チャリティアルバム「Keep Going!」
このアルバムはチャリティアルバムです。制作経費を除いたすべての収益は、一般社団法人 戦災復興支援センター(WDRAC)に寄付され、戦禍に苦しむ人たちのために使用されます。
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「Keep Going!」は、Spotify、Apple Music、iTunes Store、LINE MUSIC、Amazon Music Unlimitedなどの音楽配信サービスで聴くことができます。
『Keep Going!』
1: Across the Ocean 〜For Patricia〜 (feat. 羽深 友則)
2: Oleg
3: Keep Going
4: Simon
5: 冬の日に
6: 繋がれ心 (feat. 羽深 友則)
7: 杜のうた
8: 愛がある (feat. 佐藤 コバヤシ)
9: Change everything with love
きっかけは2022年の春でした。
太宰文緒さんと、ウクライナへの武力侵攻で支援活動をする友人たちのために、私たちは何ができるのか話し合いました。太宰さんは非常勤で音楽教師を務める傍ら、ミュージシャンとして活動していて、僕はWDRACのラジオのジングルを作曲・演奏してもらいました。
2022年の秋、長野県佐久穂町で太宰さんをリーダーにチャリティイベントを実施。
アマチュアであろうとプロであろうと、気持ちを込めた音とメッセージは国境を越えることを実感しました。
こうしてチャリティアルバムを制作することを決め、2023年3月からプロジェクトが始まりました。
プロデューサーに佐藤コバヤシさんを迎え、2023年の年末にレコーディング。
8名のサポートミュージシャンたちと演奏を重ね、マスタリング(音源を調整し楽曲として世の中に発信するための作業)を終えました。
アルバムのアートワークは徳永健さんに依頼、想いが込められた素敵なジャケットが出来上がりました。
きれいごとを言ったって戦争は終わらないし、どれだけ歌っても死んだ人が帰ってくるわけではありません。
そんなのわかってる。
でも、歌は、音楽は生きている私たちの心に響きます。
アンサングヒーロー(歌に詠われることもなく、讃えられることもない英雄たち)の存在を、忘れてはいけません。
歌にして、曲にして、私たちが歌い、響きあうことで彼らを讃えたいと思います。
世界中のアンサングヒーローたちが、戦争で苦しむ人たちが、「私に何ができるだろうか」と悩む人たちが、このアルバムを通じて少しでも癒され励まされますように。
楽曲紹介
1: Across the Ocean 〜For Patricia〜 (feat. 羽深 友則)
嵐で海岸に打ち上げられたおびただしい数のヒトデを、一つずつ海に帰す少年。
そしてルーマニアのクルージューナポカで難民のための物資を集めたり、滞在場所を探したり、生活の基盤を作る活動をされているパトリッチア・クドーさん。
どちらも果てしない作業を目の前にして、あきらめることなく、一つ一つの生命に対して限りない愛情が注がれています。
そんな二人の姿、そして言葉を歌にしてみました。
Thousand of starfish
Miles on the beach
Throwing a starfish
Gently back into the ocean
And he smiled and said it made a difference to this one
She's with a nice smile
Always tender
Giving a healing space
With peace and joy
and goes anywhere to find shelters for hundreds of
those in need
She said: "We will be staying strong
We're gonna find our way to help."
We won't stop We keep going
*Change with love
Everything with love
Change with love
Everything with love with love, with love
(対訳)
幾千ものヒトデが
何マイル先までも続いている
ヒトデを1つずつ海に返す少年は笑顔でこう言った
「こいつにとっては意味があるのさ。」
彼女 (Patricia) の笑顔はとても素敵
いつも優しさに溢れている
彼女は(難民のために)憩いの場所を提供する
そこは平和と喜びに溢れた場所
住む場所を必要としているたくさんの人のために
彼女はありとあらゆるところに探しに出かける
彼女は言う
「私たちは強くあらねばならない。
私たちは人々を助ける方法を探してゆく。
立ち止まりはしない。続けていくわ。」
愛で変えよう全てを愛で変えよう 全てを愛で 愛で
作詞・作曲:太宰文緒
対訳:Shuka El Aidouni-Yamaguchi, 渡邊 千晶
2:Oleg (Instrumental)
キーウ在住のウクライナ人。自らも厳しい環境の中、キーウ市内の病院、高齢者や子供を抱える女性などへ食糧や医薬品などの物資を届ける活動をされています。元々は車のエンジニアで日本車が大好きという親日家のオレッグさん。
空襲警報が鳴る中、彼は車を走らせます。
「今日もどうか無事に物資が届きますように…。」という願いを込めて。
作曲:太宰文緒
3.Keep Going! (Instrumental)
WDRAC Radio 「Keep Going!」に登場するあきらとゆうぞう。
この二人の会話は時に奔放でありながら、胸を打つ内容であります。
いつも元気をもらうこのRadio 番組に感謝の念を込めて。
作曲:太宰文緒
4.Simon (Instrumental)
侵攻直後より単身メディカに渡り現地で支援活動を行なっているイギリス人。ウクライナとは何の縁もなかったそうですが、「何かできることがあるはずだ」と片道2,000キロを運転してメディカに乗り込んだそうです。救援物資を運ぶための倉庫を作ったりボランティアの人が宿泊する施設を作ったりと、その活動は多岐にわたります。
この行動力が示す通り、とてもパワフルで頼りになる存在。
大きな巨体に潜む限りない優しさ、そしてユーモアも忘れないサイモンさんをイメージしています。
作曲:太宰文緒
5.冬の日に (Instrumental)
冬の空は透明で、美しい。
空は地球上のどの大地にも、そしてどの宇宙にも繋がっています。
終わらない戦争。
冬の寒さは時に静かに、時に荒々しく行み、繰り返される殺戮と共に人々を呑みこんでいきます。
作曲:太宰文緒
6.繋がれ心 (feat. 羽深 友則)
侵攻直後に書いた曲。
苦しさから吐き出すように曲を書きました。
塞がれた闇に 大いなる悲しみと怒りが押し寄せる
狂った時計 歪んだ時の中で 街は消えゆく
昨日の景色はどこ、風の歌はどこ
街の灯はどこ、人よ森よ空よ
この闇の中に呑まれて 堕ちる
この闇の中に呑まれて 漂う
この闇の中に 叫んで 消える
繋がれ人よ 繋がれ心
どんなに離れていても繋がれ心
塞がれた闇に大いなる悲しみと 怒りが押し寄せる
歪んだ時に 迷い込んだのなら 耳を済ませよう
たとえ答えのない道が続いても
探し続けよう 何ができるのか
私を呼び覚ます 狂った声
私を呼び覚ます 消えゆく声
こだまする無数の声 安らぎを求めて
繋がれ人よ 繋がれ心
どこに住んでいても繋がれ心
今日も昨日も明日も明後日も
こだまする無数の声 耳を澄ませよう
求めるものは、きっと同じ繋がれ心
(対訳)
Connected hearts
(Tsunagare Kokoro / English translation)
Great sadness and anger rush into the blocked darkness
The city disappears into the mad clock and distorted time
Where did the scenery from yesterday go?
Where is the song of the wind?
Where are the city lights? People, forest, sky...
I was swallowed and fallen into this darkness
I was swallowed and drifted into this darkness
I screamed and disappeared into this darkness
Connect people, connect our hearts
No matter how far apart we are, our hearts are connected
Great sadness and anger rush into the blocked darkness
If you get lost in a distorted time, listen carefully
Let's keep looking for what we can do even if the road continues to have no answers.
A crazy voice that awakens me
A fading voice that awakens me
Countless echoing voices of seeking peace
Connect people, connect our hearts
Connect our hearts no matter where we live
Let's listen to the countless voices echoing
today, yesterday, tomorrow, and the day after tomorrow
What we are looking for is surely the same,
our hearts are connected
作詞・作曲:太宰文緒
対訳:Shuka El Aidouni-Yamaguchi, 渡邊 千晶
7.杜のうた (Instrumental)
杜に春がやってきます。ケーナの調べが風を、光を、鳥の声を歌い上げます。
作曲:太宰文緒
8.愛がある (feat. 佐藤 コバヤシ)
あきらさんとの初めての共作。私たちに何ができるのか?この頭を悩ます厄介な問いに、あきらさんの詞は私たちを優しく包み、そっと背中を押してくれます。
困っている人
弱っている人
悩んでいる人
苦しんでいる人
私にできることがある
私には愛がある
傷ついている人
戸感っている人
怖がっている人
ふさぎこんでいる人
あなたにできることがある
あなたには愛がある
家を失くした人
親を亡くした人
子どもを亡くした人
友達を亡くした人
私たちにできることがある
私たちには愛がある
(対訳)
There is love
A person who needs help
A person who is weakened
A person who is in trouble
A person who is suffering
There is something I can do
Because I have love
A person who is hurt
A person who is confused
A person who is scared of something
A person who is depressed
There is something you can do
Because you have love
A person who lost home
A person who lost parents
A person who lost children
A person who lost friends
There is something we can do
Because we have love
作詞:長尾彰
作曲:太宰文緒
対訳:Shuka El Aidouni-Yamaguchi, 渡邊 千晶
9.Change everything with love (Instrumental)
私たちは一人じゃない。一人一人の力が合わされば大きなエネルギーになります。
もしできるのなら、希望を生み出したい。この曲もその小さな一歩となりますように。
作曲:太宰文緒
追記
Q1.なぜチャリティアルバムを制作したのか?
A1.自然災害・戦争災害に関わらず、世界各地に困っている人がいて自分ができることがあるので行動しました。
https://note.com/akiranagao/n/n642b8a67168b
https://note.com/akiranagao/n/n166041b2c4c8
一般社団法人戦災復興支援センターを設立後、「支援者を支援すること」を目的に活動しています。
私は出版事業も営んでいます。
寄付を募るために自分ができることがもっとあるだろうと思い、太宰さん(作詞作曲演奏)・佐藤さん(プロデューサー)と相談し、音楽アルバムを制作することを通じて寄付することにしました。
アルバム制作にかかる費用をそのままWDRACに寄付するという考えもありましたが、長野県佐久穂町で実際に音楽イベントを実施してみると、「形にしてみんなの手元に届けられるモノ」が必要だと思うようになりました。
「ヒトデと少年」の寓話にあるように、パトリチア、オレグ、サイモンが僕を海に戻してくれました。今度は、僕が彼らを海に戻す番です。
Q2.売上の何%を寄付するのか?
A2.CD販売は半期ごとに計算し、損益分岐点までは売上の18%(540円/枚・税抜)を、以降は売上の88%(2,640円/枚・税抜)を寄付します。
配信サービスは毎月計算し、損益分岐点までは売上の50%を、以降は売上の98%を寄付します。
今回は42の配信サービスを利用しています。
1曲1再生あたり0.4円が平均収益です。
今回のアルバム制作には312万円の実費がかかりました。
スタジオレンタル・トラックダウン・CDのプレス・ジャケットデザイン・ミュージシャンへの支払い・販売チャネルの準備が主な費用です。
Q3.寄付金は今後、どのように遣われるのか?
A3.WDRACを通じて世界中のアンサングヒーローたちに直接届けます。
無名で讃えられることもなく、メディアに取り上げることもSNSでインフルエンスすることもない市井のボランティアたちが戦災復興するための原資として使っていきます。