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第3回 ヤナーチェク ピアノ作品集

チェコ音楽のレコード紹介シリーズ第3回めです。みなさん今年もよろしくお願い致します。
ドヴォルジャーク、スメタナときたらやっぱり次はヤナーチェク。今回自分的には珍しいレコードを入手しました。ラドスラフ・クヴァピルのピアノで、「主題と変奏(ズデンカ変奏曲)」「ピアノ・ソナタ“1905年10月1日”街頭にて」「三つのモラヴィア舞曲」「回想」「霧の中で」が収められたレコード。「ヤナーチェック室内楽選集4」と記載があり、シリーズものらしい。1974年ごろの日本ビクター盤でチェコ・パントン社の音源だ。解説は佐川吉男さん。私がレコードを買っていた若い頃にはすでに廃盤になっていたと思われ、この録音の存在は知らなかった。
珍しいのは「ズデンカ変奏曲」「三つのモラヴィア舞曲」「回想」だ。多くのピアニストがたいてい録音するのは、ここにもある「ピアノ・ソナタ…」「霧の中で」と「草陰の小径にて」の3曲で、前述の曲らは珍しい録音だ。
クヴァピルはブルノの出身でヤナーチェクへの思い入れは強かったと思う。こうした選曲もその表れと思う。でもこのレコードを聴く限りそれらはとても控えめに表出されていて、とても品の良い仕上がりになっている。
表記が「ヤナーチェック」となっているし、ピアノ・ソナタの副題に「街頭の悲劇」とあったり、一般的には「思い出」と訳される曲が「回想」となったりしているのも時代なのか面白い。
ヤナーチェクはなんといっても重要な作品群はオペラだと思うが、ピアノ曲もより内面が吐露されるような作品となっていて心に沁みる。(2024年1月12日・Musica Panenka facebook 投稿)

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