『SWAN』(有吉京子著作・全21巻)を読んだことのある方へ! 読んだことのない方にも!
『1981年に21巻で終わっていた「SWAN」が、2018年に完結していた』
手短に言うと本題はそれのみです。知ってるし読んでるしという方は、「先輩! 遅れました!」と言わせてください。
昨今知って、一昨日その完結編を読み終えたわたしです。熱い。熱いよ!
『SWAN 白鳥 モスクワ編』(全4巻)→『SWAN ドイツ編』(全4巻)
この8冊で完結です。わかった、もう読む! という方はそのままリンクからいってらっしゃいませ!
わたしの熱い語りにおつきあいくださる方は、よかったらおつきあいください。
わたしは1976年から1981年にわたって連載された、有吉京子先生の『SWAN』(全21巻・平凡社から愛蔵版全12巻発売中)が大好きです。
読んだことがない方にも読んでほしい。もしかしたら最初のところはその当時の少女マンガ表現で入り込みにくいかもしれないけれど、根幹の素晴らしさは今読んでも変わらずです。
『SWAN』が1981年に終わった時わたしは11歳で、ぽかんとしました。主人公に何が起きたのかわからなかったんです。でも強く心に残って、20代の時に読み返したら「うわあ!」と刺さった。けれど1981年当時この終わり方でよく終わらせてもらえたな……とも思いました。なかなか子どもにわかることではないような気がします。
なのでもしかしたら、「主人公はどうなったの!?」というお便りがたくさんきたのかもしれません。
その後、『SWAN 白鳥の祈り』(全3巻)という全く違う主人公のバレエ漫画に『SWAN』の主人公たちが少し登場しました。それは「彼女たちはこのようになってます。安心してね」というメッセージなのかな? とわたしは勝手に解釈して、それで充分だと思っていました。
しかし2018年に完結した、『SWAN 白鳥 モスクワ編』と『SWAN 白鳥 ドイツ編』には、その間の主人公たちの生きようが緻密に繊細に描かれています。絵は今もなおより美しく、そのことにも本当に感動しました。とても気持ちのいい読書体験となって、もし完結編未読の方がいたら全力ですすめたいとnoteを書いた次第。
読もう読もうと思っていて一昨日モスクワ編を読み始めたのは、
「リリアナと先生はどうしてるかな」
と思ったからです。時間軸的にまだソビエト連邦が舞台です。
完結編の最後に有吉京子先生のインタビューがのっていて、
「何もわからず勉強しながら描いた」
とおっしゃっているのですが、それは1976年の一巻を読まれたらびっくりすると思う。確かに導入はその当時の表現だけど、骨太のバレエ漫画の輪郭の美しさは変わらないです。
『麗羅からの手紙』という有吉京子先生のバレエ漫画があります。わたしはその本が大好きで今もマーガレットコミックスで持ち続けてる。何故? と尋ねられると上手く答えられない。バレエの取材を続けてソビエト連邦に恐らくは多く触れた先生が描きたかった、一つの風景だったのかもしれない。
今愛蔵版の『SWAN』を頭から読んでいます。ソビエト連邦、そしてその頃ソビエト連邦の中にあったウクライナのバレエも登場します。モスクワとは風土が違うと伝わる描き方と言葉に、驚いた。
どちらの国の方にも無事でいてほしい。
拙い望みですが、改めてそう思いました。
素晴らしいバレエ漫画です。是非!