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菊のまりが難しい理由

こんにちは。秋田県由利本荘市でごてんまりを作っています〈ゆりてまり〉です。

由利本荘市の文化複合施設カダーレで毎月テーマの変わるごてんまり教室を開催しています。
今月のテーマは〈菊〉です。

手まりと言えば、この菊のまりを思い出す人も多いでしょう。
新五千円札にもこの菊模様のまりが印刷されています。
〈菊〉はもっともベーシックな手まりの技法で、わたし自身もっともよく使います。
しかしベーシックでよく使うからといって、簡単にできるとは限りません。


〈梅〉や〈桜〉はスイスイできていた方でも、なぜか〈菊〉になると、「アレッ?」となる場合が結構あります。
その理由は、花びらの数が多いからだと考えています。
桜や梅の花びらは5枚です。
手まりで表現する椿の花びらも5枚ですし、桔梗などもそうですね。
薔薇の花びらはたくさんあるように見えますが、7月のミニごてんまり教室でやった半球まりの薔薇は、五角形を交互に重ねているだけです。

それに比べて、菊のまりは花びらが最低8枚は必要です。
それ以上少ないと、なんだか菊っぽく見えないんですよ。
しかし8という数字は、初心者にとってかなり大きな数字です。
慣れて来ると、十六足(じゅうろくそく)だったり、二十足(にじゅっそく)の菊のまりが作れるようになりますが、そこまで到達するには〈菊〉の作り方を完全に理解しなくてはいけません。

画面中央のまりが十六足の菊

〈菊〉のまりは、花びらの数に合わせて「八足の菊(はっそくのきく)」や「十六足の菊」といった言い方をします。

花びらの数が多いために、〈桜〉や〈梅〉ではスイスイだった方も、どこをやったらいいか分からなくなってしまうのでしょう。
そこで、糸の色を2色にすることにしました。
8枚ある花びらを、A色の花びら4枚とB色の花びら4枚に分けます。
そうすることで、やるべき部分がかなり分かりやすくなります。

左から白−水色のまり、赤−水色のまり、オレンジ−黄緑のまり。

そしてやっていただく部分を、一番外側の一周だけにすることにしました。
10月1日のワークショップでは一周だけでなく何周かしていただいたのですが、なかなか皆さん厳しそうだったので、思い切って減らしました。

一番外側の糸は、2色でなく1色です。
これで色を間違える心配もありません。

菊のまりができていく工程

〈菊〉のまりはこうやってできていくんだな、というところを理解していただければと思います。
作り方を理解したら、ぜひオリジナルの〈菊〉のまりを作ってみてください!
2色で作るなら、赤と緑ならクリスマスのまり、オレンジと紫ならハロウィンのまりが作れますよ。

これはオレンジと紫の他に、濃い紫も加えています。

2色だけでなくても、1色でも綺麗なまりができますし、何色か使っても素敵です。
〈菊〉のまりを作ってみたい方は、ぜひ10月のミニごてんまり教室に来てみてくださいね!

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