「言った」の解説のような
ただ生きていることをよしとしない人だったのに、
私には、
とりあえず生きてみて欲しいと言った人でした。
自分に厳しいくらい他人にも厳しくしてくれたらよかったのにと、
何度も思わせるひとでした。
本当に、
苦しいやら辛いやら、
言ってくれたらこちらも楽になったんじゃないかと思うくらい、
眉をしかめることも珍しい、
いつでも笑顔の人でしたから、
この人が何か話をするときは心の全てで聞こうと思っていました。
私には好きな人が沢山いますが、
自分の命を一番ここに引っ張ってくれたのは間違いなくこの人だと思います。
この人に申し訳ないから、
私はもう少し、もう少し、と生きようと歯を食いしばってこられました。
【あなたは生きたいと言った
閉じていく
私の口元を見つめて
あなたは
生きたい
と言った】
「死にたい」
と零したことはありませんでしたが、
そう書いている顔を何度も見せていたのだと思います。
ひとの心の機微に気付く人だったのです。
私にただ真っ直ぐ、
「生きたい」
と伝えてくれた人でした。
その言葉でどれくらい私が持ちこたえるのか。
信じてくれようとしてくれた人でした。
その人の言葉を、
何度でも形を変えて書いて生きたい。
そんな気持ちで書いた短い詩でした。