#Tシャツ起業家 が叫ぶ、私と食べチョクの2021年
新年あけましておめでとうございます🎍
2020年は世界的に大変な状況となり、誰もが多かれ少なかれ変化を余儀なくされた1年だったのではないかと思います。私としても激動の一年となりました。支えてくれた全ての方に、最大の感謝の想いを伝えたいです。本当に本当にありがとうございました。
このnoteは私が食べチョクの運営を通して2020年に学んだことと、2021年の抱負について書いています。
さらっとまとめたノートを書くつもりだったのですが、6000字以上あるので、目次を見ていただき、必要に応じて読み飛ばしながら見てもらえたら嬉しいです!
【1】 1年間のできごと振り返り
- まずは時系列でざっくり振り返り
1月、シンガポールで初めての英語プレゼンに挑戦。グローバルに活躍する起業家やVCと交流できて視座が上がる。
2月、コロナの影響が出始めて生産者さんからSOS が上がりはじめる。
3月、生産者さん向けの支援プログラムを開始。送料を一部負担したので売上がなくなる。
4月、生産者さんからSOS止まらず、テレビ CMの実施の意思を固め、腹をくくる。
5月、流通額35倍に跳ね上がる。ビジネス側の社員は全員、通常業務に追加してCSも対応。私も朝4時までCS対応。あまり記憶なし。
6月、花卉の取り扱いを開始。「がっちりマンデー!!」出演し、Googleトレンドで4位を獲得。
7月、テレビ CMの放映開始、ほぼ同じタイミングでiOSアプリもリリース。施策が連動することで大きな効果をあげ、更なる成長の糧に。
8月、6億円の資金調達、ヤマトとの連携を発表。
9月、TBS「Nスタ」の水曜レギュラーコメンテーターに就任。
10月、産直ECで認知度/利用率/アクセス数など6項目でNo1に。
11月、Androidアプリがリリースし、念願の両OSでのアプリ展開。日経トレンディの2020年ヒット商品の14位にランクイン。
12月、多様化する生産者さんからのSOSに対応するため、生産者非常事態サポート室を常設。
- 2020年を振り返る写真4枚
- 特に印象的だった出来事3つ
2020年はこれまでの種まきが無駄でなかったと思えた1年でした。明るい話題にフォーカスして3つご紹介します。
(1) テレビCMとメディア露出の最大化
2020年には食べチョクとして初めてとなるテレビCMを実施しました。また多くのメディアさんにも取り上げていただき、テレビ露出が月間13本あった月も。それ自体ももちろん大きな影響がありますが、個人的に良かったと思うのは、テレビCMもメディア露出も、いろんな施策を合わせて動かすことで効果を最大化できたという点です。
テレビCMについてはこちらのnoteがわかりやすくまとまっています。
メディア露出については、テレビの放映内容に合わせたキャンペーンの実施やサービス面作り。そしてこれに加えて「絶対にサービスを落とさない!」という意気込みで、10万人以上の瞬間アクセスがあってもサクサク動く体験を提供したインフラ作りがとにかく素晴らしかったです。結果として、チャンスを最大化して、生産者さんの売上増に貢献することができました。関係者の皆さん、本当にGJです…!
(2) iOS/Androidのアプリリリース
ずっとずっとアプリ作りたいと思いながらも我慢してきました。サービス初期からWeb・iOS・Android と三媒体の運用になってしまうと同じことをやるにしても3倍コストがかかってしまうため、まずはライトに Web で検証をして、しっかり成果が出てからアプリに移行しようという考えがあったためです。
とはいえ、食べチョクの話をしたらアプリストアで検索をされて「あ、アプリないんです…」と言わなければならなかったり、ユーザーさんからアプリを切望する声を聞いたり、知り合いのサービスが Apple StoreのFeaturedに掲載されているのを見たりすると、「悔しいな」「早く出したいな」という気持ちが高まります。でも今じゃない、今じゃない、と都度判断して我慢してきました。
そんなこともあって2020年にiOS/Androidの両OSでアプリをリリースできたとき、個人的には本当に本当に感慨深く、とっても嬉しい瞬間でした。リリース後のレビューも良く、クラッシュすることもなく本当に安定的に運用されています。本当にすごい。関係者のみなさまありがとうございます。
👇iOSの方はApp Storeの特集記事をぜひ(中からアプリに飛べます)
👇Androidの方はこちら
(3) 社員が8人から20人に増えた
去年の元旦。Facebookには新年の抱負は一切なく、とにかく「CxOを採用したい」と書き込んでいました。それくらい仲間集めに必死でした。
半年くらいのリードタイムはありましたが、新たに12名の社員を迎え入れ、社員数は20名に。アルバイトも含めた従業員数は40人で、業務委託の方も含めると70名ほどの方が食べチョクに関わってくれています。
同じ想いを共有できる仲間が集まってくれたことが何より嬉しいし頼もしく感じます。また同時に皆が「食べチョクにJOINする」と決めた選択をなんとしても“圧倒的な正解”にしたい。そう強く思います。
社員が書いた2020年振り返りのnoteがめちゃくちゃ良いのでぜひ多くの方に読んでいただきたいです…!
【2】 2020年の気付き3つ
- 1. マインドセット×圧倒的行動量で経験を凌駕できる
2020年は若手メンバーの活躍が素晴らしく、改めてマインドセットと行動量の大事さを感じました。
例えば、現在マーケティング統括をしている松浦(25)は第二新卒として入社しており、入社時点でマーケティングの経験はありませんでした。しかし現在マーケティングや広報などの複数チームを統括していて、会社としても初となるテレビCMを大成功させました。先ほど上の方でも紹介した彼の書いたCMの施策をまとめたnoteも多くの反響を呼び、マーケティングのスペシャリストの方々や広告代理店の方からも称賛の言葉をいただいて、私自身も純粋にすごいなと尊敬しています。先日はマーケティングの専門誌であるMarkeZineさんにもロングインタビューを取材いただき、マーケティング文脈で登壇依頼も増えてきています。
また広報担当の下村(26)も、未経験ながら2020年の1年間で1900媒体以上のメディア掲載を実現させました。PRマガジンさんや広報会議さんでも取材いただき、彼女も広報の勉強会に登壇しています。
この2名に共通しているマインドセットは、1つめに「負けず嫌い」。できないことや指摘されたこと、失敗をまず「めちゃくちゃ悔しい」と思えること。そして「柔軟性」です。悔しいと思ったことをポジティブな力に転換して、柔軟性を持って手段や自分自身を自然と変えていける。ここに悔しさをバネに行動に移す馬力が組み合わさると、失敗を繰り返しながらどんどん強くなっていきます。
私も起業や経営、マネジメントなどは経験がなく今会社の代表をしているので、その点では彼らと同じです。私の場合は目標を決めてくれる人がいないので、さらに目標設定能力が大事だと思っています。どんどん目標を自ら高く設定しては小さい失敗を重ねて、都度悔しがり、少しずつ改善していく。このプロセスを高速でまわす環境を作り上げることが大切です。
もちろん経験は大きなアドバンテージであるに越したことはないです。ただ例え経験がなかったり年齢が若かったりしても、マインドセットと行動量があれば経験を凌駕することすらあると思っているので、多くの方が意識してもらえると嬉しいなと思います(ちなみに当たり前ですが、経験もあってマインドも行動量も高いともう最強です)。
- 2. 非合理的な感情の大切さ
私は自分の実家が農家だったことがきっかけで起業しました。お金を稼ぎたいという気持ちは一切なく(そうであれば違う道を選んだはず)、少しでも一次産業に貢献することをしたいという気持ちだけでした。
一次産業への思いが強いだけに、ロマンとソロバン、感情と論理のバランスは常に意識してきました。感情だけに流されて結果的にみんなが不幸になることがないように、と。
その中でも2020年は特に感情の非合理性にこそオリジナリティを生み出す力があり、それが事業としての価値にもなるというのを改めて感じた一年でした。
例えば2月から徐々にイベント中止などもあり生産者さんのSOSがきはじめていたことがきっかけで、2020年3月2日からコロナでお困りの生産者さんに向けた支援プログラムを開始しました。ちょうど公立学校の休校が決定したタイミングです。特設ページを設置し、送料500円分を食べチョクが負担するというものでした。
500円を負担すると食べチョクの利益はほぼゼロになります(場合によっては赤)。そして今となっては同様のプログラムは至るところで行われていて新しさはないと思いますが、当時はまだどこもこのような動きはしておらず、こんな大きいムーブメントになるとは全く思っていませんでした。
とにかく何か少しでもアクションできないか?という、一見非合理的な感情があったからこそ、早いアクションをとることができたのだと思います。
もちろん非合理性だけではダメですが、非合理性も科学していくことで、よりこれからの時代にあった深い事業や新しい価値が作れると思います。食べチョクがスタートした時から掲げているビジョン「生産者のこだわりが正当に評価される世界」に向けて、時に非合理性も大切にしながら、独自の世界観を構築していきたいと思います。
- 3. 現場主義であれ
やはり現場が一番大事です。これまで、対生産者さんという点ではかなり力を入れてきました。生産現場を見学させていただいたり、生産者さんと直接会話する機会作り、多くのことを学ばせていただいてます。これは創業時から大事にしてきていて、今でも変わっていません。
そして私たちのようなマッチングプラットフォームの場合、片側だけではダメです。消費者サイドも同様に重要です。これまでもインタビューなどは積極的に行ってきましたが、まず自分が食べチョクユーザー視点になれることを意識するようにしています。食べチョクを圧倒的に使い倒すことはもちろん今までもやってきましたが、2020年になってはじめたのは、ちゃんとスーパーに行くことです。食べチョク食材だけで全然生活ができちゃうのでほぼスーパーに行けてなかったのですが、食べチョクユーザーさんの多くは「食べチョク」と「スーパー」を併用しています。最近この野菜が高くなっているとか、スーパーの売り場の変化とか、ユーザーさんが普段見ている世界を正しく見るためにはじめました。それにより、12月の葉物野菜の大幅下落も実感値として持つことができ、アクションに結びついたと感じています。
引き続き上記の2つは行っていきますが、2021年はより組織も大きくなるので、「従業員」の現場視点もしっかり持ち続けられるように意識をしていきたいです。流通額が35倍になってずっとCS対応をするという経験をしているからこそ、私が気にせず走り続けられる環境を提供してくれている方々への感謝を忘れずにいたいです。
【3】 2021年の抱負5つ
- 1. 高齢の生産者さんでも使えるサービスに
2021年はより食べチョクの本質的な価値につながることにチャレンジをしていきたいです。
食べチョクが目指しているのは「生産者のこだわりが正当に評価される世界」です。たとえ口下手で宣伝が上手じゃなかったり、ネット販売が不慣れな方々でも、作っているモノが素晴らしく、頑張ろうという思いさえあればしっかりファンがついて収益を上げている。そんな世界にしたいのです。
特に平均年齢が68歳の農業の業界だと、どうしてもITリテラシーの問題が出てきてしまうため、高齢の生産者さんも取り残さないための動きを取る1年にしていきます。
▼食べチョクのご近所出品機能を使って参加してくれた90歳の前田さん
- 2. 「トレンド」から「当たり前」に
2020年は、日経トレンディのヒット商品に選抜されたりと、大きく変化のあった一年でした。流通額が1年間で40倍以上になったことを評価いただき、1位 鬼滅の刃、12位 愛の不時着、14位 食べチョクというまさかすぎる順位です…。
2021年は「トレンドから当たり前に」というテーマを掲げます。「食べチョクって流行っているよね」から、「食べチョク使ってるのって当たり前だよね」という状態にまで持っていきたいです。
そのために引き続きサービスの改善とマーケティングに力を入れていきます。すでに色々仕込んでいるものもあるので、ご期待ください!
- 3. 全員が同じ方向を100%向ける仕組みと事業を作る
皆が同じ方向に向かって、100%以上の力を出し続けられる状態を作ることが経営者の役目だと思っています。そのために(1)組織作り (2)事業作り を意識していきたいです。
(1)組織作りについては、昨年12月から評価制度の運用をスタートし、従業員も「頑張りが正当に評価される状態」を目指しています。まだまだスタートしたばかりで、ここからの運用がとにかく大事。1on1も積極的に実施して、組織としっかり向き合う1年にしたいです。
(2)事業作りもベクトルが正しいかを常に意識していきます。例えば食べチョクでは「生産者さんの登録数」はKPIとして追っていません。なぜなら、流通額の伸び以上に生産者さんの数が増えると、生産者さん一人当たりの売上が下がってしまうからです。ですので、数は本質的なKPIではないと考えていて、「生産者さん一人当たりの売上」をKPIとして追っています。これがもし数だけを追わなければいけないとした場合、そのチームのメンバーは生産者さんそれぞれの売上が下がることが分かっていながら、とにかく数を集めなければならない…というビジョンとの矛盾が発生してしまいます。KPIと事業のビジョンが結びついていないと全員が100%の力を注げる状態でなくなります。
雑で恐縮ですがこんなイメージです。ベクトルが組織の中に向いたり方向がずれてしまうのは間違いなく経営者の責任なので、そうならない組織・事業作りをしていきます。
また、事業設計や資本政策における意思決定においては不可逆性を意識しながら、意図せずにビジョンに背いてしまう事がないよう、長期的目線を持った判断をしていきます。「致命傷を負わない」ということと、「リスクをとって投資をしていく」ことを両立させていけるようにします。
2021年は自分たちのビジョンにまっすぐ向き合いながら、社員全員が気持ちよく同じ方向を向いて爆走できる状態を作り上げたいです。
- 4. 思想をより多くの人に伝達する
今年2月には初著書の出版が決まりました。タイトルは『365日 #Tシャツ起業家 「食べチョク」で食を豊かにする農家の娘』で、私の半生や食べチョク立ち上げの経緯や思いなどを綴った一冊です。
↑Amazonで予約がスタートしています🎉
書籍の出版を皮切りに、食べチョクの思想やビビットガーデンが目指す世界、そして何より一次産業の魅力を、より力強く多くの方に発信していきたいと思います。
現在【1/5まで】応援メッセージ(※一部は本に掲載も)を募集しておりますので、よろしければぜひご協力ください。▼
- 5. 母を3月に1回以上、美味しいご飯に連れていく
どうしても人生=事業になっているので抱負がめちゃくちゃ事業のことになってしまうのですが(笑)、最後は突然個人的な抱負です。
女手一つで育ててくれた母が1月8日で70歳になります。古希のお祝いでフレンチとかお寿司とか行こうかなと計画していながらふと、こうやってご飯が食べれるのもあと何回あるんだろうと考えてしまいました。最近はどうしても忙しくて中々ゆっくりご飯も食べにいけてないけど、今年は少なくともワンシーズンに一回は地元に帰ってお母さんと美味しいご飯を食べにいきたいなと思います。
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ビビッドガーデンのビジョンである「生産者のこだわりが正当に評価される世界」の実現に向けて、引き続き邁進していきます。
皆さまにとって素敵な1年になりますように。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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▼第三波の影響が出ている生産者さんなどの特設ページ😢