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木暮陶句郎 個展

行ってきました。あべのハルカス近鉄本店の木暮陶句郎 個展。タワー館11階〈アートギャラリー〉です。会場の壁に木暮さんの句の色紙、短冊、陶板がぐるっと飾れていました。その下の台には茶碗、皿、器、句集、色紙と短冊があり、奥の台にNHK俳句の収録で使用した大きな皿がテキストと共に配置されていました。

木暮さんはお客さんの皆と話されていて年配のご婦人の「NHK俳句で採っていただいて~」という声も聞こえました。私もお声がけいただきました。木暮さん白パンツのおしゃれなお姿です。

「今日はありがとうございます、NHK俳句ご覧になられて?」「はい、それと読売新聞も読みまして(今週月曜の俳壇のページでコラムを書かれていた)」の会話の流れになったものの俳句してますとかNHK俳句で投句してますとはとても言えず笑。なぜってこれまで採用になったことがないから…

木暮さんの回毎月投句してます→お名前は?→若林明良です→(知らないなあ;;)ってなるよねと思って💦

木暮さんがNHK俳句の連載の初回で引用されたのがこの句でした。

菜の花や月は東に日は西に  与謝蕪村

誰しもこういう連載を持つとき初回に何を引用するかって割と大事じゃないかと思ってて、自分はこういう人間ですと最初に出して印象づけるには心の底から好きな作品を選ぶはずだと。私が大好きなこの句、木暮さんもお好きなんだとすごく嬉しくて、それで、造られる器も見たいと思ったのでした。

句集と短冊と湯飲み茶碗を購入しました。

湯飲み茶椀は赤い模様がかわいらしいもの。さっそくお茶を入れていただきました。購入すると三角の箸置きを付けていただきました。きれいな深いレンガ色のを選びました。


水色は川瀬に貰ひ糸とんぼ  木暮陶句郎

字にやわらかくて自由な心を感じます。ふと見ると壁の一画に他から少し離れてこれは特別、っていう感じの掛け軸が。

沈黙にジャズ滑り込む秋の宵  木暮陶句郎

この前の記事で勝手にSSを書かせていただいた句です(顔から火が出るわ)。特別な配置になってるのはきっと、木暮さん本人も気にいってる句なのでしょう。「この句すごく好きなんです」と申し上げましたら、なんと購入した句集「陶冶」の見返しに揮毫していただきました。わ~!😂 大切にします、ありがとうございます!


「陶冶」より15句

薄氷ふめば遠くの水動く
下船待つ鉄のぶつかり合ふ余寒
はだれ野にはじまる深き轍かな
逢ひにゆく夜の春田を横切つて
紙破く音にはじまる青嵐
夏帽子くしやくしやにして人探す
十薬の疎水になだれ咲きて京
窯焚を終えし火の香の髪洗ふ
青葡萄日射しは音を立てて降る
酒瓶の口みな小さし夜の秋
青田波越の平らを直走る
路地ごとに別の秋風ある伊香保
耳許のダイヤモンドにある寒さ
眉少し考へてゐる雪だるま
乾杯の音はラの音春隣