『Inscryption』クリア後雑感
★本記事の内容は完全ネタバレであり、最高のゲーム体験をぶち壊す可能性があります。
本人およびクリア済プレイヤーが読んでニヤニヤすることを意図しており、未プレイ者の閲覧は基本オススメしません。
君の目で確かみてみろ!
※当記事における「クリアした」は「エンドロールを見るまでプレイした」状態を指します。
はじめに
Twitterタイムライン上の信頼できるオタクたちが、ここのところ急に『Inscryption』『Inscryption』と騒ぎ始め、面白そうだったので買って遊んでみたらどえらいゲームだったので、忘れないうちに感想を書いておきます。今なら10%OFFです(2021/10/28現在)
タイムラインの信頼できる人々(一部)
参考動画
この時点では「よくできた1人用ローグライクなデジタルボードゲームかな~?」と思って購入したわけですが、後に嬉しい誤算だとわかるのでした。
めちゃくちゃ乱暴に言えば本ゲームのボードゲーム部分はあくまでオマケ(と言っても単品でも通用するレベルのヤバいクオリティ)で、ボードゲームで遊びながら進めるアドベンチャーゲームというのが本来の姿でした。(ゲーム内外に散りばめられた謎を解く代替現実的ゲーム部分に関しては本稿では一旦脇に置いておきます。『Cicada 3301』めいてめちゃめちゃ面白そうではあるけども……)
第1部
このパートが一番プレイ時間が長かったです。何度も死にながら身体でルールを覚えていってどんどん先へ先へ進めるようになっていくローグライクな部分と、その過程で脱出パズルめいた謎を解きながらプレイヤーお助け要素としてカードプールを耕したり、アイテムを充実させるのと並行しつつ、ゲーム本編を進行させていくという展開、実に見事でした。
ボードゲーム部分もひじょ~によく出来ていて、特に気に入ったのは死んだとしても「ぼくがかんがえたさいきょうのオリジナルカード」を作り出せるとこですね。ランダム要素はあるけど、ぶっ壊れカードができるとマジで楽しいし。他にも木彫りの像をうまく使って「不死」のリス無限コンボ決めたりできると脳が喜ぶ。ルールをハックするのは健康に良い。さっきまで1ポイントが生死をわけるヒリつく勝負をしてたのによ!
引いた瞬間「はい勝ち~」
唯一不満を述べるなら、純粋なお助け要素と、ゲーム進行にかかわる要素の境界が巧妙すぎて、「特別な短剣を使う」が進行に必須なんだと気がつくまで3時間くらいかかったことですね。
「短剣使わなくても各ボス戦にはぜんぜん支障ないし、でもラスボス戦は何が起こるかわかんないし、死に戻しはめんどいから温存しとこ~」っていう
ラストエリクサー癖出ませんか!?みなさん!?
私だけじゃないよね!!??
余談:カードを盤面で再現するやつも引きが悪くて1時間くらい費やした
やってもそんなに強くないし必須じゃない。無いよりはマシ。
(写真撮れって言われてちゃんと撮ってるのえらい。素直)
第2部
結論から言うと、このパートが1番好きです。明るくて見やすいし、ドット絵だし、パック剥き!デッキ構築!シナジー!ってカードの束をしばいた経験のある人にはみな刺さる。それはそう。
スクライブの4人はもちろん、その他のキャラも個性あふれる姿でいとおしい。アナログテレビ調の暗い世界の第1部から色鮮やかになったことで、ドット絵にも関わらず世界の解像度がぐんと上がる感じいいですよね。
ストーリー進行上のパズルもちょうどいい湯加減で、特有のメタはありつつも(コンフィグ画面を開くとか)、理不尽はあまりなかったと思います。ストーリー的にも中盤のヤマ(やってるときは終盤と思ってたけど)であり、動画の方も緊迫感も増していきます。
(『Her Story』か~?って思いながら見てた)
最後にヒサツ・ワザを伝授しておきます。
「エナジー導線」を出して回路を成立させると無限にエナジーを供給できます。この状態で「ハッスル・メイジ」を出すと攻撃力と体力を1アップする能力が1ターン中に無限に使えるので、大変なことになります。
クリック!クリック!
これ見つけたとき「我天才か~~??」と思ったけど、多分10人中8人は気付いてると思われる。
(パック剥いたらたまたまこの2枚入ってて気付いた。ただの偶然)
第3部
ゲームシステム的には第1部の追加ルールという感じで、率直に言って第1部→第2部のときのような新鮮味はあんまりなかったです。(ぶっ続けプレイで疲れてたのもあるっちゃある)
ウェイポイントでセーブできるから安心~と思いきや、「死んだら終わりで最初から」に比べてデッキ構築の難易度はむしろ高いのではないでしょうか?どのくらいデッキ圧縮できるのかよくわからないままカード取っちゃって手札がダブつきまくる(そもそも圧縮の機会少なくなかった?気のせい?)、その上で新ルールをちょいちょい出してくるので「先に言ってよ!ズル!」と思ってました。(別にズルではない……)
ここまで来てやり直すのもアレなんで、結果的にかなりショボいデッキで最終決戦に臨むことになり、それなりに苦労しました。次はもっとうまくやれると思うけど、そこそこボリュームあるんであんまり気乗りしないな~。ボス4体のためにやや間延びしてる印象で、もうちょっとコンパクトでもよかったかなって。ヤツのGMとしての才覚の問題と言われたらそれはそうなのかもしれんけど……
PC内のファイルを使うとか、そういうアイディアは超良かったです。激重動画ファイルをぶつけてやって、大満足です。ビッグデータ(誤用)
追記:最終戦のくだりがいまいちピンと来てなくて、プレイ動画見てて始めてSteamのフレンドがカードになって出てくるって知りました。
Steamフレンド0人なのでわからなかった……Steamフレンド0人なので……
(ちなみに0人だと攻3防3で能力なしの「ミイラ」がもらえます。ナンデ?)
感想戦
エモくて言うこと何もなし。ただデュエルディスク には笑ってしまった。「遊戯王だ!」って声出た。
追記:外人のプレイ動画でも”Oh my God!That's YU-GI-OH!”って言ってて笑った。万国共通なんだ。
まとめ
冒頭でも触れましたが、1人用のボドゲのつもりでこのゲームを買ってプレイするというのは世界一幸せな騙され体験だったと思ってます。
聞くところによると本ゲーム作者 Daniel Mullins の前作『Pony Island』もこういう作風(?)で極めて評価が高いらしく、そのおかげもあってファン層からは期待を上回る圧倒的な好評価を得ているそうなのですが、そういう事情な~んも知らん私のような層までジワジワ浸透してきてるって率直に言ってすごいことですね。
信頼できるオタクデッキをタイムラインに構築しておいて良かった……ってコト!?
おわり
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