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1.連携と連動について
チームビルディング・ワークの本質は「連動」と「連携」にあり
チームの成否は、誰か一人の優秀さだけで決まるものではありません。
それは、一人ひとりの行動がどのように全体に影響を与え、また全体が一人ひとりをどう支えるかにかかっています。
この関係性を紐解くカギが、「連動性」と「連携性」です。
この二つが機能しないチームは、単なる人の集まりにすぎません。
一方で、これらを体感的に理解したチームは、まるで生き物のように滑らかに動き、目標を達成することができます。
この講座では、それを言葉だけでなく、実際の体験を通じて学べます。
連動性:自分が「チームの一部」である感覚
連動性とは、一人ひとりの行動がチーム全体にどのように影響を与えるかを実感する力です。
たとえば、日常生活でも似たような経験があるはずです。
「誰かが話を聞いてくれたおかげで、気持ちが軽くなった」
「一人のミスが、全体の計画に影響を与えた」
これらは連動性の具体例です。
現場でのワークを通じてこの感覚をより深く体験できるのが、「ヘリウムリング」というワークです。
皆さん全員がリングを指一本で支え、床に下ろすだけの単純な目標ですが、実際には簡単にはいきません。
一人でも動きが乱れると、リングは思いがけない方向に動き出します。
この体験を通じて、「自分の小さな行動が、全体の動きに影響を与える」という事実を体感するのです。
ここで重要なのは、連動性がただの「偶然」ではないということです。
私たち一人ひとりの行動は、無意識のうちに他者に影響を与え、他者の行動にも影響されています。
これを意識することが、連動性をチームの力に変える第一歩です。
連携性:意図的にチームが調和する力
連携性は、連動性をさらに一歩進めたものです。
連動性が「自然な影響」であるのに対し、連携性は「意図的な調和」です。
連動性を理解した上で、チームが全体として効率的に目標を達成するために必要な役割分担や調整を行います。
「蜘蛛の巣」というワークでは、この連携性を学ぶ絶好の機会があります。
一人ひとりがネット状の穴を通り抜ける必要があるこの課題では、チーム全員が「誰がどの穴を通るのか」「誰がサポート役に回るのか」を話し合いながら進めなければなりません。
一人の判断ミスが全体の進行を止める可能性があるため、チーム全員が「どうすれば全員で成功できるか」を考え、調整し合うのです。
このプロセスを通じて、参加者は次のことを学びます。
「連携は他者に合わせるだけではない。自分の意見や力をどのように提供すれば、チームが最大限に力を発揮できるのかを考えることだ」と。
この学びは、実際の現場でチームを成功に導くための実践的なスキルとなります。
連動性と連携性が生むもの
「連動性」と「連携性」は単独では成り立ちません。
連動性がなければ、個々の行動がバラバラになり、全体がまとまりを欠きます。
一方で、連携性がなければ、連動性が生み出す力を適切に活用できません。
これらが相互に作用することで、チームはただの集団ではなく、目標を共有する協働体へと進化します。
たとえば、「キーパンチ」というワークでは、一人の行動が次の人の動きに影響する連動性と、全員が最速で課題を達成するために役割を分担する連携性が同時に求められます。
この二つが同時に機能することで、チームは効率的に課題を達成し、強い一体感を得ることができます。
あなたのチームが変わる瞬間
この講座を通じて僕が伝えたいのは、「道具の使い方を学ぶと応用範囲が広げることができること」です。
フラフープを使ったシンプルな遊びで、今、職場で起きていることや、無自覚なままになっている集団の課題をこの場で再現できるのです。
連動性と連携性を体感し、自分自身の行動がチームにどう影響を与えるかを実感することができると、ワークの見え方が変わります。
ワークのメカニズムやダイナミクス、構造を理解できるようになると、職場や日常生活で「アクティビティ」を設計できるようになります。
あなたが今いるチームで、「連動性」と「連携性」はどのように機能していますか?
もしそれがうまくいっていないとしたら、何が変わればいいのでしょうか?
そのヒントが、この講座で見つかるはずです。
ぜひ、体験しにきてください。