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うどん大学キャンパスライフ 2

「何ですってえ!?」
きしめんの丼に立った白スジを見て、五島うどんは鼻で笑った。
「あら、聞こえなかった?その不格好な麺体めんていでよく入れたわね。うどん大学よ?ここ」
「……!」
出汁だしを煮えたぎらせ、きしめんが鋭い平麺打ちをかまそうとした時だった。

「やめろ!」
二人の間に味噌煮込みが割って入る。
「異端同士お似合いね。ほんとに超ダサいお土地柄だこと」
そう言い捨てると、五島は湯気を立てて立ち去った。

「……だから彼女には構うなって言っただろ」
「だって先輩、平打ち麺が変だなんて言うんですよ!そんなのほうとうちゃんだって可哀想。ヒラハラですよ、これ。もう五島のやつ、今に見てるといいわ。いつか私、世界で活躍してみせるんだから!」
「きーちゃんは昔っから気が強いからなあ」
生来おっとり型の味噌煮込みは、出汁を飛ばして怒るきしめんを見ながら苦笑した。

――のちに単身イタリアに渡ったきしめんが『日本のフェットチーネ』と呼ばれて一世を風靡し、同じく平打ちパスタのタリアテッレといい仲になるのは、まだ少し先のお話。

はい、ご馳走さま。

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秋田柴子
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