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未来の責任を担い、社会に選ばれる企業へ ~経営層向け2030SDGs・レゴ®シリアスプレイ®~ さくらインターネット株式会社

Gift&Share合同会社では、SDGsの理解浸透および組織への実装支援に取り組んでいます。
今回は、さくらインターネット株式会社様(以下「さくらインターネット」)に2030SDGsワークショップ(Step1:本質理解)およびレゴ®シリアスプレイ®ワークショップ(Step2:ビジョンメイキング)を開催しました。

<会社概要>
さくらインターネットは、1996年の創業以来、データセンター事業を中心とした高品質なインターネットサービスを提供している。インターネット環境の変化とともにお客様のご要望にお応えする多様なサービスを開発し、お客様のビジネスを支援。現在も、絶えず新たな事業の実現に取り組んでいる。

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参加対象者
・社長、取締役、執行役員、推進担当者 17名

2030SDGsワークショップ(午前中)
 ・2030SDGsカードゲーム体験
 ・ゲーム体験、振返りからSDGsの本質を心で理解する
 ・ビジネスにおけるSDGsの潮流を理解する

レゴ®シリアスプレイ®ワークショップ(午後)
 ・個人のアイデンティティーを明らかにする
 ・自社のアイデンティティーを明らかにする
 ・実現したい自社の共有ビジョンを作成する
 ・自社がSDGsに取り組む上での優先課題を考える


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ES本部 ES部 部長 矢部さん(左)
※「ES」は「Employee Success」の略

SDGsの取組の背景

-まずはじめに、SDGsに取り組むにいたった背景やきっかけを教えていただけますか?

(矢部さん)
上司から、環境・社会・ガバナンスに配慮する企業へ投資を行うESG投資が注目されていること、また、2022年4月の東証の市場区分の見直しにあたりプライム市場を選択し申請していくため、コーポレートガバナンス・コードを学んでおいたらと、アドバイスがあったことがきっかけでした。そのアドバイスを受け、SDGsを学びはじめました。

書籍でのインプット から始めたのですが理解するのがとても難しいと感じていた中で、佐藤さんが開催している2030SDGsカードゲーム体験会に参加し、やっとSDGsの重要性を体感することができました。

SDGsやESG、コーポレートガバナンス・コードに取組みにしても、なぜそこに取り組まなければならないのかを誰も腹落ちしていなければ、会社で進めていくのは難しいと思いました。


「心からやりたい」を実感できる2030SDGsワークショップ

-今は様々な書籍がでていますが、どうすればいいのか、どういう視点が重要なのかといった情報は多くありますが、そもそもの「なぜするのか」のWhyが重要だと感じられたんですね。


(矢部さん)
もう一つ佐藤さんの2030SDGsワークショップ体験会で感じたのが、Whyだけでなく、「やりたいの?」と心が動くことが大切だと感じました。

現状からどんな改善ができるかを考えて、改善策をつみあげていくような考え方をフォアキャスティング。それに対して未来の姿から逆算して現在の施策を考える発想をバックキャスティングだと教えていただきました。

バックキャスティングでのゴール設定は、未来の姿に対して心の底からそうありたいと思えなければ、目の前の課題でいっぱいになるのが現実。
SDGsに取り組む「Why」と、役員が内発的に「やりたい」を体感できる場がキックオフにふさわしいと思い、今回のワークショップを企画しました。

-今回このワークショップを企画するにあたり、はじめの期待事項を教えていただけますか。

(矢部さん)
期待していたことは、役員一人ひとりがSDGsに取り組む「Why」を体感し、そして、何かひとつでも行動を起こすきっかけになればいいというのが今回のワークショップのゴールと考えていました。

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-実際にワークショップを受けて、何か変化はありましたか?

(矢部さん)
アンケート結果を見ると、「やりたいことが溢れ出てきた」といったコメントがあったり、社長・副社長からは、「社内の人にも知ってほしいから浸透させてほしい」といった意見があったり、統合報告書作成のキックオフの際も、「やらなきゃいけないことだよね」から、「これは当たり前にやることだよね」と意識の変化により会話の内容が大きく変わりました。

他にも当社の重点施策として、SDGsとDXの2つを中心として進めていこうといった話が出たり、物事が想像よりもとても早く進んでいることに驚きました

さらには、参加した役員がグループ会社の役員にワークショップの良さを伝えてくださり、グループ会社の役員から私に「当社でもワークショップを開催したい」と連絡がありました。
参加した役員がこれだけ素早く行動を起こしている、さらには影響する範囲も広く、そして大きい、これは当初の期待を大きく超えた変化が起きていると感じています。

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-想定を超える反響があったのは嬉しいですね。私自身、本ワークショップを200回以上開催して感じるのが、このワークショップでは「何を私たちは大切にしたいのか」「何を私たちは実現していきたいのか」といった対話が自然に起きます。こうした対話は会議では起きづらいと感じていますが、日常の社内のコミュニケーションとワークショップ中の対話の違いはありましたが?

(矢部さん)
全く違いました。
私が参加していたテーブルには、技術系の役員がいました。とても技術にあかるい方なので、私は、技術にしか興味がないものだとばかり思っていました。

入社から7年も付き合いがあったのに「環境に対してこれほどの想いがあったんだ」と今回の対話を通じて初めて知ることができました。
さらにはその考えに至った背景であったり、個性、価値観にも触れることができ、私が元々その方に抱いていた印象はほんの一部だけであったことに気付きました。

そして、私はその方の普段の言動から「新しいものが好きなんだろうな」と思っていましたが、新しいことをするベースには土台をしっかりさせたい、安心して皆が働けるようにしたいといった価値観があることに触れて、いかに私が固定観念(バイアス)をかけて人に接しているのかに気づけたのは貴重な体験でした。

想いを引き出し、ストーリーあるビジョンを共有するレゴ®シリアスプレイ®

-付き合いの長いメンバーでもそれだけ深く理解することができたのは、ワークショップのどんな要素が影響しましたか?

(矢部さん)
後半のレゴ®シリアスプレイ®が大きかったです。

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(矢部さん)
佐藤さんが声かけで「まずは手を動かしてください」と説明いただきましたよね。なので、考えずにまずは手を動かして作品を作ってみる。そしてできた作品に対して後から対話を通じて意味づけしていく。
なんとなく作ったものでも、無意識のうちにそれを選んだという行動に意味があるんですよね。それが言語化されていくプロセスに、とても意義がありました。

佐藤さんのファシリテーションも大変お上手で、作品の上手い・下手ではなく、全員が安心して自分を表現する、対話する場を作っていただけたのも大きかったです。
佐藤さんが何度も伝えてくださった、「あえて言うならで表現しましょう」という言葉で対話が深まったと思います。例えば作品で使われたレゴの色も、無意識ではあるものの、きっとそれを選んだことに意味があるんですよね。
それを「あえて言うなら」で周囲に伝えることで、価値観などを深く知ることができ、大変有意義な対話の場になっていたと思います。

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-私自身、様々な企業の組織開発にも携わっていますが、多くの経営者は「こういう組織にする」「こういう事業を創る」といったコンセプトで語ることが多いと感じています。
でも私たちは、「なぜそれを実現したいのか」といった裏側のストーリーに共感し、心が動かされ、内発的に動機付けされます。
一方で、日常の会議は効率性を求められるため、ストーリーを深く共有することはないですし、どう意思決定するかが中心の内容になりがちです。
SDGsは壮大なテーマであるがゆえに、社内で浸透させていくには、コンセプトではなく、ストーリーで語ることの重要性を感じています。

(矢部さん)
本当にその通りだなと感じます。
ワークショップが終わった後に社長の田中と話をして、気付いたことがあります。

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テーマ「実現したい理想のさくらインターネット」で田中社長が作った作品

(矢部さん)
田中はとてもとても高い塔の作品を作っていました。
作品だけを見ると、「高みを目指したいのかな」と感じたのですが、作品に込めた思いを聞くと、塔の上にある窓が大切なんだと。

世界を高いところから見渡せる自由さ・寛容さを表現しており、視野を広げ、視座を高めていきたいと、この作品は「世界を見通せる窓」なんだと語っていました。この話を聞き、田中の価値観を知ることができました。


-面白いエピソードですね。これはまさにレゴ®シリアスプレイ®だからこそ得られる価値ですね。
私たちは言語でコミュニケーションを取りますが、「美しい夕日」と言われても思い浮かぶイメージは人それぞれ違います。例えばアパレル業界だと「美の追究」といったコンセプトが出ると、言葉としては「それが大切だよね」と共感しますが、その言葉から連想する世界観が皆違うので、かみ合わなかったりすることが多くあります。
レゴは形にして表れるので、この世界観も共有できるのが大きいです。
世界観やストーリーを理解すると、同じ「視座を高めよう」というメッセージも受け止め方が変わってきますよね。

(矢部さん)
本当に変わりますね。
ただ言葉だけで言われるよりも、レゴの作品で想いが可視化されるのが非常に大きいと思います。

田中はよく社員に「社内だけにいると社会の変化が分からないから外に出よう」「様々な人と関わりをもとう」と言っています。当社がパラレルキャリアを推進しているのもそういった背景からです。
ただ、社内で話を聞いただけでは、「外に出る」は手段ばかりを大きく捉え、その裏側にある価値観や想いまでは伝えられていないのかもしれません。
その想いというのがレゴの作品で表現した窓なんだと思います。

日常の言動に込められた想いを共有する、そういう対話の機会は普段のMTGの中では、なかなか難しいですね。

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-自分の世界観を表し、対話を通じて自分の作品を意味づけしていく。
これは自分自身の内側とのコミュニケーションを大切にすることに繋がります。そして自分自身のコミュニケーションを大切にできるからこそ、他のメンバーの世界観にも意識を向けることができる。
全ての人の大切な価値観を引き出し、尊重しあえることができるのが、このレゴ®シリアスプレイ®が目指している場になります。

ワークショップだからこそ得られる価値

-今回、体験型のメソッドを用いてワークショップを開催しましたが、当初の期待にはなかった意外な気づきや効果はありましたか?

(矢部さん)
前半の2030SDGsカードゲームでは、普段はあまり大声を出すタイプではない役員も、積極的に越境し、色々なテーブルに回って活発に相談や交渉をしていたりと、誰もが夢中になって取り組んでいたのが印象的でした。

-2030SDGsカードゲームは、誰もが自然と没頭し、それぞれの参加者が所属している組織の壁が気にならなくなりますね。

(矢部さん)
その通りだと思います。
2030SDGsワークショップでは、前半は自分のことしか意識が向いていないですが、後半は全員が視野が広がり周囲を見ながら、意識・行動していました。自然と意識・行動変容がゲームの場で起きているのが凄いと感じます。

あと役員は、全般的にロジックが強みの方(左脳派)の方が多い印象です。当初は後半のレゴ®シリアスプレイ®は苦手な方が多いんだろうなと懸念していたのですが、皆が夢中になってのめり込んでいるような場になっていたのは驚きでした。

私は、気づきのきっかけがあるかないかだけの違いだけで、本当は誰しも地球というコミュニティの一員として何かに貢献したいと思っているんだなと、ワークショップを通じて感じる事ができました。

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-私自身、様々な場を作る際に意識しているのが、誰もが悪意をもって活動している人は存在しないと思っています。ただ、見ている視点が違って見落としたりして、気づいたら知らないところで悪影響が起きているのが現実だと思います。
それを2030SDGsカードゲームやレゴ®シリアスプレイ®は、視点を変えたり、俯瞰したり、またそれを現実と紐付けたりして、「気づく」ことを大切にしています。

(矢部さん)
本当に素晴らしかったです。
それは決してカードやレゴだけでなく、佐藤さんのファシリテーションの力も大きかったと思います。
カード自体が非常に素晴らしいものであるとは思いますが、佐藤さんは、基本答えを教えないですよね。それはきっと答えが明確なものはない、答えは自分の中にある、といったことがあるのかもしれないですが、一人ひとりが自分に向き合って考えてもらうための問いが素晴らしかったと思います。

もう一つは、
佐藤さんはワークショップの初めの方が存在感があり、後半は徐々に存在感がなくなってきたことです。

初めは全員が佐藤さんに注目していました。
しかし、体験をし、対話に夢中になっていき、ワークに没頭するようになっていって、佐藤さんの存在感がなくなっていきました。
ファシリテーターが存在感ありすぎるのは参加者がワークや対話に夢中になれていない証拠であり、ワークショップとしてはあまりよくないですよね。

佐藤さんは常に縦の関係で教えるではなく、横の関係でフラットに接していました。
佐藤さんのファシリテーターのあり方が、場全体に広がり、安心感や活発な対話に繋がっていたように思います。


-私自身はあくまで空気を作る触媒でしかなく、白いキャンバスを用意して、一人ひとりの色がそこに浮かび上がったとき、一体何が生まれるのかを参加者の皆さんと一緒に味わっているという感覚で、ファシリテーションをしていますね。

(矢部さん)
一緒に味わっている、一緒に創っているスタンスがフィットしていると感じました。このような対話の場を作っていただいて感謝しています。

望む未来を創造するSDGs

-最後に矢部さん個人の考えでもいいのでぜひお伺いしたいのですが、2030年、そしてそれから先に向けてどんな未来を創っていきたいですか?

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(矢部さん)
どんな未来を創っていきたいか・・・考えちゃいますね。(笑)
私はレゴで、人種や性別、それ以外の様々な要素も含めた多様な人や、さらには動物も中心を向いており、それぞれある一定の距離を保ちながら円を描いている。そして、その真ん中に青々とした大きな木が生い茂っている作品を作りました。
全ての壁を取っ払って、多様な人達が協力し合い、環境、社会、経済、を育てていくことを一緒にできるようになれば、青々とした大きな木が生い茂る。
そして、自分はこのコミュニティの一員であることを実感でき、自分は自分でいいんだ、相手も相手で違っていいんだという気持ちになれたら、平和だなと思います。そういう世界に住めたら、私は幸せだなぁと感じます。


-私自身、SDGsのその先でポジティブ心理学をはじめ、ウェルビーイング(幸福)を深めているのですが、個でもあり全体でもある感覚を得られることが重要です。
ダイバーシティ&インクルージョンもそうですが、少し目を外に向ければ、その成功例として自然があるわけです。
森は、動物や植物などの多様な個が存在し、それぞれが繋がりあって森が存在する。なにか1つでも欠ければ森は違う形になりますよね。例えばカマキリがいなくなればバッタが増えたりと。
そしてまた森という大きな存在があるからこそ、それぞれの個が存在できるわけです。この相互作用をしている感覚が大切だと思っています。
つまり、私はこのコミュニティの一部と感じられている、つまりは森と繋がっていると感じられている、そして私自身は私自身であるという感覚。
SDGsワークショップでも伝えたキーメッセージとして、「世界は繋がっている、そして私も起点」という言葉はこんな想いも込めています。

(矢部さん)
まとめていただいてありがとうございます。
今の話しを聞いて私の中でさらに想いを強くしました。

個であり全体である。だから真ん中に大きな存在として木がある。そして周りを取り囲んでいる人は、肌の色が違ったり、帽子をかぶっていたり、色んな違いがあっても自分は自分でOK。違っていても安心してコミュニティの一員だと感じられる。
そして、このコミュニティは家族や身近な方から始まり、チーム、会社、そしてゆくゆくは、日本、世界、地球と広がりがあるように自分が感じられれば、「どこに行ったって自分はやっていける」と思える。

それぞれが自由に発言し、意見を交換し合い、議論し、受け止めあえる場ができあがる、すなわち一人ひとりに居場所があるということ。これが、多様性への寛容さの本質的な意味なのかもしれません。


-私のコーチングのベースであるアドラー心理学でいうと共同体感覚ですね。自己受容、他者信頼、他者貢献を感じられる社会がこれからの未来をよりよくしていくと私自身も信じています。

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当社では、見栄えだけ整える表面的なSDGsではなく、本質的にこれからの未来を変容させる取組みに信念と覚悟を持って取り組む組織を本気で支援しています。
SDGsの本質に向き合い、「私たちはどんな社会に生きたいのか」「自社は2030年にどんな存在でありたいのか」から目を背けず、実現したい未来からバックキャスティングで取り組む組織を増やしていくため、今後も邁進していきます。

気軽に相談できるアドバイザリー契約をはじめ、様々な支援を行っていります。
お問い合わせは公式プロフィールの問合せフォームからご連絡ください。

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