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僕が好きな場所。自由学園明日館。

みなさんは、好きな場所はありますか?

散歩カメラを趣味にしていると、歩いていて何となく好きな地域や、散策ルート、何度も訪れたくなる建築物などができてきます。

別に、自分しか知らない特別な場所という訳ではなく、実際に自分が歩きたくなるルートは、その地域自治体が散策ルートとして紹介していたり、訪れたくなる建築物も、知る人ぞ知るというよりは有名な物件ばかりです。雰囲気の良い街や公園、建築物は、やはり誰が訪れても気持ちが良い場所という訳ですね。

今回、記事に書いてみたいのは、 東京の西池袋にある、自由学園明日館という建物についてです。この建築物を知ったきっかけは、小学校3年から今も付き合いが続いている友人が、この場所を借りて結婚式を挙げて、式に招待された時に知ったという経緯なので、散歩カメラで見つけた場所では無いのですが、この場所にはふと訪れたくなる魅力があります。式に招待してくれた友人に感謝ですね。

自由学園明日館全景

建築物好きな方には既に有名な建物だとは思いますが、以下に簡単に紹介したいと思います。

自由学園は、1921年(大正10年)に羽仁もと子・喜一夫妻によって創立した学校で当初は女学校として設立された学校です。大正時代というと、大正デモクラシーという運動が有名な様に、自由主義を根本に持つ様々な思想が、政治や文化、芸術に大きな影響を与えた時代ですが、その後の日本の辿った道を考えると、まだまだ一般の人の多くに、自由や民権といった思想が定着していたとは言えない時代だとは思いますが、こと、芸術・文化面の思想や哲学に関しては、現代の目から見ても温故知新と言える文化が見てとれると思います。

自由学園明日館は、キリスト教徒だった羽仁もと子の思想をもとに、アメリカの建築家のフランク・ロイド・ライトとその弟子である遠藤新という建築家の手によって誕生した建物ですが、この建物を見ると、建物のデザインには当時の芸術的な様式のアールデコの面影を感じるとともに、キリスト教の礼拝堂にも通じる様な、ある意味厳かでありながらも暖かい雰囲気を感じる事ができます。

明日館の象徴とも言える大きな窓。幾何学的な造形が美しい。

大正時代から昭和初期の建築物としては、東京の青山や他各地域に存在した、同潤会アパートが挙がりますが、この自由学園明日館にも、当時の社会に対する建築家の思想や哲学の様なものを感じる事ができます。

実際に、この建物の象徴である講堂に立ってみると分かるのですが、建物内に差し込む光を感じると、窓の造形も相まって柔らかな光に照らされた室内の雰囲気は、現代の学校とはちょっと別物とも思える雰囲気があります。

講堂に差し込む光は柔らかく心地良いです。

この、明日館の各所を見て回ると、羽仁もと子という人は、当時の時代から考えると、先進的な思想の持ち主でありながらも、人々の生活に根差した文化的な革新を夢見た人だったのではないかな?と浅学な自分の様な人間であっても思いを馳せる事ができます。女学校として誕生して、通学には和服ではなく洋装でこの学園に通った当時の子供たちは、きっと学ぶ事の楽しさ、学園に通う事に誇らしい気持ちを抱いていたのではないかなぁ…などと想像します。

固い前置きを長く書いてしまいましたが、この日撮った館内の写真を下に掲載します。

教室の一室。きれいに保存されている建物ですが、床はアメリカの建築様式が日本の高温多湿な気候に合わない面もあって、オリジナルの床板が保存されているのは一室だけとの事。
可愛いデザインの椅子。
大広間的な部屋。友人が結婚式を挙げた時、参加者の会食はこの部屋で行われました。
暖炉の様子。当時は冬は寒かったでしょうね〜
先ほどの大広間からこの階段を上がると、講堂の窓を見渡せる場所に出ます。
階段を上がった先のスペースはミニミュージアムとなっていて、明日館のミニチュアや学校の沿革などの展示があります。
ミュージアムの部屋からは講堂の様子や窓を見る事ができます。
学園当時の図解イラスト。
講堂にある壁画。
学舎の少女像の彫刻。
館内の各所には、季節に合わせた花が飾られていて、こういった所からも大事に使われている事が感じられます。
出入り口の扉の様子。
明日館は、見学と喫茶がセットになったチケットが販売されていて800円で一息入れることができる所も魅力です。
現在は、大広間の部屋が喫茶室として使われています。
訪れた日は平日でしたが、結構、見学に来ている人がいました。それだけ魅力のある場所という事ですね。

見学ができる日にちは、自由学園明日館のサイトで確認ができますので、出かける日程はカレンダーを確認してから出かけられると良いと思います。

今回は、「僕が好きな場所」として自由学園明日館を取り上げてみました。自由学園明日館は、東京近郊に在住の人であればご存じという人が多い場所と思いますが、関東圏以外の人にもぜひ訪れてみて欲しい場所です。東京に仕事や観光に来る事がある際には、訪れてみるというのも良いと思いますよ。

今回の記事の写真は、僕のメインカメラのニコンZ5に、Z28mm f2.8 レンズで撮影しました。最後の二枚だけZ40mm f2を使っています。コンパクトで価格も安く、良い感じに写ってくれるなぁ…と感心してます(笑)

ニコンのZシステムは、ソニーやキャノンや富士フイルムを追う格好ですが、もしこれからミラーレス一眼カメラを買おうかなと考えている方、僕としてはニコンはオススメですよ!(と、最後に布教してみる)

では、また次の記事で!

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