄く癒されます笑
ムーちゃんだけでなく、
人物たちの線のやわらかさや、
やさしさが好きです。
軽々と飛び交う会話の軽妙さが、
内容の重たさを
ふわっとしてくれています。
本当に流れる水のように、
それぞれの感情は流れていき
やがて
大きな場所にたどりつく。
そんな不思議なくらいかろやかな作品でした。
アメブロにも色々書いていますので、
よかったらどうぞ。