なんだかピンクだ。
美人を見ていると「あ゛?」と言わんばかりの形相で睨み返されるが、花を見るのはいくらでも自由だ。「そんなことないよ」と言うあなたはきっと女子かイケメン。
今年も桜の季節がやってきた。
例年より、どこもかしこも開花が早い。「これじゃあ入学式までに散っちゃうね〜」なんて言いたくなる。
気候に異常があるせいか、花粉症もなんだか楽。おかげで桜を爽やかに見ることができる。今年は心が晴れやかなせいか、家のそばの桜が例年以上に綺麗な気がしていた。
「心持ちって大事なもんだな」と思っていたのだが、どうやらそれだけではないらしい。
日に日にピンク度が増してきた。
これが3月19日時点。
それが21日になるとこんな感じ。
アングルは違うが、同じソメイヨシノだ。あんまり変わらないじゃないかと言われるかもしれない。
花びらだとこんな具合。
3月19日
なぜか花がまとまって落ちていた。
3月23日
落ちていた花びらも撮影しておけば良かった。「アングル違うじゃん」「夕日で赤み帯びてるんじゃない?」「萼(がく)がピンクなだけだ!」という批判はもちろんあるだろうが、それでも明らかにピンク度合いが増している。
不思議なことに、この桜以外はあんまり近場の桜はピンクになっていない。
近くの一本。白い。
白い。これは散歩途中の一本。
最初の桜も、普段はこれぐらいの白さだ。「地味に咲いて、散る桜」ぐらいに思っていた。毎年別にピンクじゃないのに、どうして今年はこんなピンクなんだろうか。
調べてみたところ、次のサイトが出てきた。
他にもピンクが強くなっている桜があるようだ。理由の一つとして、こんなことが言われている。
「ひとつは開花後に気温が低いと、花びらの中にあるアントシアンという赤い色素が分解せずに花びらの中に留まっていることです。この色素は暖かいと分解されて、木の本体に吸収されると思われるんです」。じっくり時間をかけて花開く桜は、色素もゆっくり蓄えて美しい濃いピンク色になるという。
咲いた後に冷えるとピンクが強くなっていくらしい。
件の桜が咲いたのは3月13日ごろ。次の日は寒さ極まり都内でも雪が降った。咲いた直後にいきなり寒さに当てられたせいで色が増していったのだろう。
長く咲く上に、色も鮮やかになる。花冷えっていうのは色々良いこともあるようだ。
一方で、寒さを経験せずにそもそもピンクな桜もある。
これは上野公園の入り口で撮った桜。3月7日撮影だからだいぶ早く咲いている。品種もソメイヨシノではないやつだろう。
最初からピンクな桜と、寒さを経験したからこそ彩られる桜がある。それを知ると、最初からピンクってなんだかズルく感じる。
夕暮れ時に撮ると、一層綺麗なピンクの桜。
もちろん白い桜も綺麗なんだけどね。
とりあえず、ありがとう、桜。
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