操船訓練日誌vol.7
千葉県夷隅市にある房総マリーナ。今回は、こちらのマリーナで水上バイクのライディングスクールを受講してきた。というのも、ヤマハシースタイルで水上バイクを借りる際は、必ず1度はこのスクールを受ける必要があるからだ。料金は一律16,500円。
この房総マリーナは年中無休(不定休)で営業されており、平日休みの自分でも予定を合わせやすいのが嬉しい。また、大田区在住の自分からすれば、比較的行きやすい距離にある。
川崎からアクアラインに乗り木更津へ渡り、そのまま房総半島を横断するように夷隅市へ。途中、山間で雨に降られ、バイクのヘルメットをフルフェイスにすればよかったと後悔。しばし天然のシャワー(ほぼ弾丸)を浴びながら走り、やっとの思いでホテルに到着。そう、スクールは朝9時からとスタートが少し早いので、前日の夜に前乗りすることにしたのである。
独身ならではの自由さである。独身万歳。
コンテナ型ホテルはとても快適。近所のイタリアンレストランでビールを飲み、美味しいパスタを食べ、旅の疲れを癒す。あまり深酒はせず、ほろ酔いくらいでホテルに帰り、翌朝のために早めに就寝。
翌日、時間通りに朝9時に房総マリーナへ。事務所のドアを開けると、社長ご夫妻、娘さんが優しく出迎えてくれた。マリーナの事務所は、ウッド調でカントリーなロッジを思わせる内装で、とてもお洒落だ。天井まで高く伸びたサボテンが目を引く。
スクールは合計で3時間実施される。まずは、座学を1時間。その後、実技を2時間という形である。なんと今回は、河野社長が自ら教鞭を振るい、マンツーマンで一から水上バイクについて教えてくれるようだ。なんともありがたい。
房総マリーナは、夷隅川の河口付近に位置しており、川を下ればすぐ目の前に太平洋が広がっている。この日は雨が降っており、海も少し荒れていたため、スクールは川の中のみで実施することになった。残念、海に出てみたい気持ちもあったが、安全第一だから仕方がない。また次回の楽しみにとっておこう。
基本的な操船方法から始まり、徐々にジェットに体を慣らしていく。ブイを使った大回り、小回りの練習、シフトを駆使した離着岸のコツ、河川走行時に気をつけること等、多岐にわたって様々教えてくれた。
その中でも、特に為になったことが2つある。
まず一つ目は、高速で走っているジェットから勢いよく飛び降り、惰力で前に進んだジェットまで落水地点から泳いでいく練習だ。ジェットを運転している最中、思わぬタイミングで落水するかもしれない。それが高速走行中の落水だったらひとたまりもない。その状況を事前にシミュレーションし、対処方法を覚えるのが目的だ。落水時には結構な衝撃が体にかかるし、何よりもいきなり水中に落ちるとパニックに陥りかねない。ライフジャケットを着ているから溺れたりはしないが、その状態でジェットのある場所まで泳ぐのはなかなか大変である。実際の海には波もあるし、この状況になったらかなり焦るだろう。この練習はやっておいてよかったと思う。
そして二つ目は、転覆したジェットを引き起こす練習だ。浅瀬にジェットを停め、社長が勢いよく引き倒すと、簡単に転覆してしまった。元々、転覆することを前提に設計がされているようだが、実際にその様子を見ると驚く。教えてもらった通り、ジェットインテークに右手をかけ、ガンネルを踏み、体重をかけながら勢いよく起こす。無事に成功。体が重たくてよかったと思う瞬間である。万が一、沖の方で転覆してしまった場合、引き起こす方法を知らなければ絶体絶命だ。ジェットを転覆したままにしておくと、いずれエンジンが水没してしまうし、こうして事前に練習する機会を得られて本当にありがたい。大切なジェットを転覆させてまで生徒に教えてくれるなんて、房総マリーナのスクールが人気たる所以はこういう部分なのだろう。
あっという間の3時間。おかげさまで、無事にスクールを修了できた。河野社長のトークが面白く、終始楽しく学ぶことができた。これまで出会った海のプロたちは、総じておおらかだが、河野社長も例外ではない。まさに、太平洋のような広い心で、自分のような若造を導いてくれる。自分もいつかそうなりたいし、なるために努力をしていきたい。
さて、これにて全国のマリーナでジェットをレンタルすることが可能となった。まもなく待ちに待ったGWだが、なんと今年は、沖縄でジェットに乗ることが確定している。今から楽しみで仕方ない。
房総マリーナのみなさん、雨の中、大変お世話になりました。次回は晴れた日に、海に出たいです。今後とも末長くよろしくお願いいたします。