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ネコクインテット【毎週ショートショートnote】

「すみません、団員募集の貼り紙を見たのですが……」

古ぼけたドアを開けると、部屋の中にいた4匹の猫が一斉に振り返った。じっと値踏みするような目つきに思わず足がすくむ。リーダーと思しき黒猫が、ゆっくりと尻尾をひと振りした。

「ああ、よく来てくれたね。メンバーが一人辞めちゃったもんで、マジで『猫の手も借りたい』気分でさ。まあ、俺たちも猫なんだけど」

毛並みの美しい白猫が、朗々と歌いながら尋ねた。

「それでアナタは何ができるのぉ~?」

白猫の猫撫で声に合わせて黒猫が首につけた鈴をシャランと振り、隣の三毛猫が小判をトライアングルのようにキンキンと響かせる。手にした杓子を激しく打ち鳴らすキジトラだけが、いささか調子っぱずれだ。猫型の赤ヘルを被っているところを見ると、某球団のファンなのかもしれない。
ううう、何だかヤバそうな面々だ……


「結局この前の、辞退したんだって?」

リーダーが渋い顔で頷いた。

「ああ。どうやら刺激が強すぎて、ネコんだらしい」

(416字)


【あとがき】
先週は家庭の事情(終末期の義父の救急搬送)でお休みしてしまったので、今週は参加します!……と思ったら、またこんな難題を……
ワードカスケードを見た時は『ネコブルーインパルス』で来るかと予想したのですが、見事にハズされました(笑)

とりあえず家の方はいったん落ち着いたので、頑張って挑戦します!


*この記事は、以下の企画に参加しております。

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秋田柴子
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