鋭利なチクワ【毎週ショートショートnote】
「のりふみ君。今度の我が社の創立記念で配るちくわノベルティ、何か考えておいてね」
女性の上司の依頼に、のりふみ君は驚いて固まりました。のりふみ君の会社はちくわや蒲鉾を作る超有名練り物専門メーカーです。
「無難なものじゃ面白くないから、ちくわが地味で垢抜けない食べ物っていう印象を覆すようなものにしてね。攻めていけ、攻めて」
上司は鼻の穴をちくわのように広げて去っていきました。
「ちくわ型のボールペン、ちくわ型の水筒……だめだ、普通すぎる!」
あんまり普通には思えませんが、のりふみ君にとってはまだまだインパクトが薄いようです。
「うそー、何これ!」
「やだぁ、かわいいぃ」
当日配られたのは、何とチクワを象ったネイルチップ(つけ爪)でした。焼き色やヒダが忠実に再現されたスクエア型のチップです。
「やるじゃない、のりふみ君!」
「いてっ!」
興奮した上司と握手した途端、のりふみ君の手の甲に激痛が走りました。
「あ、ごめん、刺さった? このちくわ、ちょっと角が尖りすぎね」
【あとがき】
ネイルはほとんどしない秋しばなので、おしゃれな爪の形もよく知りません。とりあえずざっと調べてみると、こんな感じに分けられるらしいです。
「ポイント」は、「シャープ」「アーモンド」とも言うらしい……。
お話に出てきたのは、いちばん右の「スクエア」ですね。
シャープでかっこいいですが、確かに角が痛そうです。実際、服に引っ掛けやすかったりするそうです。
作中の「のりふみ君」は、以下のアカウント様及び企業様とは完全に無関係です。あくまでフィクションです。
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