謎の部活、科学部
私は中学校時代、科学部に所属していた。
部員は同期は自分含め6人。途中でやめた奴も、途中から入ってきた奴もいる。
先輩は、来たりこなかったりで人数は把握していない。一つ下の後輩は最終的には1人だった。
何をしていた部活なのか、と言われると説明はできない。活動頻度も週1から週4くらいだった。
科学部だし、実験をしてるんでしょ、と思われがちだが、2年生の頃から顧問になった先生は子持ちですぐ帰ることから、先生のいない状態で実験なんてできるわけもなく、理科室という場所が与えられただけの集団だった。
1年生の頃の先生も最初と最後にしかこなかったし、まともな実験をした記憶は一度や二度くらいだ。
しかし、部員は濃かった。最初から最後まで在籍していたのは自分ともう一人だけだが、そのもう一人も別に部活にはこなかった。
段々と、不登校だったり不登校気味の子が入ってくる部活だった。
不登校の子も部活だけ来たりしていた。
あの部活は、間違いなく楽しかったし、運動経験がなく今でも運動音痴なこと以外は後悔していない。
先生がいない理科室は、とても自由な場だった。
クエン酸を舐めたり、しりとりを永遠としていたり、黒板に絵を描いたり、アニメでしかみないような自由度だった。
運動不足だからと、筋トレもしたし、ギリシャ神話に造詣が深い部員から神話についてたくさん聞いたりした。
ただただ制服からジャージに着替えるのがめんどくさく、なんとなく入った部活だったが、何か身になっていると信じたい。
ちなみに今は地元の科学館で発表をするくらいなんかでかくなってるらしい。もしかしたらあのだらけきった部活はもうないのかもしれない。
汗水垂らす青春じゃなくたって、楽しければいいよね。
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