ビジネスモデル方程式 その1−2 ビジネスモデル応用編と11個の必殺技
<前回の復習>
細野真悟さん(詳細は一番↓)のビジネス勉強会 副1000にて現在学んでいることのアウトプットをしています。前回はビジネスモデル方程式としてビジネスモデル、収益モデル、サービスモデルの3要素と整合性のお話をしました。
そこからビジネスモデルの超基本パッケージ8パターンについてご紹介しています。
まだ見ていない方はこちらをご覧になってからの方が理解が進みやすいと思いますので、ぜひご覧になってください(*´ω`*)
はい、それでは応用編に入ります。
ちょっと難しくなりますが、この考え方ができるようになれば、いろんなビジネスを因数分解して自分で作れるようになるようです。
みなさん、一緒にがんばりましょう!!
前述の超基本パッケージ8パターンを要素に分解して考えていきますね。
サービス内容と同時に、まずやることは『(1) 課題や機会』を考えます。
ビジネスにおけるテーマみたいなものですね。
(1) 課題や機会
① 既に誰かがビジネスしている
既存のプレイヤーから奪い取れるか。サービスの詳細を詰めずに、差別化を考えて顧客がreplaceしてくれるかどうかを詰める
② 気づいていない/未解決で放置
我々副1000がやると面白いこと!! 大企業ベースでは利益が小さくて却下されたネタが眠っている宝箱。ニヤリ(*´∀`*)
『自分が経験して、怒り・感動を感じた問題』は共感を得られやすいので、課題解決にはもってこいです。詳細はサービスモデルでお話しますね。
③ これから伸びる市場に乗る
スピード超重視!自社開発にこだわらず、パートナーシップ、アライアンスの共同開発でスピード重視がベター。
(2) アプローチ
『(1) 課題や機会』に対しての考え方・アプローチ。方法論で型が3通りに決まっている。このアプローチ方法がビジネスモデル方程式1−1でお話した『整合性』に直結します。
仮でもいいので「この軸で行く」と決めたら、『最後までやり通す信念』が必要になります。
・Willingness To Pay:
顧客が払いたいと思う水準を引き上げる = 高付加価値
単に機能を上げるのではなく、その顧客ゾーンがよりお金を払ってくれるかテストが必要
・低コスト:文字通り、徹底的にコストダウンを考える
・ニッチ:マーケットをより細かく切って、ニッチな顧客を取れるのは僕たちだけですというスタンス
例えば、、、
コーヒー屋とかけまして、(2) アプローチと解く。その心は、、、
・Willingness To Pay:ドトールに対するスタバ
・低コスト:スタバに対するセブンコーヒー
・ニッチ:ドトールに対するコメダ珈琲。じいちゃんばあちゃん、いつまでおってもええよ(*´ω`*)
みたいな感じ。
なるほど、この路線で攻めると決めたらトコトン行けってことね。
縦軸のアプローチの一貫性がめっちゃ重要
ということです!!
はい、次は全てのビジネスモデルに適応できる
ビジネスモデル必殺技 11個のコマンド!!
この技を知っておけば、すでにあるビジネスの仕組みが理解できるし、強制的にアイデアを出すヒントにもなりますよ。たぶん。
いろんなビジネスをここにプロットしていきましょー
事例を1つずつ解説しますね!
1.バラバラな情報を集約
点在している情報を集めることで価値を生み出す。視点さえあればできる比較的簡単な手法。副1000ではニッチ領域だとやりやすい。
2.As-a-Service化
モノの単品売り ➔サービスへ転換。継続顧客に使ってもらってデータ取れることが重要で、サブスクリプションモデルの応用編(単なる分割払いではない)。
・ヒルティ:リヒテンシュタインの工具メーカー。自社工具がコモディティ化して、メンテナンスされていないことに気づき、単品売り ➔ 月額課金でメンテナンス済みの工具使い放題(サービス)へ変更 =Willingness To Pay
・Shopify:オンラインECの黒子モデル(Amazonキラーと言われる)。オリジナルブランド色を出せること、初期出店料がなく売上%だけで導入できるため伸びている。中央集権型Amazon vs. 分散型Shopify =低コスト
・OYO LIFE:敷金・礼金なしで家具付き部屋へ引っ越し。スマホ1つで住む所を変えられる =低コスト
・Suitebook:宿の予約・空室・チェックイン/アウトの月額システム管理サービス。いろんな宿の空室情報などを得られることが凄まじいメリット = ニッチ
3.ネットワーク化
スタンドアローンのモノたちをネットワークでつなぐことで、新たな情報が生まれる。プレイヤーに新しい価値を返せる。As-a-Service化とセットが必要。
・KOMTRAX:コマツ重機のネットワーク化(IoT)。盗難防止から開発されたシステム。重機の使用履歴・頻度を把握して必要な機材を適切な場所へ移動 =Willingness To Pay
・Peloton:室内オンラインフィットネスバイク。ハード+ソフトウェア売り(継続課金モデル) =Willingness To Pay
・タイムズ:めっちゃ情報投資して駐車場をネットワーク化。周辺駐車場が満室のときに値段を上昇、逆に周辺駐車場が空室多いときに値段低下させる(ダイナミックプライシング)。パーキングをつなぐことで収益率up =Willingness To Pay
・カーシェア:レンタカーとの違いは、中央管理でどの車がどれくらい稼働しているかがわかること(顧客情報を利用できる) =低コスト
4.ローエンド破壊
高機能化しすぎて、高単価になっているものを機能特化して低コストへ!!
上に行くのではなく、下(ローエンド、安さ)へ。1点特化して低価格へ。
・T-fal
トラ印とかゾウ印みたいに、田舎のばあちゃんの生存確認できるみたいな高機能のポットいらねーよ!いま、ただコップ1杯のお湯ほしいだけなんだよ〜!=低コスト
・スーパーホテル:温泉+睡眠に特化。ビジネスホテルってぐっすり寝たいだけやん。他の機能を削ぎ落としてコストダウンしながら、価値をあげている =Willingness To Pay
5.非活用リソースの活用
活用の仕方が難しいため、実施においては要検討が必要。
・dポイント投資:使われてないポイントを投資へ(おもしろポイント!!)。実際のお金は損したくないけど、ポイントならまあいっか。「まずは手始めにポイントで投資しようかな」って思わせるスグレモノ =Willingness To Pay
6.需要供給の格差埋め(アービトラージ:arbitrage)
ア、アービトラージ!?
恥ずかしながら、初めて聞きました(汗)。日本語では裁定取引といって、利ザヤを取る手法のようです。ある商品が地域Aでは100円で売られている、地域Bでは200円で売られているとする。地域Aで仕入れて、地域Bで売れば100円の利ザヤとなる。こんなイメージで合ってるのかな!?間違ってたらどなたか教えて下さい!!
物事の非対称性をカネに変える手法。男ばっかりの国と女ばっかりの国があったら、2つをつなげりゃいいじゃん!(受給バランスが悪い)
我々副1000はニッチ領域のアービトラージを狙え!!
・レアジョブ:フィリピンの英語話せる学生を利用。フィリピンでは需要ないが、日本では需要ある =低コスト
・ローンディール:大企業の人材育成(イノベーションを起こしたい)+ベンチャーの地頭力高い人材確保(採用力がないから確保できない)。普通は人材育成と人材確保の需給バランスを埋めることは難しい =ニッチ
・ShowRoom:アイドルになりたいけどなれない・キャバクラは嫌だなという女の子と、まだ売れてないアイドルを応援したい人たちをマッチング =ニッチ
7.中間プロセスの排除
・メルカリ:C to Cビジネスと見るのではなく、ダイレクトで中間プロセス(リサイクル業者)を排除するイメージ =Willingness To Pay
・CrowdWorks:代理店を通さず、オフィス仕事を直接エンジニアに発注可能 =低コスト
・ライフネット:ネット販売のみに特化 =低コスト
・ビズリーチ:リクルートの牙城をこわした。リクルートの営業介さずに、直接お客にアプローチできる。ニッチである理由はリクルートの苦手な年収の高い800万以上のハイグレード層を対象にしたから。リクルートは営業(中間プロセス)を介することで利益を出そうという発想だったため、変化への対応が遅れた。元リクルートの細野さんが言っているので間違いないでしょう =ニッチ
8.アンバンドル化(unbundle)
色んなものを組み合わせことをバンドル化。特別な機能1個だけを抜き出して専門サービスを作ることをアンバンドル化という。複雑で多角化している事業を、最もキーとなる機能を抜き出してできないかな?大手は多角化してバンドル化していく。我々弱者は逆を目指せ!
・セブン銀行:ATM業務だけを抜き出す。他の銀行業務はやっていない。マネタイズが秀逸。B to Bで成立しているんだそうです。
えっ、どーゆーこと???
引き出した個人からは手数料を取らず、引き出し元の銀行から手数料をもらっている。ATMアウトソーシング事業!!「ATMやるのって大変やん。だからATMだけウチでやりまっせ!」として、他の銀行はATMを無くすことができる。1社単独でできないやつ(それぞれの会社が持っているもの)をアンバンドルして専門サービス化する。セブン銀行は決してローエンド(安さ)で戦っているわけではないので、Willingness To Pay。
・出前館:出前するの大変でしょ。出前だけうちでやるよ =Willingness To Pay
・BASE Shopifyの日本版。ECの機能だけうちでやるよ =低コスト
9.自社コストでサービス化
今回は割愛。改めて載せますね。
10.顧客にやってもらう
低コストが必須となる副1000には絶対必要な考え方。
ポイントは『単なるコスト削減ではなく、コストイノベーション+バリューイノベーションを同時にする』ということ!!
今までのレストランは仕入れ、調理、給仕全てを実施するが、客は食べるだけというビジネス。
BBQ型はここ!!作る過程に顧客が入ってきて、そこにコスト削減+付加価値+楽しみがある。
・ネスカフェアンバサダー:消耗品モデル + フリーミアムモデル。人を呼び込む仕組みを親善大使(アンバサダー)とした =Willingness To Pay
・Wantedly:無料で求人情報載せられる。顧客が求人情報の原稿を描いて、自分の色をだせるから付加価値up。リクルートはリクルート側が原稿を書くから、有料となり、企業本来の色を出しにくくなりがち =低コスト
・副1000:ニッチ領域。我々メンバーが細野さんと壁打ちしながら、講義のネタ(事業立ち上げ)を作っていく =ニッチ
11.目的の手段化
仕事では『手段の目的化』はダメと言われるが、逆ならOK!
『良いビジネスは本当の目的を手段に組み込んでしまう』とよい!!
「価値あるもの、良いものを作って売る」なんか、時代的にもう無理!良いものほど、何かのついでにやってもらう方が広がる。単独でマネタイズせずに、誰かのビジネスの手段に入れてもらうのもOK。
メンバーの誰かがビックリマンチョコ商法といっていた笑 ⬅ ネーミングセンス抜群やん(*´ω`*)
・オンライン遺書:寄付団体が立ち上げ。死を意識したときに寄付金額10倍になることを利用した凄まじいビジネスモデル。本当は寄付がほしいんだけど、サービスとしてオンライン遺書を提供。寄付をもらうための手段に変えた =Willingness To Pay
・AKB握手券:本当はCDを売りたいんだけど、握手券をもらうための手段に変えた =Willingness To Pay
・Gmail:Gmailは顧客の情報を取るための単なる手段。良いメールソフトを作って売るのとはわけが違う =低コスト
以上、11個の必殺技+事例集でした!!
(4) 競争優位
Paypal創業者のピーター・ティールの提唱する競争優位性 4要素です。
他の方が書いた記事の方がわかりやすいので、ここでは詳細は割愛します。「ピーター・ティール」で検索頂ければ、より詳しい情報に触れられると思います。
ふぅ〜、だいぶ長かったですね。いや〜、みんなすごいこと考えてますね。
細野さん曰く、『この11個の必殺技を事例集とともに抑えておく』ことが重要だそうです。大事なことはビジネスモデルを分類できることではなく、事例とともに肌感覚で知っておき、自分の組み込みたいビジネスに適応するヒントにすることですね。
おつかれさまでした〜
次回はビジネスモデル方程式 3要素の1つ 収益モデルです。
興味がある方はぜひ一緒に仲間になりましょう!
細野真悟さんの情報はコチラ↓