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スクラムチームの効果性を測定するツール「Columinity」を試してみた感想
こんにちは、おーのAです。
今回はスクラムチームの効果性を測定するColuminity(カラミニティ)を使用してみたので記事を書きます。
以下ご了承ください
2024/7/14に使用した時点での記事です。今後、内容やプランに変更がある可能性があります。
Columinityについての詳細やどのような結果が得られるのかについては言及いたしません。使ってみようと思った経緯と感想を中心に書きます。
Columinityについて
Columinityとは
Columinityは、スクラムチームの効果性を測るためのツールです。このツールは、チームのパフォーマンスや成長を定性的に評価するために設計されており、アジャイルコーチやリーダー、マネージャーがチームの現状を把握し、改善ポイントを見つけるのに役立ちます。
Columinityは、さまざまな質問や評価基準を使用して、チームメンバーのフィードバックを収集し、その結果を視覚化します。
詳しい説明はサーバントワークスさんの以下の記事が参考になりますのでご参照ください。
プランと費用
Columinityには3つのプランが用意されており、チームの規模に応じて選択できます。基本的なプランは無料で利用可能ですが、組織に1チームという利用制約と1ヶ月で記録が消えてしまう点がデメリットです。
具体的な費用は以下の通りです。
FREE(€0):1組織・1チーム対象。30日で記録が消えます
PROFESSIONAL(€240/Year/Team):1組織・複数チーム
ENTERPRISE(€480/Year/Team):複数組織・複数チーム
※ 正直なところ、私の会社ではProfessionalを想定したので、ProfessionalとEnterpriseの違いは十分に調べていません。違いが知りたい方はお調べ願います。
なぜColuminityを利用しようと思ったか
ゾンビスクラムサバイバルガイドを読んで効果性の測定に興味を持っていた
ゾンビスクラムサバイバルガイドの著者の一人であるChristiaan Verwijsはチームの効果性についての研究を行なっております。ColuminityはChristiaan Verwijsらの研究チームが提供しているツールです。ゾンビスクラムサバイバルガイドの中でも効果性測定のツールについても、現在のColuminityとは用語が異なりますが言及されています。
この本を読んだのは1年以上前ですが、当時は効果性を測定することにモチベーションが起こることはありませんでした。しかし今回、他の要因も重なり、試してみることになりました。
アジャイルコーチを導入する中で効果性を定量的に測定したかった
既に議論し尽くされた話でもあるかと思いますが、チームがより良い価値を生み出せているか、ということは短期間で定量的に測ることは難しいです。
弊社では現在アジャイルコーチに入っていただき、チームの支援を受けています。コストをかけた分だけチームの活動が改善に向かっているのか、ということを数値で表したいものの、それには難しさがあります。その痒いところに手が届くツールではないかと思いました。
スクラムチームの成長を促すためのポイントを整理したかった
チームが自分たちを客観的に評価することは非常に難しいです。もちろん、前項のアジャイルコーチの支援によって客観的に評価するということは一定可能ではありますが、自己組織化という観点では自分たち自身で自分たちを客観的に見ることが必要だと考えます。
Columinityを利用することで、チームの強みや課題を可視化し、成長のための具体的なアクションプランを立てることができます。Comluminityによってチーム全体のパフォーマンスを向上させるための貴重な情報を提供してくれます。
サイボウズで導入していた
ちょうどタイミング良く、スクラムフェス大阪2024の発表でサイボウズの天野さんが発表をしていました。天野さんの発表も試用してみようという気持ちを加速してくれました。
Columinityを使ってみてどうだったか
良かった点:改善のワークショップまで提案してくれる
先ほども出てきたChristiaan VerwijsはリベレイティングストラクチャーのWebサイト The Liberatersに関わりのある人物でもあります。リベレイティングストラクチャーはスクラムチームをより効果的な活動へ導くツール、ワークショップ群のようなものです。
リベレイティングストラクチャーはゾンビスクラムサバイバルガイドで取り上げている、ゾンビスクラムへの改善のためのツールであったりもします。
Columinityで分析をすると、自分達のチームの効果性が低いポイントについて、色々な提案をしてくれています。
良かった点:数値化されると納得感がある
数値で表現されると、やはりなんだか納得できる、ということがあると思います。チームの状態が平均未満なのか、平均以上なのか、ということを提示してくれることで、自分達に今足りないものを明確にしてくれているように感じます。
「うーん・・・」と思った点:回答が難しく、人によってブレがありそうだし、その人の答える時期でもブレが出るのは明らか
スクラムの経験者であればあるほど、スクラムに関連する知識は増えるし、なんなら、自身はどんどん失われていきます。いわゆるダニング・クルーガー効果です。
今回質問を読んで思ったのが、結果が回答者の「自信」に依存するだろうな、ということです。つまりチームが未熟であっても高いスコアを出す可能性があるということです。スクラムやアジャイルを知らないが故に自分達が「できている」と感じて回答してしまってもおかしくないような質問になっているように思います。もちろん全ての質問がそうだとは思っていません。
例えば、「ステークホルダーをxxxしているか」といった質問があったときに、未熟なチームであれば、「ステークホルダー」を「上司」と捉えてしまって、できていると回答するようなこともあると思います。
「うーん・・・」と思った点:日本人には解釈が難しい質問もある
今回、私たちはGoogle翻訳で訳しながら、解釈が難しいところは英語に戻して回答する、といった回答方法を取りました。やはり、原文が英語なので感覚的に分かりにくいところがあったりします。
今回Google翻訳で回答したのも良かったか悪かったかは分かりませんが、質問自体がどういった意味なのか、ということを事前にチーム内で認識が合わせてあると、少なくともチーム内での回答のブレはズレにくいかなと思います。
まとめ:チームの時間変化の相対比較に意味があると思うので、なんとも言えないが使ってみたい
今の自分達が取り組むべきポイントを明確に絞り込むことはできるので、その点においては有効に使えると思っています。
前述の通り、チームの自信に依存しそうだな、という印象が結構強いので、ちゃんと取り組めば取り組むほどスコアが下がるような気もしています。
そういう意味では、定量的に評価するためのツール、という立ち位置ではあまり効果を発揮してくれないかもしれないなと思っていたりします。
ともかく、時間変化に意味があると思うので、これはもう使ってみないとなんとも言えないなというのが正直な感想です。
値段的にもそこまで高い金額ではないので、皆さんにもおすすめしたいなとは思いますし、勝手ながら日本での活用事例が増えたら良いな、と思っていたりします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。