長尾彰/Akira Nagao

組織開発ファシリテーター/株式会社ナガオ考務店/一般社団法人戦災復興支援センター/学校法人茂来学園しなのイエナプランスクール 大日向小学校・中学校/一般社団法人アカデミーキャンプ/著作「宇宙兄弟 完璧なリーダーは、もういらない。」「今いる仲間でうまくいく 宇宙兄弟 チームの話 」

長尾彰/Akira Nagao

組織開発ファシリテーター/株式会社ナガオ考務店/一般社団法人戦災復興支援センター/学校法人茂来学園しなのイエナプランスクール 大日向小学校・中学校/一般社団法人アカデミーキャンプ/著作「宇宙兄弟 完璧なリーダーは、もういらない。」「今いる仲間でうまくいく 宇宙兄弟 チームの話 」

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物語が「世界」をつくる 後編

「メタ認知」と物語の魔法 「自分の見ている世界って、誰かの見ている世界と同じだろうか?」 朝の電車で誰かに肩をぶつけられたとき、あなたはどう感じますか? 「なんて失礼な!」とムッとするかもしれません。一方で、その相手は「急いでいて本当に焦っていた」かもしれない。 さらに、周りで見ていた人たちは「朝から険悪な空気だな」と思っているかもしれません。 ケネス・ガーゲンさんはこんな言葉を残しています。 「現実は関係から生まれる」 つまり、世界というものは、あなた一人の視点では

    • 物語が「世界」をつくる 前編

      物語ることで世界を紡ぐ 「世界って何だろう?」ふとそんな問いが浮かぶことがあります。 目の前に広がる景色、日々出会う人々、耳に飛び込んでくるニュース。 これらが「そのまま」の世界だと思っているなら、ちょっと立ち止まって考えてみてください。 もしかしたら、その「世界」は、あなた自身の頭の中で編まれた物語の一部かもしれません。 社会構成主義の研究者、ケネス・ガーゲンさんはこう語ります。 「私たちの現実は、関係性の中で構築される」と。 つまり、私たちの見る「世界」は、絶対的

      • ファシリテーター型リーダシップ研修の事前課題

        「ファシリテーター型リーダーシップ研修」に出席される皆様へ。 研修を始める前に、少し長いですが下記の文章を読んでいただき、考え方や視点について理解・共有した上で研修を始めたいと思います。 事前課題という形式で事務局から連絡が届いているかと思いますが、感想やレポートなどの提出義務はありません。 なぜファシリテーター型リーダーシップが必要なのか  目標達成や問題解決のプロセスにある程度の正解があって、社内外の先行きが見通しやすい社会環境に置かれるリーダーに求められたのは、明確

        • 【満員御礼】仲山&長尾チームビルディングプログラム@リアル(TBP@Real)第8期を開催します

          ※10月30日15時現在、定員に達しましたので募集受付を終了しました。 仲山進也・長尾彰による対面集合型の「チームビルディングプログラム@【リアル】」第8期を開催します。  このプログラムは、「チームワークが機能している集団」をつくるために必要な考え方を体験と対話を通じて学ぶ実践プログラムです。  2007年に「楽天大学チームビルディングプログラム」としてスタートし、2018年からは一般公開で実施、これまでに28期で500名近くの方が参加してくれています(リアル版のみの数

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        •  Ukraine days, ABW
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        • ウクライナでの活動報告
          7本
        • いろいろ
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        • これは公開してもいいかな、と思っている考えかけのネタ
          7本
        • 遺跡みたいに発掘される過去の記憶
          1本
        • 質問に答えるコーナー
          9本

        記事

          「チームビルディング」へのよくある誤解

          よくある誤解: チームビルディングは一度のイベントで完結する 誤解の原因: 研修や合宿を行えば、それでチームが「完成」するという誤解があります。短期的なイベントに期待を寄せすぎ、その後のプロセスが見落とされがちです。 こんな風に考えてみるのはどうでしょう: チームビルディングはイベントではなく、プロセスです。一度の研修ではなく、日常の業務の中で関係性を築くことこそが真のチームビルディングです。定期的な振り返りや、毎日のコミュニケーションの質を高めるための対話の場を設けましょう

          「チームビルディング」へのよくある誤解

          第1話 2011年、YAとの出会い

           2011年3月11日、東日本大震災が発生し、僕の人生も大きく変わりました。  震災の被害を目の当たりにしながら、自分に何ができるかを考え、プロジェクト結コンソーシアムを立ち上げ、復旧・復興活動を続けていました。  そんな中、ヤングアメリカンズ(以下YA)から「東北でワークショップをしたい」との申し出を受けました。  突然の話でしたが、「ぜひやりましょう」とすぐに返事をしました。それまで僕とYAには何のつながりもなく、東北の被災地でワークショップを開催するのは初めての経験でし

          第1話 2011年、YAとの出会い

          新しい冒険の始まり

          ご縁をいただいてThe Young Americans(ヤングアメリカンズ、以下YA)の日本法人の共同代表者になりました。 YAは1962年にアメリカで設立された非営利団体で、音楽とパフォーマンスを通じて若者たちに自己表現と自信を育む機会を提供しています。 CEOはLA在住の元YAキャスト、松本英莉さんで僕はFounderという立場です。 2006年から2020年まで、NPO法人じぶん未来クラブのご尽力によりツアーを開催してきました。 パンデミック以降、この4年間

          新しい冒険の始まり

          Dear YAs.

          On March 11, 2011, a massive earthquake and tsunami struck the Tohoku region of Japan, followed by a severe nuclear power plant accident. The disaster claimed 19,975 lives, and even now, 2,550 people remain missing. Towards the end of Marc

          チームワークのチェックリスト40(ver1.1)

          【共通の目標の明確化と共有】 1. チーム全員が目的と目標を理解し、共有していますか? 2. 目的に対する振り返り(リフレクション)と見直しの機会を設けていますか? 3. 目標の進捗を定期的に確認していますか? 【役割の柔軟な再設定】 4. 各メンバーの役割は、状況に応じて柔軟に再設定されていますか? 5. 役割の見直しを定期的に行っていますか? 6. 各メンバーは自分の役割を明確に理解していますか? 【コミュニケーションの質の向上】 7. オープンなコ

          チームワークのチェックリスト40(ver1.1)

          心理的安全性の誤解と理解

          エドモンドソンの「心理的安全性(Psychological Safety)」は、組織内でメンバーが自由に意見を述べたり、質問をしたり、失敗を認めたりできる環境を指します。しかし、この概念にはしばしば誤解が伴います。 よくある誤解と本来の理解を対比させて説明します。 誤解1: 心理的安全性は「快適な環境」を意味する 心理的安全性がある環境とは、常に快適でストレスのない場所である。 本当は… 心理的安全性は、メンバーがリスクを取ったり、不確実性に直面したりすることができる環

          心理的安全性の誤解と理解

          T社の皆さんへ

          僕のよくわからない講演のあとに、感想と質問を寄せてくださってありがとうございます。 寄せられた質問に回答します。 Q1.組織開発ファシリテーターになられた経緯が知りたいです。 A1.ひとことで言いますと、成り行きです。もしくは、137億年前にビッグバンが起きたから、です。(すみません大袈裟でした) 詳細はこちらをご覧いただければと! Q2.長尾先生はどんな子供時代を過ごされていましたか?小学校~中学校は特に、「団結」や「集団行動」を求められる機会が多いと思います。チーム

          社会構成的リーダーシップ

          リーダーシップは、他者が自然と協力したくなるような影響を生み出す、行為と態度のこと。 社会構成的リーダーシップは、リーダーシップを固定された個人の能力ではなく、集団内の相互作用から生まれるものとして捉える考え方。 特徴は5つ。 1.共創的であること リーダーシップは、リーダーとメンバーの関係性の中で生まれる。互いに影響を与え合いながら、共に目標を創り上げる。 2.意思疎通を重視する 対話を通じて、共通の理解や目標を形成する。全員が自由に意見を出し合い、すり合わせる過程が

          社会構成的リーダーシップ

          「チーム」にならないとできない仕事・作業

          【フォーミングのままで達成可能な仕事・作業】 フォーミングは、チームが初めて集まり、お互いを知る段階です。この段階で達成可能な仕事や作業は、比較的シンプルで、明確な指示があれば進められるものが多いです。 具体例 データ入力 決められたフォーマットに従ってデータを入力する作業。単純で明確な指示があれば進められます。 製品のパッキング 製品を包装し、梱包する作業。手順が明確で、特別な調整が必要ありません。 簡単なリサーチ インターネットで特定の情報を検索し、レポー

          「チーム」にならないとできない仕事・作業

          振り返りの問い50

          チームビルディング・アクティビティ後の振り返り(リフレクション)に適した問いを、以下の5つの視点で類型化し、それぞれ10個ずつ挙げます。 視点1. 経験の振り返り 目的: アクティビティの具体的な経験を思い出し、共通の理解を深める。 今日のアクティビティで最も印象に残った出来事は何ですか? アクティビティの中で最も楽しかった瞬間はどこですか? チームメンバーとのコミュニケーションで新たに気づいたことは何ですか? どの部分が最もチャレンジングでしたか? アクティビ

          振り返りの問い50

          マネジメントとファシリテーション

          マネジメント マネジメントは、組織の目標を達成するために資源(リソース)を効果的に最適化することです。 たとえば、製造工場のマネージャーが生産計画を立案し、原材料や人員を最適に配置して生産効率を上げる姿を思い浮かべてください。 ここで重要なのは、計画通りに物事を進め、結果を出すことです。 ファシリテーション ファシリテーションは、集団が効果的に協働できるように手伝うことです。 想像してみてください。ある会合で、異なる意見を持つ参加者たちが議論を重ねています。ファシ

          マネジメントとファシリテーション

          ファシリテーターシップについて

          こんにちは。この記事に目を留めてくださってありがとうございます。 今日は、少し耳慣れないかもしれませんが、「ファシリテーターシップ」について話します。 あなたにもきっとこんな経験があると思います。 会議が進まない。 チームの意見がまとまらない。 思うように集団で成果を挙げられない。 そんな時に助けになるのが、ファシリテーターシップという考え方です。 ファシリテーターシップとは何か。 一言で言えば、「より良い関係を築き、共通の目的や目標を達成するためのアプローチ」です。

          ファシリテーターシップについて