サイマルアカデミー(通訳学校)の講義メモの取り方
サイマルアカデミーに5ヶ月通って、膨大な気づきが得られました。その中で、講義メモの取り方や、復習の方法について試行錯誤したので、それについての記事です。
この記事では、いわゆる通訳の「ノートテイキング」ではなく、「講義の内容」をどうノートに残していくべきかというテーマについて気づきをまとめています。
入門時の私のノート
私はIT業界が長く、紙が嫌いな人間なので、最初はパソコンでカタカタとメモを取っていました。
例:
授業が終わったら、単語リストをAnkiアプリに入れて、使えそうな訳を覚えていました。
しかし、3ヶ月経ったあたりに、フレーズを覚えても通訳力はあまり上がっていない気がしました。
過去の成功体験が通用しないことに気づいた
ドイツ語や中国語学習での成功体験が通用しないことに気づきました。
そもそもドイツ語や中国語の授業は1回でA4 2-3ページ分を教科書で進めてるだけなので、1週間に3時間も復習すれば余裕でついていけました。
しかし通訳の授業は1回の授業で音源を15分ぐらい扱い、スクリプトにする
とA4用紙3ページ分ぐらいある。そしてその授業が週2回ある。
物量が3倍ぐらいあるのに、1週間に3時間の勉強じゃ多分足りない。「俺、なんかやり方違ってね?w」と感じ始めた。
上達は多分してる。けど、感覚的にいつも65点の回答を連発してる感じ。直訳すぎたり、「えー、あー」とかフィラーが入ったり、そもそも原文を正しく理解できていなかったり。
俺は帰国子女だから発音は悪くないんだろうけど、、、大学時代に始めたストリートダンスを思い出した。「中学校からダンス部でした!ドヤ!」って顔をしながら、大学以降努力せず、中学校の貯金でしか踊ってないダンサーと一緒じゃね?って思いました。
そう考えるとクソダサいですね。
試行錯誤の末の今のノート
そこで、試行錯誤して勉強のやり方を研究することにしました。
以下が、今の所やっていることです。
1. ノートは紙 or iPadの手書きで取ることにした
個人的には紙のノートが一番通訳のパフォーマンスが高いです。思った通りに紙面に字がかけるので。
次点で、iPad。iPadも悪くないですが、たまーーに細かい筆の動きが若干思い通りにいきません(慣れの問題かも)。
最近は復習のしやすさを優先し、iPadで講義メモをとっています。先生やクラスメイトの訳で覚えておきたいことは赤字でメモっています。
このように記載することで、どういう文脈で何が出てきたのかを理解し、色んなフレーズや知識が長期記憶に残るようになった(気がしています)。
まだこのやり方を始めて1ヶ月ぐらいなので、間違っているかもしれません。でも、今の所しっくりきています。
ちなみにアプリは無限Canvasアプリの「Nebo」が一番使いやすいです。Apple標準の「フリーボード」はすぐにアプリが落ちるため使えません。「Concepts」というアプリは美しくかけますが、クラウドで同期できないため辞めました。
最初はGoodnotesを使っていましたが、全部のページを並べて復習ができないため、無限Canvas系のアプリに切り替えました。
2. 教材の各テーマを抽象化して説明できるようにする
同じテーマが今後出てきたときに、「これ知ってるぜ」と自信を持ちたいと思いました。そこで、教材を終えた後に、「このテーマが根本的に言いたいことは何か?」を考え、英語と日本語で端的に説明できるようにまとめています。
まとめる際、なるべく通訳のメモを取るときの記号を使うよう意識しています。この例だと
企業の業績は、地形学と、競合からの二つの影響を受ける
どちらも変化のスピードを高める要因が存在する(例:ボラティリティを生じさせる社会の出来事、デジタル革命)
みたいなのを頭に抽象化して留めるようにしました。
こんな感じで分からなかったことを色々とまとめています
3. 授業の教材を一文一文丁寧に復習する
このプロセスは非常に面倒臭い。そして骨が折れる。
が、「この教材の内容は全部綺麗に通訳できるぜ」という状態を目指して復習することが大事だと思いました。なるべくそれを実践するようにしています。
サイマルの教材をそのまま見せることはできないので別の資料で例示します。
音源を一文ずつ聴いて、声に出して訳せるかを練習しています。
15分ぐらいのファイルをAudacityを使って一文ごとに分解して、ChatGPTを使いながら訳を作って、Ankiに入れて練習しています。
※テクニカルすぎるので、細かいところは割愛
使う音源の例)
https://app.podscribe.ai/episode/96811720
時事ニュースを音で聞いて、通訳して声を出しながら勉強すると、色んなフレーズが定着しやすくなった気がしています。
※このやり方は準備時間がかかるため、今後も続けるかはわかりませんが。。。
4. 練習中に自己点検する
3.の内容を、以下のように練習しています。電車でブツブツしたり、カフェの隅っこでやってます。丸の内線の新宿あたりで小声で日本の特定秘密について囁いているオッサンがいたら俺です。
練習時の手順
ソース言語の音が流れてきた後に、ターゲット言語でアウトプットする
できなかったら、その原因を以下の順で考えて特定していく
原因を特定するためのQ(問題無ければ次のQへ行く)
デリバリーは綺麗か?
リプロダクションは十分できているか?
ノートテイキングに問題はあるか? ※電車ではノート無しでやるので飛ばす
主要情報は理解できているか?
知識不足が原因ではないか?
スピーチの構造は理解できているか?
聞き取れていない部分は無いか?
この順で自己点検していき、ダメなところの原因を潰しに行きます。知識不足や聞き取れていない部分がある場合は、色々調べるのに時間がめちゃくちゃ持っていかれますw。でも、理解できた後は教養が身についたという満足感に浸ることもできます。
最後に、サイマルアカデミーの感想
話題は変わりますが、約5ヶ月ほどサイマルアカデミーに通い、学びがすごく多かったです。私がお世話になっている先生は2名とも大ベテランで神様のように見えますし、クラスメイトも色んなバックグラウンドの人が世界中から参加していて、毎回が刺激的です。
ドイツ語や中国語を勉強したときはマンツーマンが一番効率が良いと思っていましたが、グループレッスンは仲間も出来てモチベが高まるのが良いですね。
グループだからこそ得られた気づきも多かったです。
と、いうことで今後も頑張って行きたいと思います!
※カバー写真はChatGPTに生成させました。Interpretationの綴りが間違っていますが、ご愛嬌でお願いしますw
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