そしてパンダと僕らは踊り出す
夫婦の会話を円滑にすることにおいて、もっとも貢献してくれているのは、楽天のお買いものパンダだろう。とりわけ、LINEのスタンプには実に救われている。
午前中、妻が携帯を見ていて、呟いた。「これ、ほしい」
「くら寿司」でテイクアウトなどをすると、おパン(お買いものパンダを略してそのように呼ぶ)のフィギュアなどのグッズがもらえるというのだ。
早速、秋田市内のくら寿司を検索して、電話で注文。2000円以上の値段で、1つおまけでグッズをもらえる。
愛くるしい大きな顔、家庭的だがドジで旅行・キャンプ好きなおパンと、いたずら好きの天才で、グルメには目が無い小パンダ。さらには、猫のむぎや、果てにはロボットのぷちょまるまで。
自分自身、30後半のおじさんだが、こうしたキャラクターたちにここまで心を奪われるとは想像していなかった。
とにかくかわいい。姿形やイラストだけではなく、上記に述べたような性格も含めかわいらしく、おパンたちの日常を描いたツイッター上のストーリー展開も見事である。そのストーリーが彼らを輝かせているようにも思う。そう、キャラクターにはストーリーが必要なのだ。
また、おパンたちの場合、当初は作家の意図しなかったムーブまで見せているように感じる。慣性の法則のような、自律のメカニズムのようなものが、おパンたちには宿っているような気がしてならないのだ。俗にいう、「登場人物が勝手に動き出す」領域である。
それはもちろん作家さんたちの愛情があるからだろうし、自由で楽しい制作の空気も伝わってくる(企業の広告塔としての様々な制約もあるのだろうが)。そしてその熱量が、結果として私たちの生活を豊かにしている。少なくとも、私にとっては、妻との関係において、救世主のような存在である。冒頭、述べたように、彼ら(おパンたち)の可愛らしいスタンプのおかげで、コミュニケーションが円滑に進むケースが多々あるのだ。愛と同時に、感謝である。
100年前には考えられなかったようなコミュニケーションの形態の変化であろう。コミュニケーションのあり方が変わっているということは、夫婦のあり方にもまた変化があるのだろうか・・。100年後、22世紀には想像もつかないような事態が起こっているに違いない。
ちなみに、「くら寿司」でゲットすることができたグッズは、おパンがマグロの握りを手にしているラバーアクセサリーで、妻のお気には召さなかったようであった・・・。残念。