僭越ながらの秋しばセレクション ~秋ピリカグランプリ2024
10月4日から9日までの6日間、タイムラインを熱く賑わせた『秋ピリカグランプリ2024』。過日の創作大賞のような創作魂の火花が散る光景も迫力がありますが、どこからともなく人が集まっては、ぽつりとひとひらの『紙』を書き残していくようなお祭りも、また素敵でした。
『紙』というごく普通のお題が、多くのクリエイターによってどう色付けされているのかをこの目で読んでいくのは、非常に多くの学びがありました。
そして思うところあって、今回は全作品189本を読ませていただきました!
その中で、秋しばが個人的に「これ好きやわあ」「めっちゃ面白いやん」と思った作品を僭越ながらご紹介させていただきます。
(あくまで個人的な好みです! もちろん公式審査ともまったく無関係ですので、その点はどうぞご承知おきくださいませ)
ほんとはまだまだたくさんあるんですが、もう収拾つかなくなっちゃうんで、全189本の中から8本をピックアップさせていただきました!
(もし当記事に掲載を希望されない方は、遠慮なく仰ってくださいね)
ちなみにこの記事を書いているのは、
『秋ピリカグランプリ2024』締切翌日の10月10日。
つまり審査の結果については、まだ一切発表されていない状態です。
だから結果的には、受賞された作品と被ることもあるかもしれません。
(いや、きっとある!!!)
まだ未読の方もいらっしゃると思うので、感想は極力控えます。
ぜひぜひ直接ご覧になってくださいませ!!!
では行ってみましょう!
秋しばセレクション ~秋ピリカグランプリ2024!!!
(以下、応募順となります)
① 『恋文の一生』 koedananafusiさん
明度の異なる二つの視点から描かれた物語。
光と影、明と暗、表と裏……。それらが見事に重なり合い、ただほんのりするだけでなく、絶妙な渋味を加えた大人の味わいのするお話です!
② 『インドネシアから来た彼の話』 本田すのうさん
いや、もう。これは、もう。とにかく、読んで(笑)
めちゃめちゃ面白いから。
面白くて面白くて、でもその笑いが収まった後に「……」と残る何かがあるから。最高でした!!!
③ 『紙』 わたりどり通信さん
これは現代の世情をとても的確に切り取ったお話。マジでありそうで怖い。
でも今の時代は、本当にこうして無から霞が、そしてその霞がいつの間にか実体を持った刃になり得る時代なんだよな……と思うと、二重に怖いです。ぞぞぞ。
④ 『カスミの切り絵』 camyuさん
軽めのテイストと見せて、リズミカルな文体とともにどんどん深みへと惹き込んでいく巧みさは圧巻です。無邪気というけど、無意識の持つ怖さもありますよね。
膨らませたら映画にできそうなぐらいの質量のあるお話でした!
⑤ 『全ては私に託された。』 勿忘草さん
設定・文体・勢いと三拍子揃った楽しい物語。
ただ楽しいだけでなく、リアルな描写や伏線の回収もお見事です!
ついつい応援して、拳を握りしめちゃうようなお話でした!
⑥ 『ワンダフル ワールド』 半径100mさん
恥ずかしながら私の情けない読解力では、一回読むだけじゃ判らなくて。
でも妙に気になる何かがあって、何度も読み返して。
そして最後の一文が腹に落とし込まれた時、「ほへえ……」と唸りました。
この文字数で、ここまでの世界観が構築できる凄さに脱帽です!
⑦ 『言葉の港』 亜麻布みゆさん
ひとつのテーマを独創的な視点で書けるのはすごいことです。
でも一見よくありそうな視点でありながら、他者の追随の及ばない独創的な世界を創り上げるのは、また別の凄みがあります。これはまさにそういう物語でした。
語彙とリズムと描写が見事に噛み合った、美しい文体も魅力的です!
⑧ 『紙がない』 おだんごさん
いや、これは最高に面白かったですね! ユーモアと悲哀が掛け合わされて、更におかしくなってくると言いますか。
でもあんまり感想言わずにおきます。そしてぜひ、コメント欄も全部読んでいただきたいです(笑) きっといろんな感じ方があると思うので。
でもとにかく文句なく面白かったーーー!!!
いかがでしたでしょうか。
笑いあり、恐怖あり、ほのぼのありと盛りだくさん!
ただ共通しているのは、どれもみな作者様の世界観ががっちりと展開されている作品ということだと思います。
上手な文章を書くことは、勉強し、かつ練習すればできます。
それなりの雰囲気を醸し出すことも、少し慣れればできると思います。
でも作者独自の世界観を体現しようと思うと、一気にハードルが上がる気がします。
恥ずかしながら、秋しばもまだまだ修業中。せっかくこの素敵なお祭りに参加させていただいたのですから、これからも精進していきたいと思います。
最後になりましたが、この素晴らしいお祭りを企画して下さったピリカ様を始め、運営・審査に携わってくださった皆さま方に深く深く御礼申し上げます。
そして参戦したすべての皆様に、心からの感謝とエールを!