11・2(日記 川柳と連句の日のこと)
この日は、
朝のうちに川柳教室に行き、
昼からは喫茶あいうゑむさんで開催された『連句の会』に行くという強行軍の日でした。
『川柳教室』は、
相変わらず楽しく、刺激的で、勉強になる会でした。
みなさんがどんどん上手くなっていくのが分かるくらいには自分もうまくなっているといいのだけれど、、、と思いながら。
今回は珍しくお題の句にも票が入りました!
お題は『迫る』。
まず先生から言われたのは、
「みなさん工夫した句を作ってくれていますが、
“迫る”という言葉だけを使っていて、
切迫とか、緊迫とか、いう熟語が使われていないことが残念でした。
今度からはそういう言葉も調べてみて下さいね」
ということ。
たしかに。
私はなんとなく『迫る』という気配というのか、
空気感が伝わるような、浮かびあげるような、
そういうのにしたいと思って、
言葉を入れないで書こうと最初に思ったので、熟語まで頭が向かわなかったんですよね。
先生の、この上の語と下の語を入れ替えてみたらもっと良くなるというのを読むと、「わぁ、本当だ。しっくりくる」と物凄く頷いてしまいます。
考えているつもりでも、
もっと先を考えている人が現れて、その思考を追って見ると、
「おぉ」と圧倒されます。
私が書いた川柳は
『駆ける私はヴァンパイア 背に陽は昇る』
と
『明るさが影を濃くする鍋の底』
でした。
ヴァンパイアは『ダレンシャン』を読んでいて思いついたやつです笑
ダレンたちが日光から逃げる姿のお陰です。
鍋の底の方は、
明るい団欒を成立させている要素に私いなくてもいいなぁと、
それを見ながら食事の片付けをしている私、
という決定打ではないけれど、じわじわ降り積もるものが迫ってくる様子、
みたいなことを書きたかったのですが、
「ちょっとこれだけの描写では分からないな。
シチュエーションは面白いから、二つや三つに分けて書いて見たらいいとおもう。一句めで家族の団らんを、二句目でそこから外れて片づけをしている私、そして三句めでじわじわ迫るものみたいに」
とアドバイスをいただきました。
ああ、そういう風に何句かをまたいでの描写もありなんだな、と新たな発見。
要素を詰め込み過ぎてはいけないよ、ということをこの日は何度も言われました。
なんとなく物語を詰め込む幅を広くとりがちなのかな、と。
小説や詩だとそれはできるけれど、
川柳だとそれが許す範囲というのがあるんだな、それを体感的に分かるようにならないとな、それまではきちんと考えていかないとな、と思いました。
そんな今回の教室で、先生から手放しでほめてもらえたのは
『十五から変わらないのね悲しみは』
でした。
前に書いていたものを持っていったのですが
(一度に二句しか出せないので、前に書いたやつを出したりしてます)
先生からは直されもせず、OKを頂きました。
自分でも好きな句だったので、うれしかったです。
川柳教室は、最後に虫食い川柳をするのですが、
毎回とても面白いのでちょっとこちらにも載せておいてみようかなと思います。
①『欠伸を殺しわたしを殺し□□でいる』
②『□□□□といえない父がよく怒る』
③『ひっそりと夏を手放す□□□□□』
④『きっと面白い□□□のかくれんぼ』
⑤『まだ愛をささやくか□□□のピンク』
⑥『逆さまに貼った切手で□□が着く』
(□が一文字になります。③は本当は7文字なんだそうですが、
先生が5文字でも面白い言葉が入るんじゃないかと5文字にしたそうです)
どうでしょう?
ちなみに私の解答は
①凪い
②さみしい
③ハーモニカ
④地獄
⑤毛玉
⑥ケリ
としました。
さて、答えは、、、最後にでも笑
川柳教室を出て、
私は急いで土山駅へ。
なんと電車での移動です。
もちろん一人ではいけませんが笑
土山駅のどこに自転車を停めるところがあるのかを前日に確認しにきたのに、まさかの自転車置き場がいっぱい、、、
パニックになるなよ!と自分に命じながら、縋る気持ちで絵本カフェくうねるんへ。
店主のこっこさんに事情を話して自転車を侵しておいてもらえることに。
ありがたや。
そうして土山駅にて待ち合わせをしていた茉莉亜まりさんという川柳作家さんと合流して、いざ喫茶あいうゑむさんへ。
今回、本当はどうしようかな、参加やめておこうかとも思ったのですが、
せっかく声をかけて頂いたし、
何度かあいうゑむの店主であり詩人の福永さんから
「あなたにまりさんを紹介してあげたいわ!」
と言ってもらっていたので、これはチャンスだな、と「行きます」と言ったのでした。
ただ、母が今回は用事があるので一緒にはいけないということで、
駄目元で、とまりさんに「一緒にいってくださいませんか」と母の方から声をかけてもらい、了承を得て、行く日に初対面同士で待ち合わせをして、
電車で向かうことになったのでした。
なんてチャレンジャーだったのかと、
あとから思いました。
いや、待ち合わせをしている最中から思ってました笑
まりさんとは、もちろん年齢も違うのですが、
落ち着いた声と話し方で、
川柳の歴史や、時実新子さんのことを話してくださり、
まりさんの生きてきた道筋をかいつまんで話してくださったり。
あっという間の行きの電車でした。
さて、
『連句の会』なのですが、、、
めっっっ、、、、ちゃ難しかったです。
そも、俳句というものが苦手なんですね、私。
石川先生も言っていましたが、
「川柳は人物画、俳句は風景画」
といわれるくらい、俳句というものは感情を表立って表さないというものらしく、
季語を入れる、でも重ねてはいけない、とかだけでも気持ちが落ちるのに、
連句というのは細かくまたルールがあって、
何となく卓上の複雑なゲームのような戸惑いがありました。
今回教えてもらったやり方は発句の最後の二文字を、
次の俳句の頭に持ってこなくてはいけないというやつで、
最後の言葉が「影」だったなら、
「影」の字が「陰」でも「蔭」でも駄目で、
「蔭口」も「陰る」も「影踏み」なんてのも使えない、という。
その上でこの句には発句と同じ季節の季語が入らないといけない、とか、秋なら三つまで同じ季語を入れるとか、三つめは月の季語を入れた方がいいとか。
前半の連句の先生のお話は、
正直頭がふわふわしてしまうような、
「え?なんの話してるんだっけ??」
となってしまうようなもので、
実際作ってみても、俳句というものへの苦手意識からなのか、
正直何にも浮かんでこず、
それでも一句はつくらないといけなかったので絞りに絞って、
苦し紛れの一句を捻りだしました。
こんなに文章を考えるのに苦労したことないな!
そうして一時から五時までの連句の会は終わり、
私は再びまりさんともうひと方、絵描きさんと一緒に電車に揺られて帰ったのでした。
帰りは時間がよくなくて、
混雑した車内にぐらぐらしました。
もう連句はいかない!!
なんてことを誓いながらの帰り道笑
俳句を作っている時はすらすらと作られていたまりさんも、
実はあまり俳句は得意ではないということを聞き、
ほっと胸をなでおろしたのでした。
でも、いい経験だったなとも思います。
俳句は難しいし、私の気性に合わないとよく分かりました。
帰ったらどっと疲れが出たのか、
眠気が押し寄せてきました。
久々に10時過ぎに寝てしまったのですが、
結局夜中の2時に起きたので、
トータルはいつもと同じくらいしか寝られませんでした。
残念。
あ、
虫喰い川柳の答えを書いておきます。
①(妻)
②(淋しい)☚当たってました!
③(駅裏喫茶)☚これが正解なのですが、先生の思い付きで5文字になっていました。先生から私の出した「ハーモニカ」の方が素敵!といってもらったので、嬉しかったです!
④闇夜
⑤入れ歯
⑥秋
です。
⑤番、たしかにピンクだ、、、と納得。
どうですか?
合っていましたか?
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