健康と美とエポックメイク、2023。
2023年という年は自分にとって非常にエポックメイキングだったように思う。
ここまで新しく始めたことや大きな変化だったことが多いと言える年も珍しいことだ。
【パーソナルジム】
まず第一に、体が変わった。
30代に入り、しっかりと体の健康を意識しなくてはいけないと思った僕は
1月から恵比寿のパーソナルジムに通い始め、ちょうど1年が過ぎようとしている。筋肉の動かし方を学び鍛えることは、日常生活の意識の変化に直結した。
歩き方が変わり、姿勢が変わり、所作が変わった。
これはナレーションにも影響し、フィジカルで説明する再現性の高さに気づくキッカケにもなったように思う。
体も変わり、顔つきも変わって、カッコよくなったと言われることが増えたのは今年一番嬉しい変化だったかもしれない。
【鍼】
健康を意識して、鍼灸院にも通い始めた。
先の恵比寿のパーソナルジムから歩いてすぐのところだ。
初めて鍼を打つと、自分の体をボディスキャンするような感覚を得た。
普段気づかないような自分の体の使い方の癖をまざまざと教えられることになったのだ。
自分には噛み締め癖があったらしく、それも鍼を打ってもらって初めて知った。
こめかみに鍼を打ってもらうと、シュルシュルと下顎の筋肉が緩んでいくのを感じた。
この時初めて
「僕は普段下顎に力が入っていたのか!」
と知った。
下顎に過度な力が入ると滑舌に影響を及ぼす可能性があるので、
これもナレーションに良い効果を与える習慣となった。
ナレーター仲間にこの針院をお薦めすると、
みんないい効果を感じたみたいでそれも嬉しかった。
【テニス】
4月からはテニスを始めた。
身の回りのテニスをやっている人が歳を取ってもシュッとしていて健康そうで
こんな風に歳を取りたいと思ったのがキッカケだった。
地元で新しくテニススクールが開校されるという知らせを受けて
これ幸いとすぐに申し込んだのを覚えている。
テニスは高校の時に体育の授業で少し触れたくらいの大初心者だったので
新しいことを覚えるのは楽しかった。
今はサーブもきれいに打てるようになってきて、初級コースに上がろうとしている。
ラリーが続くとテニスは最高に楽しい。
【マンツーマンレッスン】
9月からは、ナレーションのマンツーマンレッスンを始めた。
始めたというか、前からやってはいたのだが、個人的に頼んでくれた人だけにやっていただけで
広く毎月レッスン生を募るのは初めてだった。
レッスンを受けてくださる皆さんはとても柔軟で、
僕の話にも耳を傾けてくれて、皆さんすぐにナレーションの読みが良くなっていった。
そのレッスンの感想をXで皆さんが投稿してくれて、
それが次のレッスン生を次々と呼ぶ、というような循環になっていった。
「私、Xで皆さんの感想を読んでて、私もレッスンを受けて感想を投稿するのが夢だったんですよ〜」
と言ってくれる方もいた。本当に嬉しい。
いろいろな人にレッスンをしていく中で僕のナレーションへの解像度も高くなっていった。
どんな人がどんなナレーションの悩みを抱えているのか。滑舌や呼吸、ピッチの幅や間の取り方で悩んでいるのか、その知見を得たいと思って始めたレッスン募集だったが、
予想以上にその知見の吸収、それを再現度のある指導に落とし込む思考回路ができていったように思う。
この毎月のレッスンのルーティンが自分のナレーション研究にも大いに役立っています。
レッスンを受けてくださる皆さん本当にありがとうございます。
【歯列矯正】
歯列矯正は11月から始まった。
パーソナルジム、鍼、テニス、と自分の健康に気を使いだすと、
欲が出て「美」にも興味が湧き出した。
歯並びがめちゃくちゃコンプレックスというわけではなかったが、
ここまできたら徹底して審美性を高めたくなった。
2023年は間違いなく自分にとって「健康と美」を意識・実践し始めた年だ。
僕の場合は歯が綺麗に並び揃うまで1年がかかるという診断だった。
そしてやろうとしているのはマウスピース矯正だったので、
口腔内の空間を0.数ミリ奪うことになる。
この0.数ミリがナレーターにとっては分厚い壁で、
たかが0.数ミリで滑舌に少なからざる影響を及ぼす。
そんな状態を1年以上(正確には歯が並び揃ってもそれを安定させるために追加で2年ほどマウスピースを装着する必要があるらしい)続けることができるのか
始める前は少しだけ不安だった。
しかし、僕は生粋のナレーションオタクなので、
マウスピースをしているときの発音・調音の課題に興味があった。
これは僕が人柱となって研究するしかない、と半ばこじつけのような理由で
踏み切ったのを覚えている。
これを書いている時点でもう時期2ヶ月が経つ。
最初は慣れなくて滑舌もボロボロでナレーション時は外していたこともあるが、
1ヶ月が経つ頃にはすっかり慣れてしまって
3時間のスタジオ収録でもマウスピースをつけたままナレーション収録ができるくらいまでになった。
ナレーターはマウスピースの口腔内侵略を克服した。
【海外アワード】
そして年末にあった大きな転換点が、アメリカの海外ナレーションアワードのファイナリストとなったことだった。
ロサンゼルスで行われる表彰式への招待が届いた時は胸が躍った。
これまで英語圏の外国に行ったことがなく、急に世界を見てくる機会に迫られたような感覚だった。
同じくノミネートを受けた仲間のナレーター達も渡米するという報を聞き、
僕もその勢いの渦に身を投じることにした。
結果受賞は逃したものの、得たものは非常に大きかった。
海外市場ではすでに活動していたものの、やりとりはメールでの文面や会ってもZoomなどの会議ツール上。
日本にいながら海外とやり取りできる時代は最高だなあと呑気に思っていたが、
実際に海外の地を踏んで海外の声優ナレーターと同じ空間で交流してみると
自分は地球上でナレーター活動をしていて、その仲間は一つの島国だけではなく、実にこの惑星上にあまねく点在しているのだということを身体感覚で知ることができた。
やはり現地に赴き現地で経験するのが一番だ。血肉へ還元される度合いが違う。
世界のナレーター友達と血の通った交流をしたことで、一気に海外に赴くハードルが下がったように思う。
もうすでに「来年のこのナレーション会議来るんでしょ?」と現地の友達から発破をかけられている。
来年は旅行も含め、もっと気軽に海外に飛ぶフットワークの軽さを見せていきたい。
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ナレーターとして開業してから、右肩上がりで収入も増えている。
去年も大きな伸びだったが、今年もそれを超えるような伸びを見ることができて
非常に恵まれた年だったと思う。
仕事で関わってくださった皆さん本当にありがとうございました。
おかげ様でたくさんの経験的投資ができた年でした。
この投資の結果が見えたり、さらに投資する機会があるのだと思うと
2024年を迎えるのが楽しみで仕方ない。
今年までの旧知な最高の出会いと、来年からの新たな最高の出会いへの期待に胸膨らませながら
2023年の幕を閉じることにする。
おつかれ、おれ!