前にむかって~様々な成人式

学年通信(2017年1月より)。進路に迷う中高生の皆さんの参考になれば幸いです。

◎前にむかって~様々な成人式
 昨日は成人式でしたが、コロナ禍の影響で大分市では成人式が中止になってしまいました。皆さんも5年後は成人式を迎えます。その時はどのような成人になっているのか本当に楽しみです。
ずいぶん昔のことです。ご縁があってハンデイキャップを持つ方々の成人式に出席したことがありました。
 会場はとても和やかな雰囲気で、障害を持つ新成人の方々が、名前をよばれる度に前並びます。そのたびに会場から暖かい拍手が起こります。染色体の欠損で心臓に障害を持っている方が名前を呼ばれます。「B君はおおきくなったねえ。」などと会場から声が聞こえます。この病気は二十歳まで生きることは本当に少ないのです。
 当時は、成人の若者が成人式で大騒ぎする場面が多く、成人式の中止も検討されていた時期でしたので、こんなにも暖かいs成人式があると、感動したことを覚えています。
 幾度か成人を祝う会に行かせていただいたことがありました。10年ほど前、かつて勤務した学校の生徒さん方の会に招待されたことがありました。その時は百人近い人たちが集まっていました。成長して大人びて、顔立ちが変化しているので、最初は誰かわからなかったりしました。しかし、話していると、一人ひとり細かい昔のことを思い出し、楽しい時を過ごすことができました。
その日の会のお世話をしてくれたのはI君とK君でした。I君は高校の合格発表の翌日、学校に来て泣いていました。不合格になったのでした。職員室に入れず、駐車場の隅で1時間ほど話しました。その時は目的が明らかであれば、何処にいても勉強はできることを話したような気がします。次善の学校に進んだ彼は、難関と言われる東京の大学に合格し、勉強をしていました。
頑張っていたのです。そして、同級生のために楽しい会を企画してくれたのでした。その姿が、とてもうれしく、私にとって心に残る素敵な日になりました。
 この会が始まる前に、私は彼らの同級生の、ある女の子の家に行って来ました。彼女は、生まれながらに両足に障害がありました。学校では友人の支援で学校生活を送りました。友達と話すことは苦手でしたが、卒業の時、無口な彼女が、クラスの友達にお世話になったお礼を、はっきりと伝えていました。家に訪ねてお祝いを言うと、帰り際、今日の会には行けないが、皆に宜しく伝えてほしいと言いました。気になっていた彼女に会えた事が、その日の私にとって一番の嬉しいことにになりました。
 皆さんもあと5年後に成人式を迎えます。その時、事情があって一人で成人式の日を迎える事があるかもしれません。しかし、思い出してほしいのです。お会いできませんが、私や学年の先生方は、皆さんのその日をずっと前から心待ちにして、あなた方を応援していることを。
 5年後、よき成人にあなた方がなられることを祈っています。

(通信で紹介した星野富弘さんの言葉)
「花は自分の美しさを 知らないから 美しいのだろうか 知っているから 美しく避けるのだろうか」

あきらじいじ


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