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戦力で押したいお洒落【毎週ショートショートnote・裏お題】


群雄割拠の戦国時代、諸国の武将からひときわ恐れられていた部隊があった。
曰く、武田・真田・井伊に代表される、いわゆる『赤備え部隊』である。

甲冑や旗差物を朱に染めた赤備えは、暗い色の多い武装の中でひときわ目立つ。それは「我、ここにあり」の意思であり、武勇に自信がなくてはできぬことであった。

また朱の染料は当時高価であり、その色で染められた武装に身を固めるのは、戦場に命を賭ける武人おとこたちの美学でもあった。
疾風怒涛の赤備えは、諸国の武将たちの恐れであり、また羨望の的で……

「……加藤、おまえが歴史好きなのは判った。武田や真田が強かったのも確かだ。でもな、だからと言って『学生服を赤くする』っていうおまえの案は認めん」

「でも先生、赤備えは受験に強くなるお洒落として、きっとみんな…」

「受験に強くなる赤備えなら、もうあるだろう」

学年主任は渋い顔で後ろを振り返った。
そこには過去10年間の赤本が、古い本棚にずらりと並んでいた。

(412字)


【あとがき】
もう、ワケが判りません…
ちなみに私は子供の頃からの真田ファンで、本拠地の信州・上田城の堀に降りて、一人うっとりしていた変人でございます(笑)

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秋田柴子
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