男子・男子・男子【毎週ショートショートnote・裏お題】
「おい、今日こそ文化祭の出し物決めるぞ」
級長が黒板を拳で叩いた。
「つってもさあ、俺たち男子クラスだぜ?地味過ぎて誰も来ねえよ」
「俺、女子クラスの教室行きてえ……」
「てか、合同クラスが羨ましい……」
出るのは盛大なぼやきばかりだ。
「だから、これぞ男子クラス!というところを……」
「何それ。そんなのあるかよ」
一人がおもむろに手を挙げた。
「級長、要は『男子クラスアピール』をすればいいんだな?」
彼の提案に全員がのけぞった。だがもう日にちがない。
腹を括った彼らは、これも人(≒女の子)を集めるためと、必死に準備に励んだ。
「我ら男子クラス、この日のために練習してきました!名付けて『男子・男子・男子』!」
文化祭当日、鳴り響くタンゴのリズムに乗って、恥も外聞もかなぐり捨てた彼らが、ダンゴを片手に激しく踊っては焼き、焼いてはタレをつける。
その圧倒的なパフォーマンスに、終日満員御礼と相成った。
バックの音楽は、もちろん『だんご3兄弟』である。
(411字)
【あとがき】
『だんご3兄弟』、懐かしいですねえ。
ご存じないお若い方のために申し上げると、1999年にNHK教育テレビの『おかあさんといっしょ』で発表されたタンゴ系の童謡でして、当時は社会現象とも言えるほどの爆発的人気を誇りました。
よかったらご覧くださいませ(最初に広告があります。すみません)
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