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"手"塩にかけたものを、気持ちよく"手"放すこと

人は執着する生き物

なかなか、手放せない

ここで言う「手放す」は
「捨てる」とは違う

ものに対しても、ことに対しても

手離れの良い仕事、の
自分から離れていく様は、
ニュアンスとして近いだろう

きっと、離れていったなにがしには
手の温もりが残っているはず

いつでも思い出せる

今生の別というわけでも無いはずだけど
手塩にかければかけたほど
思いの断絶を感じるのだろう

別れがあれば、出会いもある

春はそんな季節だった

日中の日差しの熱さと、
まだ鈴虫も鳴かない静けさの夜

その表裏一体の季節感が
侘しさなのかなと理解している

手放すことへの寂しさの強さで
何かに取り組む姿勢の真剣さが伺える

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