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ごてんまりでつくるSDGsマーク
こんにちは。秋田県由利本荘市でごてんまりを作っています〈ゆりてまり〉です。
先日、知り合いの女性から「ごてんまりでSDGsマークを作ってくれないか」と依頼を受けました。
彼女はSDGsを社会へ広める活動をしていて、街中でたまに見かける、あのSDGsマークのバッジももちろん持っています。
しかしどうせならみんなと同じ金属製のバッジではなくて、秋田を代表する工芸品ごてんまりで作ったSGDsのマークを付けたいのだと、そういうご相談でした。
SDGsマークって、「2030年までに達成すべき17項目の目標」のイメージカラーを円形にならべたこういうマークですよね。
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このマークを半球まりで作って、裏にブローチピンを付ければできそうです。
問題は権利的な部分で大丈夫なのかどうか。
こちらのマークをごてんまりで作ってよいか、著作権的に大丈夫なのかを調べてみました。
ダウンロード自体はサイトから自由にでき、企業や担当者の登録は必要ありません。但し、使用するにあたっては許可が必要な場合があります。
許可が必要なのは「商業用途」「資金調達目的」として使用する場合です。
意外と簡単に利用できるのですね。
完全に商業用途でなければ、とくに許可を得なくても大丈夫なようです。
そこで本格的にSDGSマークのごてんまり作りに取り組み始めたのですが、製作は難航しました。
前述したように、SDGsマークは「2030年までに達成すべき17項目の目標」を表しています。
それは、人類がこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき17の目標です。
この17という数字がやっかいでした。
丸いものを17に切り分けるって、相当難しいんですよ。
ホールのケーキを切り分ける場面を想像して欲しいのですが、「8等分にする」や「12等分にする」のは、簡単にできそうな感じがするでしょう。
しかし「17等分にして」と言われたら、ちょっと困りませんか?
わたしがふだん作るまりも、ほとんどが8等分、10等分、12等分、18等分、20等分のいずれかです。
17等分なんて、やったことがないもので全然うまくいかなくて、しまいにはヒステリーを起こす寸前でした。
それでも、一旦16等分に寄せて調整することで、なんとか分割を終えることができました。
分割が終わったら、いよいよ色糸でかがっていきます。
分割も大変でしたが、この色味の選択も大変でした!
SDGsマークを何よりも強く印象づけているのは、この独特の色味とその順番です。
赤といってもオレンジに近い赤だったり、暗めの赤だったり、赤よりはもはやオレンジに見える色だったり。
この細かいニュアンスを理解し、17色を選別するのがとても大変でした。
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そうして選別した17色をもとに、順番を間違えないよう慎重に針を刺しました。
柄はねじりの菊です。
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これが製作途中の写真です。
いろんな糸がニョロニョロ出ていて、まるでラーメンみたいですね。
このラーメンみたいに伸びている糸が絡まないように、たるまないように調整しながら4周かがります。
ここで気を抜くと、糸が絡んでしっちゃかめっちゃかになる可能性があるので、一気に進めてしまいます。
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こんな感じになりました。
裏にブローチピンを付けたら完成です!!
お見せしたところ、大変気に入ってくださったので良かったです。
でもとにかく大変だったのが心に残りました。
「仲間の分も作って」と言われても、今後引き受けることはないと思います。