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AIベンチャーに転職した4年目でゾーマを倒した話

4年前にAIベンチャーに入社した。ドラクエ3風に言うならば、ルイーダの酒場で出会った20代の若造たちで最初のアリアハンの街を発ったのだ。

身の丈を超える敵やボスを次々と倒してそれなりにレベルアップしてきた。
ラスボスに挑めるLv40ぐらいまで着実にやってきた。
そしてPMFというラスボスであるバラモスを倒した。
若さ溢れる平均年齢30数歳ほどのメンバーたちでラスボスを倒したのだ。

その後、M&Aを経験することになった。
当然、いろいろな道を選ぶメンバーがいた。
僕はPMIという名の裏ボスゾーマを倒しにいく道を選んだ。
※PMI: Post Merger Integration. 二つの会社がくっついたら規則や方針が違うので、それをいい感じに統合していくこと.

別の道を歩むと、別れを告げる仲間もいた。
同時に新しい仲間もたくさん加わった。
お互いのLvやステータスもよく分からないけど
新しいパーティでゾーマを倒す旅に出た。
新世界では出てくる敵キャラはどれも自分より20lvぐらい高い。
どの戦闘も毎ターンが真剣勝負。
ベホマ?イオナズン?もうここでマダンテ?
どうするよ

え、攻撃魔法使えって?僕は回復魔法が得意なんだけど参ったな。
Lvアップする中で、イオナズン選択できるようになってたから使ってみるわ!
お、意外といけんじゃん。

中ボス出てきた?俺MP24しか残ってないよ?
え、仲間のチミたち誰も回復魔法使えないの?
ほな、とりあえずドラゴラム唱えるから、
お前ら俺を信じてこの賢者の石を掲げ続けてくれ!!!

そんな気分になるシーンもあった。

そして半年くらい剣を振り続けた。
新たな仲間たちとゾーマを倒した。
ドラクエ3の世界でLv80ぐらいになった。
普通のサラリーマン人生では味わうことがなかろう、
天国と地獄の両方を見た。

でも、ゾーマを倒しに行った地獄の世界は、実は違った世界だった。
はぐれメタルやメタルキングがたくさんいた。
実は千載一遇の狩場であった。
敵を倒すだけで5桁の経験値がホイホイ入ってきた。

クリア後の世界でしか出会えないスゲー仲間たちもできた。
俺が必死でベホマラー唱えて会社を守ってるときに、
突然パーティに参加してきてグランドクロスやイオグランデを放って助けてくれる奴もいた。
「誰お前 w w wその魔法強いんだけどw w。ところで俺、AKIRA。よろしく!」
みたいなシーンもたくさんありました。

こうして、クリア後の世界に来ました。

人生のこの段階で神龍を倒すと暇になっちゃうから、神龍を倒すのはやめて別の道を行こうかな。


とまぁ、こんな一年でした笑。

私がこの1年で感じていた情景を頑張ってドラクエ3で表現してみました。

当時の僕の情景をポケモンで例えるなら、パーティ全員Lv50ぐらいでポケモンのチャンピオンリーグを攻略したと一息ついてたら、シロガネ山でピカチュウLv81を繰り出してくるレッドがイキナリ出てきたみたいな。しかも一匹倒したら次はカビゴンLv75出てきたみたいな。

大きなイベントであるM&Aは、ポケモンのチャンピオンリーグを攻略した後のような状態で、その後のシナリオをどう楽しむかは人の自由。パーティに残ってシロガネ山のレッドに一緒に挑む者もいれば、パーティを離脱して別の道を歩む者もいる。

僕はずっと人事責任者をやってきて「うちのパーティに加入しなよ!」と声をかけ続けて来た身だし、パーティの中でも唯一、上級回復魔法であるベホマや、補助魔法のスクルト、ピオリム等も使えた。大手企業様のカスタマーサクセス業務を通して売上を作るためのバギクロスという攻撃魔法も一部使えた。ドラクエの僧侶的な立ち位置で、全員が健やかに前進できる環境を作るキャラだったので、最後までやってみる(=ゾーマを倒す/シロガネ山のレッドを倒しきる)ことにした。

そして、私が居なくても大丈夫だなと確信できたタイミングで、次の道へと私も進むことにいたしました。


この4年間の旅で出会った全員に感謝しています。
お客様も、社内の方々も。
異なる道を途中で選んだ皆さんも。
心の底から出会えて良かったと思っています。

自分はまだまだ未熟な人間です。
でも、去年の自分と比較するとあらゆる側面で天と地の差がある。
それぐらい、人生で一番濃かった1年ですし、成長させてもらえました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします!

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