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【往復書簡】迷惑と邪魔の違い

前田さん、こんにちは長尾です。
唐突に始まった僕らの往復書簡ですが、何事によらず物事というのは唐突に始まるものです。
そして僕はついつい余計なことをたくさん書いてしまうので、できるだけ簡潔に行きたいと思います。

前田さんからこんな問いをいただきました。
ごちそうさまです。

「一つのプロジェクトを進めていくにあたり、誰もが他者に迷惑をかけないよう、自分の領分を完璧に守るというスタイル。
他者の領分に手を出しにいく(自分の領分を出る)ことで、他者を助けにいく(自分も助けてもらう)というスタイル。いったいどちらがいいんでしょう?」
他人に迷惑をかけないで、チームで仕事をしたい?

僕の結論です。
1.フォーミングの時期は自分の領分を出ずに他者の領分をうかがう
2.ストーミングの時期は自分の領分を出て他者の領分に手を出す
3.ノーミングの時期はお互いの領分を手放す
4.どのステージであれ、「迷惑」はかけてもいいけど「邪魔」をしない

フォーミング・ストーミング・ノーミングについては拙著「宇宙兄弟 『完璧なリーダー』は、もういらない。」 より下記を。

迷惑なこと、は社会的な規範によってかたちづくられるのではなく、2人の(あるいはその組織の)価値観や関係性によってかたちづくられると思います。
フォーミングな関係では「迷惑なこと」が、ストーミングな関係では物事をうまく進めるための「愉快なこと」になったりするように。

「迷惑」が「愉快」に変化していくために、僕はこんなことに気を配っています。

◎お互いに迷惑をかけあいながらそれぞれの長所短所強み弱みを補完・強化しながら助け合う関係性を育むこと
◎お互いに譲れない領分やこだわっていることがあるとするなら、それが何かをわかりあおうとすること
◎支配的・操作的・権威的なコミュニケーションに頼らず、「賢者」を気取らないこと
◎相手の言動や発言、態度や選ぶ言葉に背景や理由や文脈を想像すること
◎「ありがとう」「ごめんね」を言葉と表情と態度で伝えること


僕の娘たちにはこんなことを伝えています。
「人はお互いに迷惑をかけあうのだからお互いさま。でも、人の邪魔をしてはいけないし、人から邪魔されないようにしよう。」


それでは、前田さんに質問です。
「議論」と「対話」って、どんな風に使い分けていますか?


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