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【BATCH】神話の法則を実用化するために、覚えやすくしてみた

「自分もマンガや映画、小説みたいな物語を作ってみたい。けど、プロは一体どうやって物語の構成を組み立ててるの?」


そんな悩みを持った人に勧められがちな、ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)という考え方があります。

元は神話の研究者であるジョゼフ・キャンベル氏が発案したもので、映画『STAR WARS』でも監督が参考にしていたということで箔の付いた考え方だったりします。noteでもいろんな界隈の人が書いてたので、ご存じの方も多いことでしょう。

個人的にはマンガは描かないし映画のプロットとかも考えたことが無い素人で人に見せる物語を作ることはほとんどないのだけれど、ふと思い出してしまう嫌な思い出とか、後悔した感情に上手く対処するのに意外と役立つので、認知行動療法で使う思考のツールの一つとして役立てたりしています。

細かい内容について解説するとキリがないので、ここでは扱いません。Wikipediaやそのほかのサイト、もしくは原著の『千の顔を持つ英雄』に譲るけれど、ザックリ言えば、主人公が経験する展開を以下の3つに分類します。

1.出離:主人公が、親しんだ日常から離される
2.通過儀礼:未知の場所で試練に挑み、勝利する
3.帰還:成長したヒーローとして帰ってくる

王道の展開ではあるけれど、これらをさらに細かく分けて考えれば、物語の筋道を立てやすくなるよ、というのがこの理論。


キャンベル版、ウォグラー版

この理論、キャンベルが提唱してから60年くらいしてからウォグラーという人が改めて本にまとめたのだけれど、実用化するにはいかんせん覚えることが多い。

暗記していつでも使えるようにする前提で、キャンベル版は17段階、短くなったウォグラー版でも12段階あります。このnoteではウォグラー版を採用しているのだけれど、「どうにかして覚えやすくする方法はないかなー」というのがこの試みです。

やり方は、12の要素を”BATCH”というアクロニムで4×3の要素に整理しなおす、というだけ。原著の内容とは違うけど、このほうが覚えやすいので実用的でしょう。アレンジ版としてご査証ください。(ちなみに、Batchという単語は”一括処理”とか"一連の"という意味。缶バッジ(tin badge)とは別物です。


ここから詳細を書くけれど、なんとなく読んでもわかりづらいと思うので、最近見た映画とか、好きなアニメとか、『もののけ姫』とかを想像しながら読んでもらえるといいかもしれません。

BATCH

1、Blind(盲目)

・日常(主人公が元の世界で何気なく暮らしている)
・予感(異変を感じたり、何か悪い出来事が起きる)
・逃走(主人公は一度、見て見ぬふりをする)

2、Aware(自覚)

・賢者との出会い(気づき)
・決別(元の世界の認識を捨てる決意をする)
・闘争(敵との遭遇、仲間との合流)

3、Test(試練)

・状況開始(準備が整い、危険な場所へ突入する)
・修羅場(最も危険な正念場が始まる)
・報酬(主人公は勝利して、何かを手に入れる)

4、Change(変化)

・脱出(危険な場所から離れる)
・変貌(戦いを経て、成長した主人公の姿が変わる)
・帰還(元居た場所に帰ってくる)


これらの頭文字でBATCH。全部で4×3=12の要素に整理しています。

・・・Hが余ってるって?
もとのウォグラーの要素は12しかないのだからそんなこと言われても


どうしようか。
ということで、

4.5、However(しかしながら…)

主人公が一皮むけて帰ってきたとはいえ、まだ問題は残ってるよね…根本的な解決はしてないし、まだまだ主人公の苦難は続くんじゃないか?っていう。最近映画館で観たあの不穏な終わり方みたいな感じで解釈してます。

これで、Blind/Aware/Test/Change/However…が揃いました。すっきり。


そんなわけで、なにがしかに使ってもらえると幸いです。


time:72m.33s

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