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あきた物撮り物語

年明け1発目のトピックからしばらく間が空いてしまいました。
年が明けて通常業務が立て込んでくると同時に、子供からの
胃腸炎のプレゼント。
とんでもない贈り物に、しばらく生活リズムが狂っておりました。

ホント、子供からもらった胃腸炎って、
なんであんなにヘビーなんでしょうかね…

さて、気を取り直して今回は商品撮影について。

「商品撮影」一般というよりは、
「地方における商品撮影」事情についてお話ししていきます。

※今回の記事については私の主観的な目線が色濃く反映されておりますので、
あくまで一目線としてご覧いただければ幸いです。


現在の弊社の業務の中で、おそらく1/3程度を占めるのが商品撮影です。
(商品撮影に付随した各種写真も含む)

首都圏の方々と話していてよく聞かれるのが、
「地方で商品撮影ってそんなにあるの?」
という問い。


あるんです。


首都圏の方々が思う以上に、地方における商品写真の需要というのは
非常に高まってきている。
撮影する側の主観ではありますが、強くそう感じます。

ただ、2000年半ば頃までは全く状況が違っていて、こういった需要は
ほとんどありませんでした。

あくまで私の主観ではありますが、いくつかのターニングポイントを経て、
現在の商品撮影需要が生まれていったのではないかと考えています。

今回は、そのターニングポイントについて触れながら、
地方での商品撮影事情の変遷について振り返ってまいります。


その1:ふるさと納税

もはや日常生活の中に根付いたといっていいふるさと納税。
この制度が、地方での商品撮影需要を創り出したといっても
過言ではありません。

これ以前、商品写真を撮るというのは首都圏の企業か、
地元でも限られた大きな食品メーカーなどに限られていたという印象です。

それがふるさと納税という制度の登場により、
ものづくりを行う事業者にとって、
ある意味での標準装備となったのです。


2008年、総務省によりふるさと納税制度が設立されました。
当初はそれほど知名度も高くはなく、参画している自治体も
ごくわずかでした。
(納税後の確定申告など、納税する側にとっての手続きが
煩雑だったこともあります)

私も2009年頃から、当時はまだ近隣の大館市のスタジオに
勤務していましたが、大館市が早い段階からふるさと納税に
参入することとなり、それに伴い商品撮影を担当する機会が
増えてまいりました。
当時は商品撮影について学びながらどうにかこうにか撮影
しているという感覚で、いかに白バックでの撮影を基本に
忠実に撮るか、そんなことをやっていました。

そんな中、2015年に「ワンストップ特例制度」が導入された
ことをきっかけに、納税へのハードルが一気に下がり、
ふるさと納税市場が活況を呈するようになりました。

私自身の感覚としても、この頃から商品撮影がさらに増え、
また求められるビジュアルの質というのも少しずつ
変わってきたように感じます。


あくまで私個人の肌感覚ですが、
→多くの自治体が参入
→各事業者が注目されるためには他社との差別化が必要になる
→(これまではシンプルに商品の写真を見せることが主流だったものが)
いかにおいしさを伝えられるか、シズル感を演出できるかに変化してきた
という流れが起きたのではないかと感じています。

秋田県大館市のふるさと納税返礼品カタログ「FROM ODATE」2017年リニューアル時のメインビジュアル


その2:コロナ禍

ふるさと納税により商品写真の需要が増えた中、世界中を襲ったのが
新型コロナウイルスによる混乱。

これについては本当につい最近までのことという感覚ではありますが、おそらく多くの
人々にとって仕事のあり方を変えた出来事と言えるのではないでしょうか。


これは写真に関わる我々にとっても例外ではなく、これによって
業務のポートフォリオが大きく変わることとなったのです。

何が起こったかというと、これまで商品撮影などと並びメインとなっていた
舞台撮影やイベント撮影などが軒並み行われなくなり、一方で商品撮影の
需要が増えたのです。

これは皆さんにとっても実感のある方が多いのではないかと思いますが、
コロナ禍になった当初、これまで対面での小売がメインであった
事業者様や飲食店などが、直接会うことができないということへの
対策として、ECサイトの設置などに踏み切ったことが大きな要因に
なったと思われます。

先述のふるさと納税が、より活況を呈したというニュースも
大きく取り扱われましたね。


こうした状況はこれまで対面での販売やサービス提供が主流だった
事業者にとって、大きなチャンスであるとともに、熾烈な競争環境へ
身を置くということでもありました。

今までは地域の中で築いた信頼感でお客様が来ていたところに、
急に全国の強豪ひしめくマーケットへと打って出るということにも
なるからです。


そういった事業者様を写真でサポートする立場として、
クライアントの皆様にどういったビジュアルを提供していくのか。
我々にとっても大きな試練でした。


…という状況下で考えた、私たちなりの「商品撮影観」。
写真や映像を通じて、事業者様の魅力をどうお届けしていくのか。


次回はそんなお話しです。


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