群発頭痛の特徴
頭痛が、いったん起こり始めると1~2ヵ月間の間、連日のように群発するのが特徴です。ちょうど「群発地震」のような起こり方です。
発症年齢は20-40歳台
男性に多いタイプの頭痛です。
片頭痛は女性に多い頭痛です。群発頭痛は「男性専科の頭痛」といえます。
群発期は年に1~2回、あるいは2~3年に1回にあらわれます。その期間が過ぎれば、まったく頭痛は起こりません。
頭痛の頻度は:
1日1回です(隔日~1日8回の幅で起こります)。1回の頭痛は1時間程度で自然に治ります(15分~3時間の幅で起こります)。
片方の眼、眼の上、こめかみのあたりの「えぐられるような」激しい頭痛です。
頭痛の強さは:
頭をかかえてころげまわるほどの強さです。大げさではなく、患者さんはじっとしていられないのです。 片頭痛は逆に身動きがとれません。「(頭痛が)ひどいときは頭をハンマーで叩き血だらけになった事も何度かありました」睡眠中に起こりやすい頭痛です。明け方の痛みで目をさますことが少なくありません。
発作中、頭痛の側の眼が充血したり、涙が出たり、鼻が詰まったり、鼻汁が出たり、顔に汗をかいたり、まぶたがさがったり脹れたりすることがあります。
片頭痛と違って吐き気や嘔吐はあまりありません。
10万人当たり56ー401人(片頭痛は7056人)
アルコール、ヒスタミン、ニトログリセリンで誘発されます。
大酒家、ヘビースモーカーが多い。
遺伝的因子も言われ家族内には5-18倍なりやすい。
群発頭痛の家族には5%に家族歴がある。
原因として考えられているものは
視床下部に調節機能がある
PETで視床下部後部に活性化がある。三叉神経の活性化との関連
群発頭痛発作の最中に頚動脈のCGRP、VIP増加が確認され酸素、イミグラン注射によりCGRP(三叉神経との関連が判明した三叉神経から放出されるペプチド)減少が確認された。内頚動脈周囲に原因を求める
内頚動脈の拡張が静脈うっ血を起こすとする。
群発頭痛の診断基準(国際頭痛学会)
1.群発頭痛(Cluster headache)
A. B-Cを満たす頭痛が5回以上
B. 未治療で15~180分続く一側の眼窩部、眼上部、側頭部の高度頭痛
C. 頭痛側に頭痛発作中に次のうちの1項目以上がある
結膜充血
流涙
鼻閉
鼻汁漏
前頭部、顔面の発汗
縮瞳
眼瞼下垂
眼瞼浮腫
D. 頭痛発作頻度:2日に1回~1日8回
E. 器質疾患が否定できる
群発型頭痛の治療
■ 群発頭痛の発作時治療法
酸素吸入
7リットルの酸素を15-20分吸わせる。有効率は7割
酸素による血管収縮作用とCGRP(発痛物質)の減少効果
スマトリプタンの皮下注射 通常は3mg、最大6mg可能(保険適応)
15分での有効率は74%
経口ゾーミックでも有効(保険適応外)
エルゴタミン製剤
余り有効ではない
鎮痛剤、麻薬
余り有効ではない
睡眠を規則正しく
昼寝を避ける
アルコールを避ける
■ 群発頭痛の予防法(全て保険適用外)
ワソラン 240mg-360mgくらい(推奨B)
ミグシス、テラナス(推奨C)
エルゴタミン 2-3週間毎日夕方内服(推奨C)
副腎皮質ステロイド 40-60mg/1日(推奨C)
リーマス 1日 600-900mg(推奨C)
デパケン 600-1200mg(推奨C)
神経ブロック(保険診療)
ガンマナイフ治療(自由診療)
ボトックス著効例あり(自由診療)