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農事組合法人エコ・ファームのあゆみ ~菜種油を搾り続けた15年間~

毎年5月、秋田県内のテレビや新聞にも取り上げられ、多くの人々が訪れてきた人気の菜の花畑が、大仙市・小種(こたね)地域にあります。

平成28(2016)年5月撮影

農事組合法人エコ・ファームが、菜種油用に栽培してきました。
しかし、会員の高齢化や、令和5(2023)年の猛暑による作業の負担などから、令和6(2024)年度で農事組合法人を解散することになり、この景色も今年が最後となりました。

令和6(2024)年5月撮影

「荒れ地を耕して、菜の花を植えて花見をしよう」。
小種地域の菜の花栽培は、平成19(2007)年、耕作放棄地が増える地域の現状を憂えた住民有志が始めたものでした。当初は観賞用の栽培でしたが、「小種の菜の花で油をつくりたい」との思いから、平成21(2009)年、旧小種小学校に事務所と搾油機を設置し、農事組合法人エコ・ファームを設立。菜種の収穫から搾油、販売までを行う活動を続けてきました。

平成19年から菜の花栽培に携わってきた、エコ・ファーム代表の佐藤誠さん
エコ・ファームの事務所がある旧小種小学校
荒地となっていた耕作放棄地の開拓の写真

「掘っても掘っても岩や石が出てくるんですよ」と話すのは、エコ・ファーム代表の佐藤さん。
長年手入れされていない耕作放棄地の復旧は、一言では言い表せない苦労の連続でした。雑木を人力で処理し、草刈り、土壌の改良、石拾い……荒れていた4.5ヘクタールの土地を2ヶ月かけて整地したそうです。

平成22(2010)年ころの菜の花畑

耕した土地に種をまき、5月に入ると黄色い菜の花が一面、じゅうたんのように咲きほこります。圧巻の風景はマスコミに取り上げられ、口コミなどで人気のスポットとなっていきました。

菜種の収穫

菜の花の時期が過ぎると、菜種の収穫を経て、菜種油づくりに入ります。

地元の鉄工所が親子2代で開発したオリジナルの搾油機

「小種の菜の花で油をつくろう」と、亡くなった住民の思いから作られた搾油機です。

瓶詰めまでの過程

刈り取った種をオリジナルの搾油機ですりつぶして油を絞り、油の上澄みをとってろ過、加熱、貯蔵、瓶詰め、ラベル貼りといった工程を経て、販売できる菜種油ができあがります。

平成24(2012)年時の菜種油のラベル
令和4(2024)年時のラベル

この15年、ラベルもその時代に合わせてデザインを変更してきました。
大仙市のふるさと納税や、学校給食に使用されたこともあり、県内の業者から委託を受けて搾油も行ってきたこともあります。

菜種油の瓶つめの様子

佐藤さんたちは、菜種油づくりを今年度で卒業します。
エコ・ファームの皆さんも、何度も話し合い、これまでの活動を「やりきった」と納得しているそうです。
観光目的の栽培ではないため、菜の花畑を見に集まってくる観光客の対応は会員の無償作業となり、苦労もありましたが、それでも訪れる人々が喜ぶ姿を見ると、やり続けようという気力の源にもなったそうです。

事務所に掲示されたこれまでの新聞記事。


これまでのエコ・ファームの取組に関心のある方は、下記までご連絡ください。
【問い合わせ】
農事組合法人エコ・ファーム 佐藤(携帯090-2790-1388)

エコ・ファームの皆さん、長年にわたり、素敵な菜の花畑を見せていただき、ありがとうございました!

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