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感じる必要のないやましさ

喫茶店で友人と会話していたら、女性の店員さんがやってきて小声で「声がちょっと大きいので抑えてください」と言った。
確かにテーブルを挟んで向かいに座る友人は声が大きかった。
大声でサブカル系の貴重な裏話を語っていた。
彼は大学で講師をやっていて、教壇から学生たちに語っているので、講演のような声量で話す癖がついているのかもしれない。
あと、太っていてお腹が前にせり出しているため、椅子に座るときにのけぞる姿勢を取らざるを得ない。僕との距離が遠いため声を張ってしまう。
たしかに他の客には迷惑だ。
だがそれ以上に、彼が繰り出す貴重な裏話はひそひそ話で伝聞すべきものなのに、あんな大声でアナウンスしてしまったために、聞いてしまった第三者たちに感じる必要のないやましさを伝染させてしまったのかもしれない。


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