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コラムの裏側 Another Story W杯の役者たち
https://the-ans.jp/photo/358492/
コラムの裏側10本目。今日はピッチの外の景色から、Another Story.
スタジアムに入り、フォトポジションへと向かう。緑のピッチの上で、選手たちが試合前のウォーミングアップに汗を流している。撮影位置を確認し、荷物を降ろす。
レンズ良し、バッテリー良し、雨具良し、準備はOK。気持ちを整えると、試合までの時間を使い、スタンドに向かってレンズを振る。いつも真っ先に目に飛び込んでくるのは彼ら「La Melee des Choirs」の子どもたちだった。
笑顔で手を振る男の子、隣の友達と肩を組む女の子。彼らの朗らかな姿に、スタンドはパッと明るくなる。1人撮ると「私も!私も」の連鎖反応が発生。それでもできる限り写真を撮って彼らに応えた。
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「カメラマンに撮ってもらった。やった!」
彼らの心の温度がそれで1℃でも上がれば幸せだ。
紙面やネットを彩る主役はもちろん選手たちだ。スタンドで応援するファンや彼らの写真は正直、ほぼ使われることはない。それでもスタンドに向かって毎試合レンズを振るのは、フォトグラファーたちもこのW杯という舞台を盛り上げる一人の役者だから。私はそう感じている。
だから時間に余裕があれば撮影した写真を彼らに見せてあげた。残念ながら彼らの元に写真を届けることはできない。せめてこの瞬間をW杯の記憶として残るものにしてあげたい。その思いでカメラに備え付けられた小さな画面に写真を映し、彼らに向かって見せてあげた。
「私にも見せてよ!」と、押し合いながら小さな画面をのぞき込む子どもたち。その表情がまた何とも言えないほどキラッキラに輝いている。彼らにとって私もW杯という舞台役者だ。そう思うと、毎試合「楽しませてやるぞ」という気持ちがわいてくる。
コラムで記したように、彼らも本来はW杯という舞台役者のはずだった。大人の事情でステージを失った彼らに光を当てたかった。それが私のできるプレーだと思った。
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前半の撮影を終え、後半に向けてバックスタンドの前を通ると、1人、2人、3、4、5…と子どもたちが身を乗り出してタッチを求めてくる。
この舞台を盛り上げたい。その気持ちは彼らも同じ。小さな手にタッチしながら歩くと、後半への気持ちがぐんぐんと上がっていった。彼らと出会いは、私の大切なW杯の記憶だ。
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