【#ざっくりレビュー】2019 J1リーグ第19節 浦和レッズ戦
akira(@akiras21_)です。
メインイメージのこの人は荒川区の鳶職人・中村福太郎さんという方だそうです。
【前節の振り返り】
・前半から大分を圧倒。エジガル・ジュニオの殊勲弾で勝利
・ボレーでの低弾道ロングフィードなど、朴一圭が圧巻のパフォーマンスを見せる
・さらば天野純、また逢う日まで
そこかしこで「横浜F・マリノスver2.0化」がささやかれているように、シーズン後半戦突入と同時にワンランク上の試合運びを見せた試合でした。
そして、スポルティング・ロケレンへの期限付き移籍が決まった天野純のセレモニー。地味ながらしかし確実にチームを押し上げる働きを見せ、新たな10番像をトリコロールに与えたレフティーは、ファン・サポーターの笑顔が彩る涙雨のニッパツ三ツ沢球技場で、実に彼らしいムードの中送り出されました。
【vs浦和 前回対戦の振り返り】
・当時新たに導入された4バックに不慣れな浦和から早々に先制点を奪い、終始マリノスベースで試合を進め3-0で勝利
・影のMVP的活躍を見せたブルーハーツな遠藤渓太
・#金J #埼スタ遠すぎ
オズワルド・オリヴェイラ前監督が指揮していた当時はいろいろ試していた時期だったらしく、その間にサッと詰め寄ってドスッと突いたらバスバスッと決めることができた感じの試合でした。
その後浦和は調子を落としてしまい、オリヴェイラ前監督に代わって組ちょ…じゃなくて大槻毅監督が就任。今節に至るまで公式戦7試合4勝1分2敗、特に最近2試合では連勝と上々のコンディションで横浜へとカチコミ…じゃなくて乗り込んできたのでした。
といったところで、今節のメンバーは以下。
[4-2-1-3]
GK:朴一圭
DF:広瀬陸斗、チアゴ・マルチンス、畠中槙之輔、ティーラトン
MF:喜田拓也、扇原貴宏、マルコス・ジュニオール
FW:仲川輝人、エジガル・ジュニオ、遠藤渓太
[SUB]
飯倉大樹、栗原勇蔵、和田拓也、大津祐樹、山田康太、三好康児、李忠成
天野純の移籍に伴って空いたスタメンの1席には、第14節の湘南ベルマーレ戦以来およそ1ヶ月ぶりに復帰したマリノスケ…じゃなくて扇原貴宏が入りました。さっそくの先発でどこまでやれるかという思いを持ったマリサポも少なくはなかったと思いますが、果たしてどうなったかというのはこれから見ていくことにしましょう。
それじゃ始めるぞバカヤロー!
数的優位性を考える①
浦和は基本システムとして3-4-2-1を採用しつつ、攻撃時は5-3-2状態に、そして守備時は5-4-1気味になることも。攻守ともにボールサイドへと人数を多めに割く、いわゆる「オーバーロード」のようなやり方です。
スタート時は興梠慎三が1トップの位置に入っていましたが、シャドーに入っていたファブリシオの守備意識に物足りなさを覚えたのか、途中からこの2人は位置が入れ替わっていました。というか興梠がメチャクチャ走るんですよね。この興梠と、中盤を務める阿部勇樹、長澤和輝、青木拓矢が流動的にスペースを埋めていくようなポジショニングを見せていました。
ボールが浦和側ディフェンシブサードに侵入する頃まではプレスも緩めだったんですが、ポジショニングの基準をスペースとしたことがかえってチーム内の共通認識を曖昧にしてしまったのか、5-4の最終ラインと中盤ラインが整わないうちにポッカリと空いたスペースにクリリンが入り込む、などなかなかの脆さが見られたシーンもありました。
加えて、遠藤と仲川の両サイドがワイドな位置取りをすることで浦和の両サイドディフェンス(橋岡大樹、宇賀神友弥)をいわゆる「ピン留め※」の状態にしているため、マリノス1トップのエジガルに対して3人のセンターバックがケアをするという状況に。
ピン留め:
攻撃側サイドプレーヤー(サイドアタッカー)がタッチライン付近に立つことによって、守備側サイドプレーヤー(サイドバック)の注意を惹くことを指す。
期待できる効果はいくつかあるが、代表的なものとして、
・センターフォワード、インサイドハーフなどの動きと組み合わせることで、サイドバックのマークを撹乱する
・サイドアタッカーに注意を集めることで、サイドバック〜センターバック間のスペース(チャンネル)やハーフスペースへの意識を薄めさせる
などが挙げられる。
数の多さで言えば当然浦和が有利なんですが、両サイドがピン留めされているので1人に対して3人全員が付いていくわけにもいかず、相手の注意を意図的に操作できるという点でエジガルのほうが有利な状況となっていました。
その上、クリリンへのケアを阿部が担当するシーンが多く見られました。それを察知してか、クリリンもエジガルと近付きすぎず遠すぎないポジショニングを遂行。浦和の3CBに動きづらさを与えつつ、その上で阿部のマークを引っ張って、中盤におけるマリノスの優位性を引き出すという方策が採られていました。
浦和もそれじゃマズいよなと思ってか、ボールを奪ったら1トップにマリノスのハイライン裏を狙わせるべく縦に長く蹴り出したりしたんですが、それはそれでパギが早めの前進守備で対応。このとき浦和はラインを上げなかったので、結果的に喜田がピッチ中央で、しかもフリーでボールを受けて攻撃再開(6分ごろ)…という流れにもなったり。シマを確保したらナンボでも殴り続けるようになったら、あとはもうこっちのもんです。
浦和の人海戦術にゃ波乗りジョニー
もうそれぐらいゴチャゴチャした展開なもんで、浦和は気付けば6-4-0みたいになってたり。横幅をペナルティーボックスに合わせてくるあたりはFC東京(第17節)のやり方に寄せてきた感じです。ただあそこまでガッチガチなブロックというわけでもなく、真ん中に入っていかない限りは寄せてくることもないあたりがオリジナルなポイントでしょうか。
ただし、そんな中で敢えて中央にカチ込んで…じゃなくて突っ込んでいくのがクリリンと扇原。いやー復帰初戦からグイグイ飛ばしますなマリノスケは。ほいで扇原は中央で浦和守備陣のマークを惹きつけたら広瀬→エジガルとボールを逃がして、右アウトサイドレーンで待ち構えていたのが喜田と。毎度おなじみポジションレスサッカーでございます。
まー結局ゴールをこじ開けるには至らなかったわけですが、浦和の守りがとにかく人海戦術って感じでして。ただ、わりとバシッとハーフスペースの縦パスが入ったりしてるあたり、浦和は人がいすぎて逆にやりづらかったんじゃないかと思います。知らんけど。
なーんか見覚えあるんよね、あぁこりゃアレだ
その後、
岩波拓也の強めなグラウンダーパスを喜田がカット
↓
ボールが転がった先で畠中がダイレクトパス
↓
ボールを受けたクリリンがドリブルで前進
↓
クリリンがドリブルで溜めてマークを惹きつけたら、逆サイドの仲川にパス
↓
仲川がダブルタッチで浦和DFを3人剥がしてシュート
…という華麗な流れも披露。何よりしれっと畠中も参加してるという。他にも惜しいセットプレーが飛び出したり、仲川がポケモンの技の「スピードスター」でも使ったんじゃないかってぐらいの急襲プレスを仕掛けたりと、まだ12分ぐらいしか経ってないのにもはや圧倒的有利な戦況に。そして、ここまでメチャクチャやられてるわりに、浦和はなぜかやり方を変えませんでした。
終いにゃ扇原が槙野智章と宇賀神の間に仲川の姿を見るやいなや、浦和のFW〜MF〜DFの3ライン全部を越えてくる浮き球パスをドンピシャで仲川に供給。真ん中でブロック敷かれようがそんなの関係ねえと言わんばかりに、扇原はAJとは異なったスタイルで試合をガンガン動かしに掛かります。
この扇原のプレー然り、詳しく書こうとすると分量が多くなっちゃうんで雑感に留めますが、自分たちの動きによって相手を動かし、そうして出来たスペースを活かすようなプレーができるようになったなぁと。
細部を見れば違いはありますが、基本的なコンセプトとしてはペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティと同じ路線を行っているんじゃないでしょうか。試合を見直しててなーんか既視感あるなぁと思ったんですけど、シティがプレミアリーグでやってそうな試合運びですよね。知らんけど。
「動いて動かす」ことの他に、即時奪回でのボール回収も凄かったですね。もうだんだんと見慣れてきちゃった感すらありますが、たとえばミスパスやプレスでボールを奪われてしまったとしても、2〜3秒ぐらいでポンポーンっと奪い返してまた攻撃に…みたいな流れが、この試合では常態化していました。
こんなもんですから数年前みたいに「セカンド(ボールを奪え)!!!」って叫ぶこともめっきり減って、僕の中のリトルセカンドおじさんは寂しそうにしています。知らんけど。
数的優位性を考える②
このあと浦和がやってきたことといったら、
・中央でボールを持たれたらとにかく人数を掛けて人垣を築く
・ボールをサイドに持ってかれたらとにかく人数を掛けて奪いに行く
という大きく2つに分けられます。で、サイドに行ったら行ったでたとえばティーラトンが橋岡を剥がしてドリブル突破でクロスをドーンとかになったりして、個の質でも浦和を上回る展開に。もう後は点を決めるだけってレベルなんですが、これがなかなか決まらない。ボールの先っちょだけでいいからゴールに入れてくれと。あ、ダメですか。はい。
んで、浦和もこれじゃいかんよねということで奪ったら前に蹴り出すんですが、これもマリノスがまんまと回収。こういうときブロック内にスペースが出来てたりするあたりがFC東京との差なんでしょう。あるいはそこまで共通認識を詰められてなかったか。どちらにせよマリノス優位な時間帯が続きました。
そうそう、この時間帯でワクワクしたのはキッカーが3人並んだフリーキック(29分29秒ごろ)でした。惜しかったよね。
1点目:君をこの手で抱きしめたいよ(祝福的な意味で)
試合時間が30分を過ぎても相変わらずこんな調子なもんで、とうとうあのお方のあそこへの移籍を小話として挟みだす野村明弘アナウンサーと水沼貴史解説員。水沼解説員がやや渋い表情をしてそうな声色でコメントしつつ、若干のウイイレ感を醸し出したところでファブリシオのシュートが扇原の足に当たってクロスバー直撃。そうだ、これはゲームじゃなかったんだ…とハッと我に返った瞬間でした。いやマジで危なかったよね、あれ。
ほいじゃペースアップしますよ!待望の得点シーン!!
…とは言っても、橋岡がボールを引っ掛けてしまったのをティーラトンが掻っ攫って、ハーフスペースにいた遠藤にバッチリ縦パス通して後は冷静にグラウンダーのシュートを打っただけなんですが、注目したいのはこの得点の流れよりもむしろその直前の動き。
もうね、ずーっとハーフスペースにポジション取ってひたすらチャンスを窺ってたんです、遠藤は。それも流動的にフラフラしながら。どうしてそんな動きができたかっていうと、
・ティーラトンがタッチライン際に張って橋岡の注意を惹く、いわゆる「ピン留め」のような状態を作ってた
・前述の通り3CBでエジガル1人をケアしていたため、「誰が誰に付くのか曖昧(分からない)」という状態になっていた
という2つの要因があったからです。きっと「守りたい、守りたい、君は誰(のマーク)?僕はどこ(の担当)?」というのが浦和守備陣の心の声だったことでしょう。数的優位はちょっとでいいのだ。知らんけど。
ともあれ、やっと決まったな遠藤渓太!祝杯じゃ!!
グイグイ来るならヒラリマント
ターミネーターの如く爆走するチアゴのおかげでピンチが防がれた場面があったり、ティーラトンが全力で走ってってゴリッゴリのフィジカル勝負でインターセプトした場面なんかもあったりもしましたが、1-0からスコアは動かずそのままハーフタイムへ。
うーん本当はもう1点取って楽に後半を迎えたかったんだけどなぁ…なんていう欲が出てくる程度には内容的に圧倒していたわけで、ギリギリまで食いついてこない相手のブロック守備をこじ開けるべしというここ数試合毎度出されてきた課題をこの日も突きつけられたか、っていう感じでした。
それではいざ後半。浦和はプレスを掛けに来るようになり、それが功を奏したのかマリノス側ゴールの近くでプレーする時間が増えました。アタッカーは前に前に出ていって、時間を掛けてじっくり攻撃すれば、不発でもそのまま残って、ついでに最終ラインも上げとけばそうそうカウンターは喰らわんだろうと。
ちょっと前のマリノスならこういう状況に追い込まれるとアタフタしちゃったもんですが、今のマリノスはこれを逆手に取るようになりました。49分ごろからの一連の流れを見てみましょう。
プレーはゴールキックから始まり、2CBが観音開きの要領でGK脇の両サイドに広がります。パギはまず右CBのチアゴにパスを出し、浦和の陣形をそちらに寄せます。そしてチアゴがパギにボールを戻すと、今度は畠中にパス。ここで左SBのティーラトンがポジションを内側に絞ります。
このティーラトンのポジショニングをきっかけに、畠中は前に向かってポーンと弾道低めなロングパス。浦和のファースト・セカンドディフェンスライン(マリノスから見たところのいわゆる「第2・第3レーン」)を軽々と越えて、その先に待っていたのはエジガル。なるほど、ティーラトンはエジガルへのパスコースを開けていたわけですね。
さて、エジガルは彼の少し後ろから寄ってきた遠藤へとダイレクトパス。ボールを受けた遠藤は勢いそのままに中央レーンまでドリブルし、浦和最終ラインの注意をじっくりと惹きつけてからシュートを選択。遠藤のシュートは彼と対面でマッチアップしていた槙野の足に当たって不発となりますが、こぼれ球は中央に詰め寄っていたクリリンのもとへ転がっていきます。
そして、クリリンはそのままゴールライン際まで引っ張り、折り返しのクロスをエジガルに当てようとしましたが惜しくも合わず…という、30秒足らずの攻防でした。この流れを締めくくるようにカメラが捉えたのはクリリンの楽しそうな表情(49分30秒ごろ)。これですよ、これ。
2点目:最後はともかく過程は、ね
直後にちょっと危ないシーンがあったんですが、これはパギが好判断で飛び出して無事クリア。このあと浦和ボールで始まったプレーも浦和の攻撃を跳ね返し、仲川がセカンドボールを奪ったところからスピード感のあるカウンターを発動(50分36秒ごろ)。
このときドリブルで駆け上がった遠藤の溜めがまた良かったんですよねぇ。浦和の戻りも早かったんですが、浦和守備陣のほぼ全員の注目を集めたところで喜田にパス。その背後から駆け上がっていた広瀬へとボールは渡り、広瀬はループ気味ながらスピードの付いたミドルシュート。
西川周作がギリギリのところでセーブしてゴールとはなりませんでしたが、しかし広瀬の余裕ぶりが感じられるプレーでした。これは広瀬も一皮剥けましたかね。
…といった感じで徐々にあのシーンが近付いてくるんですが、実はあれよりも前から似たような形は何度か作ってたんですよね。浦和が高めにラインを引いて、マリノスのウィンガーが端っこで張ってピン留めして、攻撃のスイッチが入ったらボールサイドのウィンガーが内側に絞って、ハーフスペースを抜けながらゴールを狙う…みたいな。
ちなみに、あのシーンについてはこれを書いてる時点で結論が出ちゃってるので、敢えて言及しないことにします。ただ、大外に張っていた遠藤の使い方、クロスが入るまでのワンツーでの剥がし方、そしてその先での仲川の走り込みは練習してた形でしょうね。過程については日頃の練習の成果が出たんじゃないでしょうか。知らんけど。
1失点目:華麗なる広瀬陸斗
何はともあれ試合再開。ザワザワしとったばってんみんな忘れよるけど失点のやられ方はちょっと考えないかんと思うんですよ。で、改めて一連の流れを見直してみたら、これこそマリノス1点目と似たような形。
喜田が縦パスを入れようとするもミス、がボールを拾ってカウンターへ
↓
陣形が整ってないなりに扇原とチアゴが山中に対してパスコースを消しに掛かる動き
↓
このとき、畠中1人に対して浦和は興梠、長澤と2対1で有利
↓
山中が扇原、チアゴの間を通すパスでファブリシオにつなぐ
↓
長澤はシュートせずにじわじわ前進、宇賀神のオーバーラップを待ってからパス
↓
宇賀神が興梠目掛けてグラウンダーのクロス
↓
広瀬がスライディング、オウンゴール
ということで、崩されたというよりは自分らのパスミスから始まったカウンターでしたが、広瀬は長澤→宇賀神にパスが出た時点から走り出していました。得点機を察知したからこその動きだったわけですね。
そして広瀬は何より「華麗なオウンゴール」と「興梠に絶対ゴールさせないマン」という2つの大きなタスクを同時に遂行。マリノスのディフェンダーはやらかしてから一人前としばしば言われるものですが、さすがにこれは綺麗すぎて各方面から「すげー」の嵐でした。水沼貴史解説員も「彼のストロングな部分が出ましたよね」と評価してたりしますし。
いつかその形でゴール決めてくれよな、広瀬!
3点目:起こるべくして起きたカウンター
まーそんなこんなで1点差に詰め寄られたわけですが、浦和はじわじわとサイドに追いやるような守備へ。そして奪ったら縦へ。定石ですね。浦和に関して疑問なのはこの展開で切ったカードが杉本健勇だったこと。いやそこマルティノスやないんかと。
さて、エジガルがトラップひとつでマウリシオを剥がしたり、杉本投入で浦和が5-4-1から4-4-2に切り替えてきたりとそれなりに展開があったところでマリノスはクリリンに代えて三好を投入。浦和が4-4-2に切り替えた(ついでに4-4のラインの間にそこそこスペースがあった)ことも多少は影響してたのかな?と思います。
さてその後はマリノスがボールを握る展開になるわけですが、ここでも浦和の守備の曖昧さが出てきます。
浦和はマリノスのボールホルダーをサイドに追いやり、パギまで下げさせつつ前線2トップがプレス。ただ、このプレスをあっさりいなされるとその後は攻撃を遅らせるでも、はたまた4-4のブロックを形成するでもなく、まーマリノスに縦やら斜めやらのパスがズバッと通されるわけです。最終的には槙野が水際で防ぎますが、浦和的はこれで良しとしてたんでしょうか…
といったところで浦和はファブリシオに代えていよいよマルちゃん投入。こっからあからさまに裏を狙いに行きますが、もうこの頃にはマルちゃん以外の浦和アタッカー陣はヘロヘロ。そしてマリノスがカウンターを仕掛けたところで、これまた疑惑のPKがマリノスに献上されます。
詳細は『Jリーグジャッジリプレイ』でご覧いただくとして、まー岩波は腕じゃなくてアゴに当たってたよね。うん。PKはエジガルが決めて3点目。コースは西川に読まれてましたが、早めに腰を落としたため対応しきれなかったところをポスト際に流し込んだ格好。やったぜ。
おわりに:「すばらしい日々」と闘え
87分を過ぎて2点リードとなったマリノスは扇原に代えて大津を投入。走る走る大津祐樹。流れる汗もそのままに。そんな中浦和も遂にマルちゃんを使った攻撃を始めますが、着いてきたチアゴに止められて不発。このへんからややオープン気味な展開になりまして、てんやわんやでやんややんや。そら遠藤もしれっと1トップの位置にいますわ。なんなら惜しいシュートもあったし。最後にマルちゃんがパギを突き飛ばしたところではい、終わり!
そんなこんなでリーグ戦2連勝となったわけですが、なんというか「スタッツは圧倒してるのにスコアはそれほどでも…」感がありますよね。これはもう致し方ない気がします。というのも、これからの相手はそうやってマリノスに立ち向かってくるからです。
引いて引いてブロック敷いて、ボールが取れたら縦に出して即カウンター。なんならプレスの開始位置を高めに設定してショートカウンターも狙う。これがマリノス対策の基本線になるでしょうし、なによりこのやり方は2013シーズンのマリノスそのものです。何周したか分かりませんが、とにかくいつかの自分たちのやり方が数年越しに跳ね返ってくるようになったわけです。そう考えるとなんだか感慨深くもあり。
あのシーズンは最後の最後で涙を飲んだわけですが、片や優勝したサンフレッチェ広島は5-4-1になったり3-2-5になったりする「可変システム」とか呼ばれたサッカーをしてました。ものの捉えようではありますが、状況に応じて自分たちのやり方を最大限に活かすシステムだったり、はたまたショートカウンターに弱かったりと、今季のマリノスともやや共通する部分があると思います。
ただ、あのサッカーも最終的には属人的、個に頼ったサッカーだったので、そこは違いを見せていかなきゃいけないポイントでしょう。「誰かがいなきゃできないサッカー」ではなく、「誰が出てきても勝てるサッカー」を目指さない限り、持続的成長は望めないからです。あえて横文字にすればサスティナブル・グロースをキープ・エクスパンディングしなきゃいけないわけですよ。ルー大柴かっての。
このままだと取り留めがなくなっちゃうんで、今回はここらで締めます!みんなもユニコーン聴こうぜ!
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