稲村彰人

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マガジン

最近の記事

10月9日(水)

自分で自分に思う。なんかいつの間にやら真面目に生きようとしているみたいだけれど、そもそもお前ってもともとヘンなヤツなんじゃなかったっけ。そう思うと、不思議と肩の力が抜ける気がする。いや、そうだよなあ、おれってもともとヘンなヤツだったんだよ。靴の中に十円玉を入れながら外を歩いていた日々のことを思い出す。あの頃は足を一歩踏み出すたびにジャラジャラ言わせながら歩いていた。なぜそんなことをしていたかって?それは十円玉には消臭効果があると、どこかで聞いたことがあったからだった。銀イオン

    • 10月7日(月)

      ベランダからなんか音がするなあと思って窓を開けたら、タヌキがいた。しかも二匹。しかも全然逃げようとしない。むしろ寄ってくる。タヌキっておっとりしているみたいだけど実は獰猛で…という話を聞いたことがある。どうしよう。タヌキたちと目を合わせたまま、とりあえずスマホで写真を撮った。 いやあ、びっくりだぜ。4、5歳くらいからこの家に住んでいるけれど、タヌキなんて見たことがない。近所にすら見たことがない。いくら田舎だと言っても一応住宅街で、近くに森や山があるわけでもない。夢じゃないか

      • 10月6日(日)

        スタバに来ている。結局、来てしまった。なるべく来ないようにしていたのだが。でも文章を書くならやっぱり家にはいないほうがいい。べつにスタバでなくてもいいのだけど、深夜までやっているカフェはここしかない。 眠い。といっても、もう午後六時過ぎだから眠くなること自体は自然といえば自然だ。でも、おれは今日まだ何もしていない。そういう思いがあって、カフェインを摂ってでも眠気に逆らいたい気分だった。普段ならなるべくコーヒーは夕方以降には飲まないようにしているのだけど。 二週間ほど続いて

        • 9月29日(日)

          秋晴れの素晴らしい空模様だった。が、結局、一日中家にいた。経験上、こういうときは這ってでも外出したほうがいいということは知っている。だが我に返ったときにはもう日が落ちていた。結果的に、やはりなんとなく気が晴れないというか不完全燃焼のような気分で夜を持て余している。まあ分かっていたことではあるのだけれど。 台所の食器棚の引き出しを久しぶりに開くと、お吸い物の粉末パックがあった。夕食はさっき適当に済ませたので腹は空いていなかったのだが、なんとなく飲む。ついでに生姜湯の粉末も見つ

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        • 小説集
          9本
        • いなむらじお
          11本
        • 作曲集
          6本

        記事

          9月18日(水)

          日々いろいろなことを思って生きている。だがもちろん思ったことの全てを口に出せるわけではない。思ったことをなんでもかんでも口にするべきではないということくらい常識的に考えて知っている。じっと黙って考える。考えて消化する。そういう時間が必要なときもある。 とはいえ黙ってばかりもいられない。自分の内に溜め込んだものは、なるべくどこかで放出したほうがいい。溜め込んだ思いは消えて失くなるわけではない。伝えられなかった言葉や、なかったことにしようとした感情は、それ自体として外に現れるこ

          9月12日(木)

          知人に誘われて、地元で最強の卓球クラブにお邪魔してきた。仕事で消耗してフラフラになっていたが、肉体的には一応まだ余力はあった。というより、こういうときはむしろ絞り出してでもやったほうがいいのだ。 噂には聞いていたものの、実際に行くのは初めてだった。手練れのベテランカットマンとみっちり基礎練習をしてきて、自分自身の課題が浮き彫りになった。ひじょうに勉強になった。新参者ということで、「こいつの実力はどんなものなのか」と値踏みされている感じはビシビシ伝わってきたけれど、それはどこ

          9月8日(日)

          図書館にいる。丸テーブルの席に座って持参してきたパソコンをいじっていたのだが、「この席ではパソコンの使用が禁止なのですが」と職員から声を掛けられた。席には「パソコン使用禁止」との注意書きが目立つ位置にあるので、もちろん知ってはいる。だがその上で、誰に迷惑を掛けているわけでもないし、べつにいいだろう、図書館側だって黙認してくれるだろうと思って座ったのだった。今日は日曜で利用者が多く、「パソコン使用可能」という窓際のカウンター席が満席でどこにも座る場所がなかった。こういうときなら

          9月8日(日)

          9月4日(水)

          九月に入って急に涼しくなった。昨日、一昨日と約一ヶ月ぶりに卓球の練習に参加したせいで今日はズタボロになっていた。なにか作業をしていても、集中できなかったり、イライラしやすかったりして続かない。休憩がてら畳に横になるとすぐ寝てしまう。朝と昼と夕方と、今日は三度も午睡をした。もしかしたら体調を崩しているんじゃないかとさえ思った。季節の変わり目は風邪を引きやすいから気を付けたい。でも気を付けていても引くときは引くんだよなあ。今だって頭がぼーっとしている。さっき酒を飲んだせいもあるだ

          8月31日(土)

          九月になった。八月はめちゃめちゃ忙しくて日記を書く暇なんてなかった。 暇じゃないということは日々何かしら予定があるということで、それ自体は歓迎すべきこと、有り難いことではある。でも、暇じゃないと生まれてこないものもある。書きたいという気持ちとか。私にとって日記とはそういうものだ。基本的に暇で時間を持て余しているようなときでないと日記を書きたくならない。今日は例外だ。今日だっていろいろあった。 忙しいときはその日あったことをただ記録みたいに書けばいいんじゃないかと思ったこと

          8月7日(水)

          スタバにいる。どうしておれは今日もスタバにいるのだろう。ほかに行くべき場所がある気がするのに、ほかにやるべきことがある気がするのに、どこへも行く気にならない。何もやる気にならない。 そのくせ、レジの店員のやる気がなくてちょっとムカつく。アイスコーヒーを注文した後に「ホットかアイスどちらがよろしいですか?」と尋ねてきたり、グラスで飲みたいと思ったのにカップで提供されたり、コミュニケーションが微妙に噛み合わない。 でも、そういうことってよくあるよなあ。おれだって似たようなこと

          8月7日(水)

          7月12日(金)

          夜になってからのほうが過ごしやすい。夜にひとりで家にいるのは自然な感じがする。それに対して昼は、なにかをしなくてはならないような気がして落ち着かない。とくに家にいると。 今日は休日。日中は畳の上で座布団を半分に折って枕にして寝ていた。単純に眠かったということもある。でもそれ以上になにもやる気がしなかった。べつに家にいたいわけでもなかったのだけれど、外に出る気さえ湧かなかった。 なんというかこう、せめて休日くらいは、やらなければならないことや、やる予定になっていることに追い

          7月12日(金)

          7月7日(日)

          カフェにいる。スタバではなくタリーズ。入店して一時間くらい経っただろうか。パソコンで適当な動画を観たり音楽を聴いたりしている。気分は晴れない。 注文したアイスコーヒーはもう飲み干してしまった。顔でも洗ってこようか。気のせいかも知れないが、少し動悸のようなものもする。さっき飲んだコーヒーのせいだろうか。 店内の冷房はそれほど効いていない。できればもう少し冷えていてほしかった。肌寒いくらいでよかった。頭がぼんやりするのは、もしかしたらこの部屋の室温のせいかもしれない。ぬるいと

          7月7日(日)

          7月1日(月)

          Amazonで注文していたスポーツ用Bluetoothイヤホンが届いたので、さっそく近所の公園でランニングをしてきた。私は気が変わりやすく、やりたいと思っていたことをすぐに忘れる。しかし、そういえば長距離を走れるようになりたいという欲望もあったのだった。欲望というか願望というか。届いてきた商品を見て、自分にそういう願望があったことを思い出した。 子どもの頃から体力がなく、マラソンではいつもビリの方だった。最後尾にはたいてい、ケガや生まれつきの障害があって走ること自体が難しい

          『ある老人のつぶやき』

          「おれもできれば嫌いな人間のことなんて考えたくはないよ。でもね、なぜだろう、そういうわけにもいかないんだ」 老人はつぶやいた。犬は老人をじっと見つめている。開いた口から平たい舌が伸び、呼気が「ハッハ」とリズミカルに音を立てていた。 「もしかしたらおれにも原因はあるのかもしれない。でもね、やっぱりおれはどうしても怒りや苛立ちを使って他人を支配しようとする人間を好きになることはできないんだ。 そういう人間はたいてい相手に原因があると思わせる。相手に罪悪感を抱かせて、いさかい

          『ある老人のつぶやき』

          6月28日(金)

          眼科に来ている。何年ぶりだろう。普段コンタクトレンズを付けているのだが、わざわざ病院で処方してもらわなくてもネットで安く購入できることを知ってから、もう何年も同じメーカーの同じ度数のレンズを買いつづけてきた。直接眼に触れるものである以上、もっと繊細になってもよかったはずなのだけれど、惰性でそのままになっていた。 コンタクトレンズにして何年になるだろう。高校生の頃はメガネをかけていた気がする。問診票には十五年と書いた。もはや憶えていないので適当に書いたけれど、でも、もしかした

          #3〈完〉【ゲスト:渡邊さん】「日課・ライフワーク」

          渡邊さんとの対談企画、最終回。好きなことをコツコツと続けるのが得意な渡邊さん。日々自分独自の視点で面白いと思ったモノを日課として取り入れながら生活されています。 とくに「ウイイレ一日一試合」(サッカーゲームの対戦記録を毎日付ける)は十年以上も続く大切な日課で、ご本人も「自分にとって一番と言ってもいいほど大事なこと」とのことでした。 目の前のものを純粋に楽しむことの大切さ、ブレずに自分独自の感性を貫く秘訣、継続することで見えてくる物事の深み、など、ウイイレをやり続けることで

          #3〈完〉【ゲスト:渡邊さん】「日課・ライフワーク」