何度も死にかけている私 その一
元々、産まれた時から私は死んでいた。
難産で逆子で、産まれ落ちた時には泣きもせず、産湯をつかっても泣きもせず。
お産婆さんは仕方ないから、赤ん坊の私をパンパン、何回も叩いたそうだ。
諦めかけた時、私は弱々しく息を吹き返し、今に至る。今では免疫力の塊みたいに丈夫だけど、幼い時は身体が弱かった。
身体が弱いせいか、おとなしくて、幼稚園ではつねられたりして、いじめられていた。
幼稚園児の私は単純に、つねられて自分が痛くて嫌だから、やり返すのは相手がかわいそうと考えていたみたい。
ただ黙って、やられているだけなので、男女問わず面白がって、私はいじめられていた。
それでも私には和子ちゃんという仲良しがいたから、全然平気だった。
が、何故か小学生になってから、いじめられるのは理不尽な事と気がついたのだ。なんで、そう思ったのかは覚えていないが、身体が弱くて、幼稚園の時には入れなかったプールに、母が思いきって、小学生になってからプールに通わせたのがきっかけな気もする。
扁桃腺が腫れて、高熱ばかり出していた私が、プールに通ううちに、どんどん健康になってきたのである。
プール万歳。
話はそれたけど、私はプールも川も海も、水は大好き。
体力に自信がついた私は、秋の運動会で幼稚園のいじめっ子と再開した。違う小学校のくせに、わざわざ私をいじめにやってきたのだ。
私をみつけ、追い回したヒロシくんに「なに、するのよ!先生に言いつけるからねっ」と泣きながら立ち向かった。本当はすごく怖かった。
反撃を予想しなかったヒロシくんは、すごすごと私から離れていったのであった。
その時、しみじみ私は感じいった。
いじめられてきたのは、嫌という意思表示をしなかった自分にも責任があった。だから、ぼうっとしてないで、自分の考えを言えるようになろう!
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