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優しさの連鎖

家に帰る途中、無性にお寿司が食べたくなり、近くのショッピングモールにある「巻き寿司のテイクアウト専門店」に車を走らせた。

駐車場に車を止め、お寿司の味を想像しながら、軽い足取りでショッピングモールの中へ向かう。すると、お店に着いたタイミングで看板の電気が消え、時計とみると時刻は18:01をまわっていた。

「あ、18:00で閉まるのか...」と、肩を落とし、お寿司を諦めようとした瞬間、一人で閉店準備をしていた韓国人の男性と目が合った。

「あいてますか...?」

電気が消えた時点で閉店したことは重々承知していたけれど、「閉店と同時にお店に訪れた恥ずかしい客」というレッテルを少しでも薄めたかった。

すると、「売れ残ったからタダであげるよ!この中から1つ選びな!」
と、カウンター越しに4種類のからあげ弁当を差し出した。
サーモン入りのお寿司はまかない用かな、と右端の奥に一瞬目を取られるが、すぐにありがとう、と笑顔で答え、からあげ弁当を見つめた。

どれにしようかなー...と悩んでいると、「もう全部あげるよ!君はラッキーだね!」と、残ってるいる商品を手際よくビニール袋に詰め、僕に渡した。

「え、いいの?!ありがとう!」
驚きと喜びと感謝が混ざった変な笑顔をしていたと思うけど、店員さんは優しく笑顔を返してくれた。

通りすがりのぼくに商品をタダでくれるなんてビジネスとしてはいい行動とは言えないかもしれないけど、人間としてはとても素晴らしく、ありがたい行為で、心がすごく温まった。そしてきっと世界中でこういう行為が増えれば、食料廃棄も減り、無駄な消費も減り、優しさの連鎖を生む。

頂いた食料は、一緒に住んでいる仲間たちと美味しくいただきました。

もしかすると、優しさを生み続け、途切れることなく連鎖させていければ、よりよい世の中になっていくんじゃないかな、と思った。

優しさをシェアし続けられる人になりたいですね。


Photo by Jaz

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山田あきと
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