そりゃあ、根本師だって大泣きするよ
藤田菜七子騎手がやらかしたんだって?という報道が駆け巡って、色々な情報が出てきましたけども、さあ、どの情報を信じますか?
文春「2023年4月以前に藤田菜七子がLINEしていた記録があります!」
JRA「全く関知していなかった!けしからんから騎乗停止です!」
藤田菜七子「引退します!」
根本師「本人から去年のスマホ6事件の時、自分も申告して高等で厳重注意を受けていたと本人から報告を受けている。文春砲が炸裂したからといって、もう一度処分するというのはおかしいのではないか。」
さあ、どこに嘘があるのか。
自死を選んだ大河Jの時だって、もっと遡ると馬主・大塚の不正受給の時だって、微妙に都合の悪いことを隠蔽して有耶無耶にしてきたクソミドリことJRA。
藤田菜七子氏としては、処分に差があった(=公には無かったことにされた)時点で、伝え聞く性格的には心に影を落としていたことだろうし、それは根本先生も聞いていたでしょう。そのうえで、JRAがそうしたんだから黙っておくしか無い…か…という道を取ってきたと思われる。だから、明るみになったら「騎手を引退する」と、藤田菜七子氏は決めていたんだろう。
だからこそ、10日の朝同期の菊沢Jに会った時に「心を決めていた」という感じになっていたんだろうなと推測する。
さて、世の中の事情も同じだけれども、この問題にもいくつかの点が絡み合っている。
そもそも競馬前にスマホ持ち込んで通信するのは言語道断
これはルールということもそうだけれど、公営競技である以上、騒擾を惹起(そうぞうをじゃっき)するような行為は大NG。
この点をJRAは「オレらは国が大元の組織だからね。関係ないね」と思っていたのではないか。
なんとなくコロナ禍あたりからなのかな?と推測するが、調教や騎乗依頼等のやりとりを直接会って行うこと等が難しくなった時期があったのではないか。この時期に、もしかしたら、ベテラン勢も含め、JRAの規制も厳しくなかった前提もあり、通信機器の調整ルームへの持ち込みが常態化する流れがあったのではないか。
そうなると、以前、故・角田大河が言っていた「騎手同士なら通話OKと認識していた」というのは、辻褄があってくるように思う。
となると、厩舎関係者やJRAもそのような状態があることを以前から把握していた可能性があると考えられないか。
その上で、スマホ6事件の時、処分に差をつけたのは現行犯か否かという部分だったのではないだろうか。すなわち、過去にはそういった通信をしていた騎手が他にもいたが、厳重注意で済ませたというのはわかる。
JRAに広告塔にされ、使い捨てにされた藤田菜七子氏と根本師
こんなことがあっては、藤田菜七子の師匠である根本調教師だって泣きたくなる。
根本厩舎のことだから、昨年の時点で藤田菜七子氏から報告は受けていただろう。その上で、文春が報道(というのも嫌になるぐらい下衆なメディアだね。文春)し、JRAが「ぼくたちしりませんでしたー!事情徴収して騎乗停止にします!」となれば、根本師だってやりきれない。
そりゃあ悔しい。
女性騎手の誕生だとかで、本人が臨んでもいないのに広告塔にされ、不機嫌な顔を彼女が見せるたびに「これも競馬の普及、女子の競馬進出のため、JRAのための仕事で、君のためにもなることだから、そんな顔せずに笑顔で頑張れ」と励まし続けてきたという談話を何処かのメディアで何年も前に見たことがある。
そんな彼女が今年7月に結婚し、他にも若い女性騎手が誕生したことで、このような根本先生側にとって不本意で納得できないJRAの動きとなっては、どっかの某引退地方騎手が言うように「女性騎手として結婚して用無しになったから切られたね」(意訳)と受け取られてもおかしくない。
すなわち、おっさんだらけと思われるJRAとしては「女は結婚するまでが旬で、社会進出とかジェンダーとか多様性とかどうでもよく、結婚によって処女性が失われた女性騎手はもうどうでもいいから、文春から痛い腹を突かれる前に切っちゃおう」と考えているともとれるし、これは、はっきり言ってフェミニズムやジェンダーの観点から考えても、看過できない気持ちになる。
行き過ぎたフェミニズムは大嫌いだけれど、それと前時代的な珍珍に支配された考え方はもっともっと嫌いだ。
そして、JRAが打ち出す「UMAJO」の古臭さ、現実にそぐわない、机上の空論とも言える「女性競馬ファンの想定」を見ていると、常々前時代的な珍古思想を感じていたわけで、少なくとも私の中では説得力がありゲンナリする。
隠蔽・有耶無耶・手のひらクルーの掌返しを普通に行うJRAに公正競馬を取り仕切る資格があるか
さて。故・角田大河くんの件では逃げ切ったように見えるJRA(何一つ明らかにしてないよね?)。他の人の権利も守らなきゃいけないというのもあり、情報の出し方全てに異を唱えるつもりは毛頭ないけれども、こうなってくると、JRAは体質的に、
自分たちの利権を守るため、嫌な思いをしないためには、騎手も、調教師も、厩舎スタッフも、そして最悪、牧場たち、馬をも裏切り、手のひら返しをする組織
という見え方に(私にとっては)なってしまう。
さて、ここで先に述べたように「外部との通信は”公正競馬”のためには言語道断である」という理屈が、じゃあ、隠蔽・有耶無耶・自分たちに不都合になると裏切ると感じる組織に、公正な競馬──すなわちヤリ・ヤラズ、誰かの利権のために八百長をしない──ができるの?運営できるの?という疑問がでてきてしまう。
え、これ競馬開催しないほうがいいんじゃない?信頼できない胴元じゃん!そりゃ、ギャンブルは総じて胴元次第だけど、公正をうたうJRAが嘘っぱちになっちゃうじゃん!となる。
馬には罪がないし、頑張っている関係者だっているから不買運動も難しい
通信機器の不正使用について、知ってる話を並べると
ルメールの不正使用→まあ外国人だし。海外ではアリでも日本でナシが慣れていなかったのかも
丸山元気→競馬の日に厩舎関係者に「おめでとう!」と送っちゃう→馬鹿だね…
スマホ6→なにやってんだ(と思うが、いま通しで考えると若手は本当に「厩舎関係者・騎手同士ならありみたいだよ」と認識してたのかも)
水沼→tiktokみて食べログ予約はアホとしか…やれやれ
たけぞー&小林勝→いやいやいや2台持ちて。(と思うが、いま通して考えると、厩舎関係者やエージェントも知ってるはずでしょ。お咎めなしは頭おかしい)
藤田菜七子→スマホ6の時自己申告した→厳重注意→1年半後に文春砲→「知らんかった!騎乗停止や!byJRA」
もうね、並べてみると、もう騎手個人の問題じゃないと思わないか?藤田菜七子側にJRAに利用された挙げ句トカゲの尻尾切りされたって思ってしまう気持ちなるのは無理もないし、根本先生だって泣くわ、そりゃ。
気持ち的にもうJRAにお金を落としたくないが、馬や馬の生産をしている人たちには罪がなかったりするし、お金が回らなくてはそういった産業、馬の福祉にも影響が出てしまう。だから気持ちの上で不買運動も難しいし、私は丹内さんにG1取ってほしい。
非常に情緒が忙しく複雑な気持ちになる一連の事件で、こんなに長文を書く時間なんてないのに、ここに書かずにはいられない。
死なずに図太く健全に生きろ、藤田菜七子
このJRAのやり方では、角田くんのように自分で命を絶つ人が出てくるのは無理もないように思う。メンタルケアや、騎手(厩舎スタッフ)を大事にするなんてことは、JRAには爪の垢ほども考えていないことだろう。
ルール違反は明らかになった以上そりゃダメで、反省してけじめを付けるべきではあるが、死ぬほどのことじゃないぞ。
私も常々人に迷惑をかけて、そのたびに死にたい気持ちになったり、死にたい気持ちになったりするけれど、もっと死にたい気持ちになる人も、生きてるし、生きていいんだよ。生命体なんだから。
1年ぐらい海外で羽伸ばして、空が広い場所で深呼吸して、図太く健全に生きて欲しいぞ。